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昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

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『「生きづらい日本人」を捨てる』下川裕治(光文社新書 619)

「生きづらい日本人」を捨てる


『「生きづらい日本人」を捨てる』下川裕治(光文社新書 619)


本書は、“バックパッカーのカリスマ”下川裕治によるアジアで暮らす日本人たちのルポルタージュである。「生きづらい日本人」を捨てる、というのだから、日本には生きる場所を見出せなかった人々である。

【目次】

第1話 生まれ変わる―沖縄・那覇
第2話 儲け―カンボジア・シェムリアップ
第3話 ライフワーク―タイ・チェンマイ
第4話 表と裏―中国・上海
第5話 身の丈―ラオス・ビエンチャン
第6話 中途半端―タイ・バンコク
第7話 結婚―ベトナム・ホーチミンシティ
第8話 コールセンター―タイ・バンコク
番外編 ホームレス―タイ・チェンマイ


冒頭は沖縄で居酒屋を経営する男。続いて、カンボジア・シェムリアップのゲストハウス、タイ・チェンマイのカレーハウスとオーガニックコットン、上海のフリーライターと続く。沖縄は日本じゃないかというツッコミに、沖縄はアジアに組み込まれており、「アジアの風が吹く日本」だと書いている。

リタイア後に海外で暮らす日本人が増えている。物価の安い東南アジアならば、日本では生活が成り立たないような少額の年金でも、現地の人々と同程度の生活レベルにすれば暮らしていける国も少なくない。

しかし海外に住んでいる人のなかには、好きでもない国に住んでいる人が意外に多い。むしろ、その国が好きでたまらないといった人ほど失望し、やがては帰国を選ぶ傾向が強い。人間とは厄介なものだ。その人間が住む国というものも矛盾に満ちている。いい面には、必ずその裏の顔がついて回る。(p.88)

観光旅行で訪れただけでは、その国のごく一面しか見えないことぐらいは誰でも気づくだろう。何度も訪れるたびにその国の謎が増え、その国の人々と仕事をするようになると、さらにわからなくなってしまう。

彼らがそれぞれの地に住むようになったことには、必然と呼べるようなきっかけはないようだ。しかし、日本では生きる場を見いだせなかった彼らは、「生きづらい日本人」を演じることを止めて、東南アジアで暮らしているのだ。

タイでは、外国人を雇う場合には最低5万バーツ(13万円ほど)の月給を支払うことが義務付けられているが、その半額の2万5000バーツ(6万円ほど)でも可能になったらしい。そこで、バンコクではコールセンターで働く日本人も多いという。さらには、1万バーツほどで働いている日本人もいるという。大学初任給が2万バーツほどなので、タイ人の新入社員よりも安い給料で働いていることになる。

最後には、タイ・チェンマイでホームレスをしている57歳の日本人男性の手記を掲載している。万引きで暮らしているらしい。

凍え死ぬことはなく、餓死する人はいないほど食料が豊かな東南アジアの国々は、行き場を失った日本人を受け入れてくれる包容力があるのだ。

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特上ロースかつ食@丸山吉平

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2012年10月にオープンしたばかりなのに、早くも人気を集めているという浅草橋の「丸山吉平」へ。

変な店名。個人のフルネームを店名にするのは珍しいけど、店主の名前なのだろうか。

JR浅草橋駅西口改札口を右に出て、線路沿いに秋葉原方向に150メートルほど進む。

そういえば、この浅草橋駅はプラットホームがカンチレバー(片持ち梁)に載っていて、高架下には飲食店や洋品店などさまざまな店が入っていて、高架下loveの人たちに愛されているらしい。

カンチレバー@浅草橋駅


清洲橋通りに突き当たったら、右に北上する。500メートルほどでガソリンスタンドが2つ並んだ先の右手にCSタワーという大規模オフィスビルがあり、その1階に店はある。

