昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

なた切り(ロース)定食@ほりき

行徳のとんかつ専門店「ほりき」へ。この店は「のんべいさん」にコメントで教えていただきました。

東京メトロ東西線行徳駅の改札口を出て左へ、さらに左へ高架沿いに浦安方面に100メートルほど歩き、コンビニエンスストア「セブン-イレブン」の角を右折して、100メートルほど歩くと左側に店はある。10台分の専用駐車場を備えた3階建ての立派なビルだった。

ほりき

カウンター席、テーブル席、小上がりのテーブル席を合わせて60席以上はある大きな店で、背の高いコック帽をかぶった60代のご主人ともう1人の男性が調理を担当し、ハッピ姿の60代女性2人がホール係を担当している。

メニュー@ほりき

店内に貼られた浮世絵をモチーフにしたポスターによれば、店主が堀木隆氏で女将が堀木洋子さんで、看板料理が「丸太(ひれ)」と「なた切り(ロース)」らしい。

お茶とおしぼり、割り箸を運んできた女性に、「なた切り(ロース)定食(1800円)」を注文すると、「サラダとお新香のどちらにしますか?」と尋ねられたのでお新香をお願いした。

「なた切りは時間はかかります」という貼り紙どおりに、20分ほどかかって料理が供された。

なた切り定食1800円@ほりき

予想よりも小さく、長さ17センチ幅10センチ厚さ3センチ以上の直方体のかつだった。ナタのような形に切ったということなのか、ナタで切ったような形のどちらだろう。

なた切り定食部分@ほりき

ラードで揚げた甘い香りをまとったかつは、中央は2割ほどが脂身で、右端は半分ほどが脂身。しっかり揚がっていて、赤身は白く変色しているけど、脂身が半透明で甘い

驚くべきは衣の薄さ。パン粉を除けば1ミリ以下の極薄だった。間違いなくこれまで食べたどのとんかつの衣よりも薄い。衣が肉から剥がれずに揚がっているのは、確かな技術があるからなのだろう。

大きなお椀(実際は飯碗)で供された豚汁は、ダイコンとニンジン、豚こま切れ肉というシンプルな材料なのに、野菜の旨味や甘みが煮出しされていてとても美味しい。ドンブリ3杯飲みたい。

14時の閉店間際になっても、お客が次々に訪れる人気店だった。

のんべいさん」、ようやく行けました。


◆希望支払金額:1800円(脂肪が甘くて美味しい)
◆費用対効果度:100%(1800円/1800円)

ほりき
千葉県市川市行徳駅前2-21-5


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ロースかつランチ(超厚切り)@豚組食堂

2013年4月28日にオープンしたばかりの六本木「豚組食堂」へ。

この店は、肉汁ボタボタの西麻布「豚組」の支店。

東京メトロ日比谷線六本木駅の広尾寄り改札口を出て左に歩くと、そのまま「六本木ヒルズノースタワー」の地下飲食街に直結している。地下飲食街の中央に店はある。

豚組食堂

13時過ぎになっても行列が伸びている。でも、最後尾に並ぶと数分で店内に案内された。

カウンター14席、2人がけテーブル8卓の店内は、いくつかの席が空いているじゃないか。それに店内には待っているお客用の長いベンチまであるのに使われていないじゃないか。店外で行列に並んだのは数分だけど、なんだか騙された気分。

メニュー@豚組食堂

ランチは、ロースかつランチフィレかつランチだけ。普通と1.5倍、2倍(超厚切り)がある。

お茶とおしぼりを運んできた女性ホール係に「ロースかつランチ超厚切り(1780円)」を注文すると「20分ほどかかりますが!」語気鋭く宣言された。時間のかかって回転率を落とす超厚切りはありがたくないらしい。

オープンキッチンの厨房で調理を担当しているのは60代と30代男性。ホール係は、若い女性2名と男性1人、奥の洗い場にも2名の男性がいて、さらに店長らしき男性もいる。席数に対してスタッフが多すぎるような気がする。

待つ間に周りを見渡すと、お客がどんどん帰っていき、テーブルの片付けが終わっているのに、5分ほどお客を案内せずに待たせている。やはり“行列店”を偽装しているのだった。

待たされているお客にはガラス越しに店内が見えるし、入店した途端に空席だらけなことがわかる。通行人に行列を見せるメリットよりも、わざわざ訪ねてくれたお客を不愉快にさせることのデメリットの方が大きいことぐらい小学生でもわかるだろう。しかも、この店は行列中のお客から注文を受ける知恵もないらしい。

