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昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

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『日本の「伝統」食―本物の食材に出会う旅』森枝卓士(角川SSC新書)

日本の「伝統」食


『日本の「伝統」食―本物の食材に出会う旅森枝卓士(角川SSC新書)

“真っ当な”つまり本当の食材を探す旅の記録。雑誌『自遊人』で現在も連載中らしい。塩、味噌、醤油、酢、味醂、ごま油、和三盆、鰹節、昆布と日本料理の調味料から野沢菜漬け、奈良漬けと16品目の真っ当な調味料と食材の生産現場を訪れている。

こうした本物志向は、20年以上前に雁屋哲が本物の食材を巡る旅を始めたのが最初だったと思う。漫画『美味しんぼ』を1年以上も長期休載していたころだったのではないか。その後の漫画連載では、凝った調理法だけではなく、本物の食材をテーマにすることが多くなったのは当然のことだろう。

この本で採り上げている藻塩や和三盆などの伝統的な食材や調味料は、雁屋哲が紹介した後で、雑誌やテレビ番組で何度も採り上げられたテーマであり、そうした手垢の付いた題材をどう処理しているのかと読み出したところ、がっかりするほど新鮮味のない情報ばかりだった。わざわざ取材までしてこの程度の記事しか書けないのは何故だろう。たいていのことは、インターネットで調べれば相当に詳しい情報が得られるのだから、現地を訪れた成果をもっと書いてほしいところだ。

真っ当な食材を製造している会社でも、輸入原料を使った製品も作っているところが少なくない。“安ければよい”という消費者の方が多いから、真っ当な食材だけを作っていたのでは商売にならないからだという。また、その会社で作った原料は真っ当でも、他社製品と合わせた加工食品の場合真っ当な食材ではなくなることもある。

いつも感じることだが森枝卓士はなんだかエラソーだ。彼が世界中を巡って豊富な取材経験があることは認めるが、文章からは謙虚さのかけらも感じられない。文章はエラソーだがそれが虚勢にすぎないことが明らかだから余計に見苦しい。

酢は酒から作られている。だから明治後期に防腐剤としてサリチル酸が使われるようになるまでは、一夜にして酒樽が酢樽に変わってしまうこともあった。そのため、造り酒屋は高利貸や質屋を兼ねていた。という話を開高健か山口瞳のエッセイで何度も読んだことがある。森枝は知らなかったらしい。

「味醂を飲む」話は落語によく出てくる。現在は料理に使われるだけだが、かつては味醂も飲用でもあった。これも、森枝はよく知らなかったようだ。

“食”をテーマにしているライターなのに、どうしてこうした基本的な知識がないのだろうか。不思議だ。

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昼食時は「難民」と化して「新書」を片手に、都内各地を彷徨っています。

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