丸山吉平

前面が総ガラス張りで、とんかつ屋っぽくない外観だ。オフィスビルなので、大規模な改装はしなかったということだろうか。

店内に入ると、入口横が4人がけテーブル1卓で、10席の長いカウンター席に、先客は8人。

カウンターの天板や側板はカラフルなタイル貼りで、什器は真っ赤なので、イタリアンレストランかカフェみたいだ。

カウンターにメニューはなくて、戸棚に貼られた手書きの短冊がメニューだった。

「特上ロースかつ定食(1500円)」を注文した。

この店は「林SPF豚」という特定細菌の少ない豚肉を使用していて、レアで提供される。そこで「レアがお嫌いな方は予め申しつけ下さい」と書かれた紙が、カウンターに貼ってあった。

岩塩@丸山吉平

ヒマラヤのナマック岩塩のブラック・レッド・ピンクの3種類が用意されていた。ナマックは、ヒンディー語で「塩」という意味だったはずなので、ナマック岩塩だと「塩岩塩」になってしまうけど、茶色(ブラック)の岩塩は珍しい。

7~8分で料理が供された。

特ロースkかつ定食1500円@丸山吉平

金網に載せられたかつは、長さ18センチ幅10センチ厚さ4センチ近くある。

特ロースかつ定食部分@丸山吉平

中央は薄いピンク色で、肉汁たっぷりのロース肉は決してレアではなくちゃんと熱は入っていた。熟成具合が良くて赤身は旨みが増していて、プリプリとした食感の脂身が甘くて美味しい

肉がたっぷりはいった豚汁には、ダイコン・ニンジン・タマネギの甘みが出ていてさっぱりとした味で美味しい。固めに炊かれたご飯も美味しかった。


◆希望支払金額:1500円(肉汁たっぷりでとても美味しい)
◆費用対効果度:100%(1500円/1500円)

丸山吉平
東京都台東区浅草橋5-20-8 CSタワー107


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『さもしい人間―正義をさがす哲学』伊藤恭彦(新潮新書 478)

さもしい人間


『さもしい人間―正義をさがす哲学伊藤恭彦(新潮新書 478)


他人の犠牲の上に快楽を追求する現代人は「人類史上最もさもしい人々」ではないか、と著者は言う。本書は、政治哲学や法哲学の立場からの、正義や公平さについての考察だ。

【目次】

プロローグ 「さもしさ」の話を始めよう
第1章 日常にひそむ「さもしさ」の光景
第2章 「分」を守るということ
第3章 市場はけっこう残酷だ
第4章 地球から「さもしさ」を消せるか
エピローグ 公憤と正義


著者は、「既に十分豊かであるにもかかわらず、他の人をさしおいて貪欲に利益を追求し、誰か他の人の不幸の上に自分の豊かさを作り上げている」ことを「さもしい」と定義している。

日本は、年間3000万トンを超える食料を輸入し、2000万トン以上を廃棄しているという。その一方で、世界では7割以上の子供が空腹を抱えながら眠りにつくと言われる。貴重な食料を蕩尽している日本人の行為は、著者のいう「さもしい」以外の何物でもないだろう。

しかし、日本のように飽食に浸っている先進国の多くでは出生率が低下し、逆に飢餓に苦しむような地域では高い出生率を保っている。働き手の必要性や避妊の知識不足が原因だが、家族を十分に食わせる金が無いのに子供を作るのは自己責任と言えないだろうか。

文化大革命中に大量の餓死者を出した中国では、「一人っ子政策」という乱暴な政策を取ることで人口爆発を抑制して飢餓から逃れたではないか。インドでも、パイプカットをすればラジオをプレゼントするという乱暴な政策を発表して、諸外国から轟々の非難を受けたことがある。