西麻布の本店のサービスは素晴らしかったのに、この店の店長の小賢しさにはげんなりさせられた。

20分はかからずに、15分ほどで料理が供された。

ロースかつランチ超厚切り1780円@豚組食堂

長さ18センチ幅10センチと小ぶりだけど、厚さは3センチ以上の超厚切りだ。

ロースかつランチ部分@豚組食堂

左端は8割が脂身、右端は赤身の肉は、肉汁たっぷりに揚がっていた。本店のように肉汁がポタポタと垂れることはなかったけど、切れ目には淡雪のようにふわふわに固まった肉汁が溜まっていた。もちろん、とても美味しい。

小さな茶碗に軽くよそってあったご飯は、固めに炊かれていて美味しい。味噌汁には小さなナメコが少しだけ入っていた。千切りキャベツは時間が経ってしんなりしていた。

ご飯をお代わりすると、今度は山盛りにしてくれた。お代わりのキャベツはシャキシャキで美味しかった。


◆希望支払金額:1780円(文句なく美味しいけど)
◆費用対効果度:100%(1780円/1780円)

豚組食堂
東京都港区六本木6-2-31 六本木ヒルズノースタワー B1


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『一瞬で正しい判断ができる―インバスケット実践トレーニング 』鳥原隆志(朝日新書 395)

インバスケット実践トレーニング



一瞬で正しい判断ができる―インバスケット実践トレーニング 』鳥原隆志(朝日新書 395)


インバスケットとは「未決箱」のこと。1950年代にアメリカ空軍で開発された管理者の採用・選抜または研修ツールである。

十分な知識や知恵はあっても、それを意思決定に活かせるかどうかはわからない。戦場のような刻々と状況が変化する場所では、限られた情報を元に瞬時に正しい判断を下して、次の状況に備える必要がある。それをできるかどうかをチェックするための試験だった。

数年前からこのインバスケットが、企業の管理職昇格試験やマネジメント研修に採用されているらしい。

著者は、このインバスケット研修を実施している会社の経営者。いわば専門家なのだが、7年前に管理職昇格試験で出会うまでインバスケットを知らなかったらしい。これまで日本ではほとんど普及していなかったということになる。

本書は、短い制限時間内に多数の未決案件を処理していくインバスケットのミニゲームを解説している。


  【目次】
   第1章 現場で成果を出すインバスケット入門
   第2章 判断力を高めるインバスケット36問
    優先順位設定力
    問題発見力
    問題分析力
    創造力
    意思決定力
    洞察力
    組織活用力
    当事者意識
    ヒューマンスキル
  第3章 1割の行動を変えれば成果も変わる


読者は、ある通信販売会社の営業課長として、さまざまな問題に直面し、意思決定を行うことになる。実際のインバスケットは記述式だが、本書では4つの選択肢から選ぶ。

大半の設問は極めて常識的で深く考える必要はない。正解以外の選択肢があまりに馬鹿らしいと思いながら読み進めると、著者の研修の受講者の7~8割は正解している設問だということが明らかにされる。なぜ全員が正解を選ばなかったのか、と受講者たちが気になるほどだ。

後半で回答者の意見が分かれる設問があるが、人事的な問題であり、担当者の性格や組織風土などの状況によって判断が分かれて当然の設問である。

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チリチリマサラカレー(900円)プラス激辛(70円)@Curry House チリチリ(TIRI TIRI)

【激辛カレー】


渋谷の有名カレー専門店「Curry House チリチリ(TIRI TIRI)」へ。この店は土日祝日が休業なので、木曜日に訪れた。

JR渋谷駅東口南口(変な名称だけど駅にこう書かれてあった)を出て右手の横断歩道橋で青山通りを越え、明治通り沿いに南へどんどん歩く。途中にカレーのチェーン店やインド料理店があるけど無視してどんどん歩く。600メートルほど歩いて東交番前という交差点の手前右側に店はある。

カレーハウス・チリチリ

カウンター席11席の店内には、駅から遠く15時過ぎなのに先客が6人もいた。

メニュー@カレーハウス・チリチリ

この店は“インド流製法を独自にアレンジ”しているらしい。1皿分のカレーに炒めたタマネギが1個分入っている、と書かれていた。

料理名に“マサラ”と付くのが辛口。店内の壁に掲げられたメニューには「注文の際にマサラを省略しないでください」とあった。

「チリチリマサラカレー(900円)」「プラス激辛(70円)」で注文するときに「激辛で」とお願いしたら「プラス激辛ですね」と訂正された。この店は料理名の正確さにこだわっている。

