TOP > 2011年07月

昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『人と森の物語―日本人と都市林』池内紀(集英社新書 0559D)

人と森の物語


『人と森の物語―日本人と都市林池内紀(集英社新書 0559D)

内橋克人の大作に『匠の時代』というシリーズがある。新しい技術やビジネスを開発した名も無き技術者たちの苦闘を描いている傑作だ。大ヒットしたNHKの「プロジェクトX」のはるか以前に、ものづくりに携わる人々への応援歌として書かれている。

本書は、いわば「匠の時代」の森版といえなくもない。あるいは「木を植えた男」日本版か。名文で知られる著者だから、それぞれの章は10数ページ程度なのに、森づくりにかかわった人々の苦闘と情熱が端的に伝わってくる。

登場人物は登場するのは北海道から沖縄まで、江戸の下級武士から山県有朋、門外漢の大学教授、深谷市の市民とバラエティに富んでいる。

例えば、江戸中期に乱獲で枯渇しつつあった三面川の鮭を守るため産卵場を作った村上藩の下級武士青砥武平治。宮崎県に日本最大の照葉樹林帯が残っているのは、「バカ町長」と罵られながらも、「拡大造林計画」という名の伐採を阻止させた郷田實町長。

また、よく知られているように明治神宮は、大正時代に作られた人工林である。日本初の林学博士である東京帝大教授本多静六がリーダーとなり、20代30代の若者が「永遠の杜」の青写真を作ったという。その根底にあったのは、彼らの留学先であるドイツの「ヴァルドバウ(森の造成)」であった。自然の成長過程を重視する植栽計画により、人工林がわずか100年で自然林へと移行しているという。

「人」が守り、育んできた「森」の物語なのである。


関連記事
スポンサーサイト

『カラー版 空海と密教美術』武内孝善 , 川辺秀美(カラー新書y)

空海と密教美術


カラー版 空海と密教美術』武内孝善 , 川辺秀美(カラー新書y)


空海は、わずか半年の間に唐の阿闍梨・恵果和尚から密教のすべてを学んだとされる。それは、恵果和尚が永訣を前に「すべてを授けおわった。もう思い残すことはない」といわしめるほどだった、という。いくら空海が天才でもたった半年で密教のすべてを授けられるとはどういうことか。私には到底理解出来ないのだが、真言宗ではそういうことになっているらしい。

その根拠は、空海が密教の権威を高めるために書いた『秘密曼荼羅教付法伝』によるという。といっても、これは空海が書き残していることに過ぎない。

そして20年の留学予定をわずか2年半で切り上げ、私費で写経させた多数の経典や曼荼羅、密教仏具など膨大な請来物とともに帰国しているという。

今時の留学生でもたった3か月ならば、何事かを学んだとはみなされないだろう。「◯◯の奥義を学んだ」といっても誰も信用しないはずだ。空海が入唐した目的はどこにあったのか? 私費で膨大な経典を写経させ、曼陀羅や仏具を作らせたのは、権威付けの“土産”が必要だったということではなかったのか。

2年半で留学を切り上げたのは、一緒に入唐した最澄が短期留学だったためだろう。密教を日本に初めて請来したという栄光を渡したくなかったからではないのか。

本書を読むまで空海にこうした疑問を抱くことはなかったから、著者らの意図とは違う読了感となった。

そして、密教美術に関しては本書を読んでも何もわからない。両界曼荼羅や諸尊仏龕、東寺講堂の立体曼荼羅などの写真は掲載されているが、キャプション程度のごく短い説明文があるだけで、帯にあるような「ヒミツ」が明らかにされるわけではない。

関連記事

ゲーン・キヤオ・ワーン@パーングトゥン村(タイ王国チェンマイ県ドイサケット郡)

チェンマイから北に50キロほど離れたところにあるパーングトゥン村のはずれには、ジャックフルーツ(タイ語でカヌン)という果物の果樹園があって、幹に長さ30センチ以上直径20センチほどの実が、ゴロンゴロンとぶら下がっていた。