かつてインドに滞在中に何度も思ったのは「こんな国に生まれなくて良かった」ということだった。インドは、大半の人間が自分以外を敵と見做して騙そうとする厳しい社会で、「さもしい人々」しかいないように思えたからだ。財布を手にするたびに、つまりお金を払う際には、「吹っかけられているんだろうなあ」といつも疑心暗鬼になるのだった。インドでは、定価という概念は存在しないので、モノやサービスの対価は売手と買手の交渉によって決定するが、外国人それも甘っちょろい日本人は“インド人向け価格”の何倍もふんだくられるのが常だ。

原料の生産国で搾取に苦しみながら働く人々がいることで、安価なハンバーガーを食べることができるのだから、「さもしい」ことだと著者はいう。100円ショップの商品だって、中国の農村出身の出稼ぎ労働者たちが低賃金で作ったものだから「さもしい」ことになるだろう。ここに正義や公正さの問題があるとは思えない。

本当に「さもしい」のは、弱者を踏み台にして利得を獲得する「勝ち組」や新自由主義的な市場経済至上主義者のことではないだろうか。

どうしたら「さもしい」人間にならずにすむのだろうか。著者は、「分」を守ることだというが、厳しい競争の中で自分だけが「分」を守ったら、利得を獲得するどころか保有する分まで奪われてしまうだろう。

正義や公正さといったものは、ある程度共通する社会制度や価値観の中でしか有効性をもたないのではないか。メンバー全員が「分」を守らなければ、「さもしさ」はなくならないのだろう。

著者は本書で「青臭い議論」を書いたとしているが、具体例が乏しく、何ら有効な解決策を示していない。



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とんかつ定食@かつ銀

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みぞれに変わりそうな冷たい雨の中を新宿5丁目の三番街にある「かつ銀」へ。

この店は、「雁さん」にコメントで教えていただきました。


都営地下鉄新宿線新宿三丁目駅の改札口を出て左でどんどん歩き、C7出口から地上に出る。そのまま真っすぐ歩いて「新宿5丁目東」交差点で靖国通りを渡って右に70メートルほど歩き、「三番街」商店街の路地に左折すると30メートル先の右側に店はある。

かつ銀

店頭ランチメニュー@かつ銀

12時半頃に入店すると、土曜日にもかかわらず、カウンター8席、2人がけテーブル3卓の店内には、お客が10人もいた。ほとんどが常連で、近くで土曜日も働くオジサンたちだった。

この店は平日には行列のできる人気店らしい。しばらくすると、冷たい雨の土曜日なのに4人組のお客がやってきて、外で待ち始めた。

テーブル席を指示されて座ると、女将がお茶とお新香を運んできた。

メニュー@かつ銀

ロースかつ定食や特上ロースかつ定食もあるけど、この店はランチのコストパフォーマンスが高いらしいので、ランチの「とんかつ定食(790円)」を注文した。

7~8分で料理が供された。

とんかつ定食790円@かつ銀

とんかつは長さ15センチ幅10センチ厚さ1センチほどで、790円という値段の割に大きい。

とんかつ定食部分@かつ銀

しっかり熱は入っているけど、3分の1ほどが脂身で、噛むと甘い肉汁が口いっぱいに広がった。程よい熟成で旨みもあるけど、塩で食べるほどではない。というか、この店には、あまくちソース(とんかつソース)とからくちソース(ウースターソース)、醤油、ポン酢しか用意してなかった。

カラッと揚がった衣は、パリパリというかバリバリとした食感で楽しい。

お新香はキャベツの千切りで、大葉の香りが嬉しい。味噌汁は豆腐とワカメ。

残念ながら、ご飯は炊飯にやや失敗していて粒が潰れていた。

遠くからわざわざ訪問するような店ではないけど、新宿3丁目に近くて便利なので覚えておこう。


◆希望支払金額:790円(コストパフォーマンス高し)
◆費用対効果度:100%(790円/790円)

かつ銀
東京都新宿区新宿5-10-4 B4ビル1F


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『中国人民解放軍の実力』塩沢栄一(ちくま新書 985)

中国人民解放軍の実力



『中国人民解放軍の実力』塩沢栄一(ちくま新書 985)