実は「プラスハバネロ(100円)」というのもあったんだけど、「普通の人は食べられません」と書かれていたので、普通の私はプラス激辛までにした。

目の前の厨房では、3つの小さい寸胴鍋でカレーを煮ていて、それをフライパンに小分けし、野菜スープで伸ばして仕上げている。

その脇では、直径50センチ深さ40センチほどの寸胴で大量のタマネギを炒めている。

5分ほどで「チリチリマサラカレーのプラス激辛です」と正確な料理名で、料理が供された。

チリチリマサラカレー900円プラス激辛70円@カレーハウス・チリチリ

薄茶色の福神漬と刻みタマネギを和えたチャツネが添えられていた。

カレーを口に入れた瞬間は、生姜っぽいスースーした辛味を感じ、次にトマトの酸味、そして唐辛子や胡椒の辛味がガツンとくる。飲み込むときには、クローブやコリアンダーの香りが鼻を抜けた。

鶏肉は、スプーンで簡単にほぐれるまで煮込まれていて美味しい。

でも、ソースにはあまり鶏肉の旨味は溶け込んでいない。カシューナッツペーストも使っていないようで、コクもあまりない。

「普通のカレーよりも油の使用量も少ない」と店内の黒板に書かれていたように、とてもさっぱり・あっさり味のカレーなのだった。

次は、プラスハバネロで食べよう。


◆希望支払金額:970円(ていねいに調理されたインド風カレー)
◆費用対効果度:100%(970円/970円)

Curry House チリチリ(TIRI TIRI)
東京都渋谷区東1-27-9



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『漢字雑談』高島俊男(講談社現代新書 2200)

漢字雑談


『漢字雑談』高島俊男(講談社現代新書 2200)


本書は、講談社のPR誌『本』に現在も連載中のエッセイのうち、2010年10月号から2012年11月号までの31本をまとめたもの。

エッセイと書いたが、もちろん単なる身辺雑記の随想ではなく、日本における漢字の受容とその後の時代的な変化について詳しく解説している。「漢字について雑談」したもの、と書いていて口述筆記なのかもしれないが、本書は漢字と日本語について著者が抱いた疑問や読者からの質問に、膨大な知識と綿密な調査で答えている。


 【目次】
  1 我慢して商売
     我慢して商売
     人事を尽して天命を待つ
     営養・栄養
     「戻る」の由来
     光采配
     腕ぶす得意舞台
     私は屈さない
  2 リクツについてリクツをこねる
     リクツについてリクツをこねる
     古く中国から入った日本語
     オニの由来、ほか
     震災後の言葉
     篇と編その他
     改定常用漢字表の愚
  3 英語が入ってきた
     英語が入ってきた
     英語・中国語・日本語
     明治初頭のベストセラー
     『西国立志編』の訳語
     行蔵は我に存す「拉」の字いろいろ
     「調査」の由来
     形声字のはなし
  4 脅迫状三通
     脅迫状三通
     日本は識字率世界一?
     成語のはなし
     成語のはなし・つづき
     微言大義その他
     敬語と訓読体
     音節の離し
     歌の漢語音・漢語
     「自然」の不思議
     甲板と納戸


一回一回読みきりなので、どこからでもお読みください、とあって連載順にまとめたようだが、1本7ページ半のコラムはどれもあっと驚くような知見に満ちている。

漢字の用法などについて疑問を抱くと、誰でもするように著者は辞典や辞書にあたるのだが、その調べ方が徹底している。

『広辞苑』(岩波書店)や『日本語大辞典』(小学館)、諸橋『漢和大辞典』(大修館)といった辞典は、長い年月と叡智を集めて編纂されたものであり、威光を放っている。われわれはこうした辞典に書かれていることに何の疑問も抱かずに100%信用している。

ところが、著者にかかればこうした辞典ですら単なる吟味の対象に過ぎない。明らかな間違いや誤植はもちろんだが、不十分な語句説明まで厳しく指摘している。

本書で著者が何度も書いているように、漢字は中国語を視覚化した文字で「一語一音一字」が原則で、中国人にとってはわかりやすく明快な文字体系だが、全く異なる言語である日本語で使用するにはさまざまな不都合が生じる。かといって、ひらがな表記やローマ字表記では効率が悪いだけでなく同音異義語が多すぎるし、すでにわれわれの思考は和語ではなく漢語でまとめられるのが普通になっていて、和語だけでは抽象的な思考は不可能だ。なんとか折り合いをつけて漢字を使い続けるしかない。

そこで、著者のような漢語と日本語のエキスパートの知恵が必要になる。

それにしても、著者のような碩学が長らく在野のままでエッセイを執筆しているというのは、われわれ読者にとっては幸福だが、この国の中国文学研究の分野では極めて大きな損失だったのではないか。



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出没場所は新宿御苑~四谷三丁目(かつては、歌舞伎町・秋葉原・芝浦)です。昼食時は「難民」と化して「新書」を片手にあちこちと彷徨っています。

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