ジャックフルーツ

ホームステイ先のマリーさんに好きな食べ物を尋ねられ「ゲーン・キヤオ・ワーン」を挙げたら、すぐに作ってくれた。

ゲーン・キヤオ・ワーン

写真の奥が、日本ではグリーンカレーと呼ばれている「ゲーン・キヤオ・ワーン」。炒めた鶏肉とナスをココナッツミルクで煮込んだ料理だ。カレン族の人々は、純粋なタイ料理よりもスパイスやハーブの量を少なくしたマイルドな料理を作る傾向がある。だから、マリーさんのグリーンカレーも辛い食べ物が苦手な人でも大丈夫な味付けだった。

写真手前右は「カイ・トート」という卵焼き。カイは卵という意味で、トート(油で揚げる)という言葉の通りに大目の油で揚げるように焼くのがタイでは一般的。自分で作ると油っぽすぎて美味しくないけど、タイで食べると不思議に油っこくはない。なぜだろう?

写真手前左が、パッカナー(パック・カナー)の漬物。日本では「カイラン菜」と呼ばれるこの野菜は、私が大好きな野菜で、特に豚バラを挙げたものと一緒に炒めた「パッカナー・ムー・グローブ」は、タイ料理の中でも最も好きな料理の1つ。

ハトのマークの缶詰には「華南菜(PICKLED MUSTARD GREEN)」と書かれていた。前にも書いたけど、パッカナーの、カナーはどういう意味だろうと思っていたら、この缶詰を見て「華南」だということに気づいた。ちなみに、パックは野菜(菜っ葉)という意味。

タイ語ではパックドーン・パッカナー。パクドーンは漬物だから、パッカナー漬けの缶詰ということになる。化学調味料をたっぷり入れた漬け汁で作ったと思われるパックドーン・パッカナーは、生のパッカナーとは違って、しんなりした歯応えになっている。


幹にジャックフルーツがゴロゴロと生っているパーングトゥン村(タイ王国チェンマイ県ドーイサケット郡パーミエン準郡パーンデン村パーングトゥン集落)

関連記事

冷やしざるラーメン大盛@とんこつらーめん 博多風龍 新宿さくら通り店 → 閉店

【新宿ワンコインランチ・500円】(その90)


小雨が降る中を昼食へ。

靖国通りからさくら通りに入って100メートルほど進むと、右手に派手な看板と電飾だらけのビルが見えてくる。「博多風龍」の他の店舗では黄色の大きな看板でとても目立っている。でも、個室ビデオ店とインターネットカフェが入った下品な外装のビルにある「とんこつらーめん 博多風龍 新宿さくら通り店」はあまり目立っていない。

とんこつらーめん 博多風龍 新宿さくら通り店

店内の券売機で「冷やしざるラーメン大盛(500円)」の食券を購入。このチェーンは、替え玉が2回まで無料だけど、「ぼんぼんさん」がコメントで書いていたように「冷やしざる」は替え玉無しなので大盛にしてみた。

カウンター12席の店内は11人のお客がいて、ちょうど1人分だけ空いていた席に座って赤いTシャツの青年に食券を渡す。

お客が去ると、すぐに新しいお客が入ってくる。この店も人気店なのだった。あとからきたお客はとんこつラーメンだったためか、先に料理が供されていた。冷やしざるラーメンは麺を冷水で締めるので、茹で時間が長いのだろう。

7分ほど待ってようやく料理が登場。

冷やしざるラーメン500円@とんこつらーめん 博多風龍 新宿さくら通り店

麺がとても多い。大盛どころではなくて、2.5玉くらいはあるんじゃないだろうか。そして、つけ汁に具はなくすり胡麻がかかっているだけだった。なるほど、ざるラーメンはざる蕎麦のラーメン版ということね。