著者は特派員として長らく中国を取材してきた共同通信社外信部次長。本書は、いまだに竹のベールに包まれたままにある人民解放軍の実像を、内部資料や関係者への取材を元に明らかにしている。

独自に入手した報告書や軍幹部向け教科書などの貴重な資料を駆使しており、軍幹部や軍事研究者へのインタビューを行うなど、中国軍部への深い食い込みと幅広い人脈が伺える。人民解放軍の実態に鋭く迫っていて驚くほどだ。

【目次】

第1章 カジノが空母に化ける―海洋戦力
第2章 先制不使用は絶対ではない―核戦略
第3章 目指すは制天権―宇宙開発
第4章 外国兵器は特別枠―国防費
第5章 攻撃は最大の防御―国防政策
第6章 党の軍隊―文民統制
第7章 無駄と腐敗―闇の軍組織
第8章 自らまいた種―中国脅威論
第9章 米国が目標―安全保障観


尖閣諸島魚釣島を日本政府が購入して以来、中国の船舶による領海侵犯が続いている。付近の海域で石油資源が発見された1970年代になって、中国が主権を主張し始めたという言説がなされているが、本書によれば中国の狙いは石油資源に留まらないという。

中国軍は、かつては陸軍が主力だったが、海軍力を増強しており、世界への影響力を増大させるために太平洋とインド洋への進出を意図している。その際に、南シナ海と東シナ海の東側の沖縄・台湾・フィリピンを結ぶ「第一列島線」、小笠原諸島・グアム島・インドネシアを結ぶ「第二列島線」が大きな障害となる。尖閣諸島はこの第一列島線の中国側にあり、絶対に譲れない領土と考えているのだ。

中国が海軍力を増強していることの証左として、2012年9月に就航した空母「遼寧」が挙げられる。1985年に建造が始まり、1991年のソ連崩壊によって完成前に工事が中断していた空母「ワリャーグ」を、香港のダミー会社を使って「カジノ船を作るため」と購入したのは1996年のことだった。「中国が空母購入」という報道を完全否定していたが、中国はどうしても空母が欲しかったのだ。

世界でも自前で軍艦を建造できる国は多くはない。ましてや空母となると、設計・建造技術を持つ国は非常に少ない。2012年現在、上海の造船工場では、新造船の空母を建造中だという。中国は「ワリャーグ」を十数年かけて分析・研究し、新たな設計で建造を始めたのだ。

軍事専門家によれば、戦略・戦術的には空母よりも潜水艦のほうが有効であるというのが常識らしいが、中国は米海軍の空母に脅威を感じたことから、国威発揚の象徴的な意味を含めて空母の建造に邁進しているのだ。

中国の核戦力は、「第二砲兵」が担当しているという。毛沢東以来、核による先制使用はしない、というのが中国の主張だったが、これは単に核弾頭の数が米ソに比べ、比較にならないほど少なかったからにすぎない。しかも、最近は先制攻撃をする場合もあるかのように変化しているという。

中国脅威論についても、詳細な分析をしている。日本の政治家が「中国の軍事力は脅威」と語ると中国政府は激しく反発するが、これは「脅威」という漢語の意味が日本と中国では違うためだという。中国語の「威脅」は積極的に相手を脅す「脅迫、威嚇」という意味だから、「脅威」という言葉を使うと過敏に反応する。しかし、人民解放軍の基礎理論には「威懾(いしょう)による攻撃中止」があり、威懾という言葉は日本語の「脅威」に近いという。

中国の軍事力が「脅威」なのは、軍事力が不透明だからだ。例えば、軍事費に関しても中国政府が明らかにしている数字は実際の半分程度の可能性があり、さらに軍部は軍需産業によって資金を自ら稼いできた歴史があり、中国政府ですら軍事費の全容をつかんでいない可能性があるという。