透明感のある細めの麺は、しっかりとしたコシがあって美味しい。でも、酸っぱいだけのつけ汁だけではかなり寂しい。途中で飽きてきたので、辛高菜のみじん切りと紅しょうがを大量に投入して食べ進んだけど、麺がなかなか減らない。細麺だからいきなりズシンと胃には来ないけど、食べ進むうちにボディブローのように満腹感が襲ってくる。

麺にはかん水臭さや小麦粉臭さはなかったけど、「小麦粉をたくさん食べた」という印象。

「スタンプカードお持ちですか?」と店長に尋ねられたので「ない」と答えると、「スタンプ3個でラーメン1杯無料です」とこの店舗限定のポイントカードを渡された。

博多風龍スタンプカード

すでに1個目のスタンプは押されているので、あと2杯食べれば1杯無料になる。2011年8月末までなので、食べられるかどうか。

でも、あと1000円(500円×2杯)で、とんこつラーメン1杯無料というのはかなり魅力的だなあ。


◆希望支払金額:500円(漬け汁に具はない。でも麺が驚くほど多い)
◆費用対効果度:100%(500円/500円)

とんこつらーめん 博多風龍 新宿さくら通り店 ※2011年9月30日で閉店しました。
東京都新宿区新宿歌舞伎町1-7-4 新宿第8ビル1F



関連記事

カレーBセット(日替わり+マトン)@Masala Station(まさらステーション)

靖国通り新宿区役所通りと並行して斜めに北上している遊歩道を歩く。最後は明治通りから旧新宿コマ劇場の裏を通って西武新宿駅の近くに延びる道路に出る。その近くにある「インドカレー+焼き立てナンのお店」というキャッチフレーズの「Masala Station(まさらステーション)」へ。いまどきインドカレーも焼き立てナンも珍しくはないけど。

Masala station

以外にも店内はお客がいっぱいで、4人掛けテーブル5つと2人掛けテーブル4がすべてふさがっていた。日本語がたどたどしいインド人店長(?)の案内でカウンター席へ。

ランチメニュー@Masala station

この店のランチは、カレーAセットは1種、Bは2種、Cは3種、Specialナンセットは1種、タンドールセットは2種のカレーを、10種類を超えるカレーから選ぶことができるようになっている。

「カレーBセット(850円)」日替わりの茄子とチキンカレーマトンカレーの2種類のカレーで注文すると、ドロドロのマヨネーズドレッシングのかかったミニサラダがすぐに供された。

さらに待つこと6~7分で「ナンとライスはお代わり自由です」という言葉と共に料理が供された。

Bセット日替わりカレー+マトンカレー850円@Masala station

マトンカレーが真っ赤だった。ナンは、食パンの中身みたいにフワフワで、一般的なナンのイメージよりもずいぶん柔らかい。ちぎってマトンカレーを浸して食べると全然辛くなかった。むしろ甘味すら感じる。濃厚な味でドロドロしているのは、カシューナッツのペーストを使っているだろうか。

日替わりの茄子とチキンカレーは、やや辛味を抑えてあるけど、マトンカレーとの辛さの差はほとんどない。こちらも甘い

お客さんが殺到する店だけど、ずいぶん日本人の味覚に迎合した料理になっている。だから人気店になっているのかもしれない。

ご飯はジャポニカ種を使っているけど、途中でお湯を捨てる湯取り法で炊いたため、粘りが全くないパラパラになっていたのが、日本人向けにしていないところだろう。

インドカレーぽいスパイシーさを期待して入店すると、がっかりするかも。


◆希望支払金額:850円(日本人向けの超マイルドなインドカレー)
◆費用対効果度:100%(850円/850円)

Masala Station(まさらステーション)
東京都新宿区歌舞伎町2-8-3 最上ビル1F



関連記事

ランチ弁当@創作料理 野辺地

歌舞伎町2丁目ランチ空白地帯を埋める作業(その1)

GoogleMap上に、これまでランチで訪れた店をマッピングした【新宿ランチマップ】 by ブログ「昼食難民の新書生活」を作成したところ、歌舞伎町2丁目が広大な空白地帯になっていた。

歌舞伎町2丁目MAP

ここはラブホテル街だから当たり前なのだけど、厳しい暑さが久しぶりに緩んだので、ランチを提供する店を探してぶらぶら歩いてみた。

靖国通りから新宿区役所通りに入って緩やかな坂を下り、風林会館のある交差点を越えて坂を登り150メートルほど進み「新宿バッティングセンター」を左折する。歌舞伎町にはもう1つの「オスローバッティングセンター」があって、そちらに向かって100メートルほど進んだところにある雑居ビルの1階でランチをやっている店を見つけた。

ランチメニュー@野辺地

ランチは1000円でお弁当と握り寿司の種類らしい。

薄暗い廊下の奥に「創作料理 野辺地」はある。でも、入り口には「鮨処 野辺地」とあった。どっちが正式な店名なのだろう。

野辺地201107

シックな内装の店内にはカウンターの奥に先客が2人だけ。「DA PUMP」のISSA風の青年と酔っ払っていてけたたましく馬鹿笑いするギャルで、カウンターの中で60代のご主人がにこやかに対応していた。

ちょっと嫌な感じがしたけど、熱いお茶の入ったぐい呑みを運んできたご主人に「ランチ弁当(1000円)」と注文。ランチメニューには料理名は書かれていなかったけど、「お弁当」で通じた。

先客の2人は、常連らしくボトルキープした焼酎を飲みながら握り寿司を注文している。携帯電話での受け答えによると、ISSA風はキャバクラのマネージャーのようだ。馬鹿笑いギャルはキャバ嬢らしい。歌舞伎町には朝キャバや昼キャバがあるので仕事帰りなのだろう。

7~8分で料理が登場。

お弁当1000円@野辺地

ランチメニューの写真と同じように、美しい弁当だった。

刺身カンパチ・サーモン・マグロの赤身カニしんじょブロッコリー天ぷら銀ムツ煮付け玉子き煮物冬瓜・カボチャ・里芋・竹の子・コンニャク

刺身は旨みが増した熟成具合で、天ぷらはふわりと軽い。

あらら。期待していなかったけど、ものすごく旨い。煮付けも程良い味加減で、煮物ははんなり薄味だった。

寿司屋なので当たり前だけど、ご飯はふんわり炊けていて美味しい。シジミの味噌汁は、鰹出汁が濃い上にシジミの出汁が重なって、とても美味しかった。

食べ終わると、女将がアイスコーヒーを持ってきてくれた。


◆希望支払金額:1500円(すべて美味しいとても満足な昼食)
◆費用対効果度:150%(1500円/1000円)

創作料理 野辺地
東京都新宿区歌舞伎町2-30-2 第5本間ビル1F



関連記事

ロースかつ定食@とんかつ 満ぷく

→ 【地域別】とんかつ店リスト
→ 【価格別】とんかつリスト
→ 【とんかつランキング】


西新宿の路地にあるとんかつや「とんかつ 満ぷく」へ。この店の位置はちょっとわかりにくい。新宿大ガードから小滝橋通りを北上し、牛丼の「すき家」を左折して、柏木公園に突き当たったら右折し、道なりに200メートルほど進んだ左側にある。

とんかつ 満ぷく

外観は、冴えない昔ながらのとんかつ屋の風情。店内は4人掛けテーブルが4つと、カウンター席が4つ。L字型カウンターは店の奥まで伸びているけど、長い部分は客席としては使われていないようだ。

先客はワイシャツ姿の2人組が2組。

カウンター席に座って「ロースかつ定食(750円)」を注文すると、女将がタクワンと自家製の濃い烏龍茶を運んできた。

厨房の親父は大型冷蔵庫からロース肉ブロックを取り出して、1枚分をカットし、「卵 → 小麦粉 → パン粉」の順に仕上げると、直径40センチほどの大鍋に投入した。続いて、お皿に千切りキャベツ・スパゲティのマヨネーズ和え・パセリの順にセット。

2人組が1組と1人のお客が入ってきて、ロースかつ定食ヒレかつ定食を注文すると、女将はタクワンと烏龍茶を運び、親父は手慣れた様子で、「冷蔵庫 → 肉ブロック → カット → 衣 → 油に投入 → お皿にキャベツとスパをセット」を繰り返す。この間、夫婦の会話は「ロース」と「ヒレ」という3単語だけ。阿吽の呼吸だ。

6~7分でとんかつが揚がると、女将はご飯を丼によそい、親父から手渡されたお皿の縁に洋がらしをなすりつけ、料理が供された。

ロースかつ定食750円@とんかつ 満ぷく

ラードを含んだ衣が美味しい。2センチほどの幅に切られたロースかつは、厚さは5ミリほどでしっかりとした噛みごたえだった。パン粉がかすかに苦いのでちょっと揚げすぎか。

業務用大型ガス炊飯器で炊いたご飯が美味しい。さほど高い米ではなさそうだけど、固めに炊かれていて喉越しが気持ちいい。

味噌汁にはワカメがたっぷり入っていた。


◆希望支払金額:750円(店名の通りに満腹になった)
◆費用対効果度:100%(750円/750円)

とんかつ 満ぷく
東京都新宿区西新宿7-19-11


関連記事

豚焼肉定食@松屋(新宿大ガード店)

【新宿ワンコインランチ・500円】(その89)


牛めしの松屋では、2011年7月11日から8月1日まで、「夏だ!テッパン!豚定フェア」を開催している。「豚焼肉定食(450円)」「豚生姜焼き定食(480円)」「豚キムチ定食(480円)」と、肩ロース肉を使った定食をいずれもワンコイン以下で提供している。

夏だ鉄板豚肉フェア@松屋

新宿大ガードのすぐそばにある「松屋 新宿大ガード店」に行くことにした。

松屋(新宿大ガード店)

店内の券売機で「豚焼肉定食(450円)」の食券を購入。長いカウンターの空いている席に座って、水を運んできたスタッフに食券を渡して料理を待つ。

6~7分で料理が登場。

豚焼肉定食450円@松屋

長さ6~7センチ幅3~4センチ厚さ1ミリ強の肩ロース肉が7枚。大根おろしと刻みネギもついていた。大根おろしにポン酢しょうゆをかけて、肉で包んで食べる。冷凍焼けなのか肉にジューシーさは全くなくてボソボソしている。でも、大根おろしのみずみずしさと、ポン酢しょうゆの爽やかな酸味で美味しく食べられた。

野菜サラダは、以前に比べてレタスが増えたのは嬉しいけど、キャベツの千切りが半分以下になっているようだ。


◆希望支払金額:450円(美味しくはないけど安いから)
◆費用対効果度:100%(450円/450円)

松屋 新宿大ガード店
東京都新宿区西新宿1-2-1 ファイブKビル1F



関連記事

『現代文明論講義―ニヒリズムをめぐる京大生との対話』佐伯啓思(ちくま新書 910)

現代文明論講義


『現代文明論講義―ニヒリズムをめぐる京大生との対話佐伯啓思(ちくま新書 910)

本書は、現代文明を蝕むニヒリズムをどのように理解し、そこから前に進む手立てはあるのか、というテーマで、京都大学1回生を対象に8回にわたって実施された講義録である。

原稿を依頼してもなかなか執筆してもらえない場合、対談や大学の講義をテープ起こしすれば、ゼロから執筆するのに比べ、著者の心理的な負担も少ないから容易に同意する、という安易な発想から出版される対談録や講義録が増えている。

本書も「サンデル教授の白熱教室」の向こうを張ったわけではないと言い訳をしているが、原稿依頼に対してサンダルを履いて「サンダル教授の発熱授業」と言った冗談から生まれた講義録である。

そんな先入観はともかく、冒頭でニーチェを紹介しているが、これまで読んだ凡百の入門書の解説はなんだったのだろうかと思えるほど、簡潔で明快にニーチェのニヒリズム思想を解き明かしている。

我々が最高のものとして信じてきた諸価値として社会的に同意してきた価値がじつは『下賎なもの』とわかったとき、それらは一挙に無意味になるというのです。(p.16)

難解なはずの思想があまりに端的に解説されているので驚くばかりだ。目次を紹介すると、

第1講 現代文明の病―ニヒリズムとは何か
第2講 なぜ人を殺してはいけないのか―自由と規範をめぐる討議1
第3講 沈みゆくボートで誰が犠牲になるべきか―自由と規範をめぐる討議2
第4講 民主党政権はなぜ失敗したのか―民主主義をめぐる討議1
第5講 政治家の嘘は許されるか―民主主義をめぐる討議2
第6講 尖閣諸島は自衛できるか―「国を守ること」をめぐる討議
第7講 主権者とは誰か―憲法をめぐる討議
第8講 ニヒリズムを乗り越える―日本思想のもつ可能性


本書では、「自由」や「民主主義」、「生命尊重」といった概念を軸に、現代の日本を深いニヒリズムへと追いやっている「与えられた憲法」「米軍に依存した安全保障」「戦後民主主義」といった日本の置かれた構造を論じている。

論じるに当たって、冒頭のニーチェはもちろん、プラトンのイデア論からカントの倫理学、ホッブスの契約論、親鸞の悪人正機説、西田幾多郎の無の哲学など、さまざまな思想家を紹介しており、社会思想史の講義にもなっている。


関連記事

クイティアオ・サイ・ムー・ナムトック@名前のない食堂(タイ王国チェンマイ県ドイサケット郡パンフェーン村)

友人のチャトリさんの長男チャロラと、パーングトゥン村からバイクで5分ほどのところにある養魚場に釣りに行った。日焼け対策は万全のはずだったけど、足の甲がハチに刺されたように痛い。サンダル履きの足の甲は、直射日光がもろに当たるためだった。

ナマズを狙ったけど暑すぎたためか、小魚しか釣れなかった。パーングトゥン村には食堂がないので、お昼には近くのパンフェーン村の食堂へ。

名前のない食堂

「この店は何という名前?」
「わからない。名前はないと思う」
名前のない食堂は、壁もないあずまやのような造りだった。

メニュー-ナムトック

名前のない食堂で「クイティアオ・サイ・ムー・ナムトック(25バーツ、約70円)」を注文。

メニューの一番上に書かれているので、たぶん自信のある料理なんだろう。クイティアオは「米の麺」、サイは「入れる」、ムーは「豚肉」、ナムトックは「滝」という意味だけど、麺料理に使う場合には牛や豚の血が入ったスープのことをいう。

ナムトックという言葉は他の料理でも使われていて、炙り焼きも脂や肉汁がぽたぽたと落ちる様子からナムトックという。

米の麺のクイティアオは、お湯にくぐらすだけなので、すぐに料理が登場。

クイティアオ・サイ・ムー・ナムトック

サラネー(ミント)やパクチーが載っていて、肉団子や豚肉、モヤシもたっぷり入った料理だった。
そして、スープの色は血が入っていることを示すように海老茶色だったけど、変わった香りや味はしなかった。


名前のない食堂のあるパンフェーン村(タイ王国チェンマイ県ドイサケット郡)


関連記事

 | HOME |  古い記事に行く »









ブログランキングに参加中です

リンク

お気に入りに追加
このブログをリンクに追加する

最近の記事

にほんブログ村ランキング

ブログ内検索

Loading

カテゴリー


全記事一覧(500件ごと)

カレンダー+月別アーカイブ

ケータイ版URL

QRコード

RSSフィード

プロフィール

pasage

Author:pasage
昼食時は「難民」と化して「新書」を片手に、都内各地を彷徨っています。

FC2Ad

Template by たけやん

QLOOKアクセス解析

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。