また、中国軍の理論書では、クラウゼビッツやマルクス・エンゲルス、毛沢東など歴代国家指導者を除けば、『孫子の兵法』からの引用が多いという。一番多いのが「不戦而勝(戦わずして勝つ)」と「不戦而屈人之兵(戦わずして、人の兵を屈する)」。

戦わずに勝つには世論戦や心理戦が使われる。世論戦には、軍隊内のハンドブックには以下のように書かれている。

①斬首力:敵の政府首脳や軍指導部を攻撃対象として情報宣伝により混乱させ、指導部の意思決定帰納を麻痺させること。
②欺瞞力:偽情報により敵の判断を誤らせること。
③威嚇力:軍事力などを後ろ盾に敵を畏怖させ、戦わずして勝つこと。
④感化力:敵に“善意”や“恩情”などを示して戦意を失わせること
⑤誘導力:敵が気づかないように意図する方向へ世論や感情を誘導すること。
⑥封殺力:敵の好ましくない情報を封殺すること。
⑦警告力:敵の世論線にはまらないように味方を事前に教育しておくこと。
⑧反撃力:敵や国際社会の世論に効果的に反撃すること。

心理戦について中国の軍事理論書では、以下のように書かれているという。

①宣伝力
②瓦解力(心理的な混乱、動揺で敵の内部分裂を誘い戦力を失わせること)
③威嚇力
④誘導力
⑤感化力
⑥制限力(経済制裁や国連の制裁決議などで敵の行動に制限を加えて心理的圧力をかけること)
⑦緩和力(自国兵士の心理的な損傷を防ぐためにストレスを緩和すること)
⑧激励力(自国兵士の士気を高めたりして支援すること)

戦わずして勝つには、敵に手の内を見せないことが肝要だ。だから、中国は軍事力を明らかにしない。人はわからないモノやコトに恐怖を覚える。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」である。「脅威」という言葉を口にした時点で、心理戦に巻き込まれているのだ。


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かきフライ定食@とんかつ末吉

冷たい雨の中を赤坂見附の「とんかつ末吉」へ。かきフライを食べるためだ。

東京メトロ丸ノ内線赤坂見附駅の改札口を出て左に向かい、エスカレーターで地上階に出たら右に向かい、田町通りを左に進んで、最初の路地を右折してゆるやかな坂道を登って突き当りの一ツ木通りを左折し、TBS方面に250メートルほど歩くと左にドッグレッグするので、右折して円通寺通りに入り、30メートルほど先の右側に店はある。

とんかつ末吉

平日のランチ時は店内に順番待ちの行列ができるほどの人気店だけど、年末の総選挙前日で雨の土曜日だからか、13時近かったためか、先客は小学生の女の子2人を連れた父親だけのようだ。

メニュー@末吉

カウンター席に座って「カキフライ定食(1300円)」を注文した。

厨房には長身の70代調理人と60代の男性、ホール係は50代代男性、と3人しかいない。久しく来なかったけど、以前は土曜日でももっとたくさん働いていたはずだ。

そう考えながら外を見ると、店の向かい側にあったテイクアウト店舗が洋品店に変わっている。うむ、とんかつ店にも受難の時代になってしまったようだ。

7~8分で料理が供された。

かきフライ定食1300円@末吉

広島産だというかきフライは、以前の三陸産の赤崎冬香と比べるとやや小ぶりだけど、長さ12~13センチ直径3センチ以上と十分に巨大だ。

かぶりつくと、中から熱いジュースがこぼれ出てやけどしそうなほどだった。プリプリとした肉は美味しいけど、赤崎冬香と比べるとミルキーな濃厚さに欠ける。そして、カキ特有の金属臭があって、かすかに磯の香りもする。

カラッと上がった衣は上顎に当たることもなく、口に入れるとハラハラと崩れる。

十分に美味しいのだけど、ちょっどだけ残念な味だった。

ご飯はおいしい米を使っているようだけど、粒が潰れていた。よく煮込まれた豚汁は、以前通りに美味しい。

千切りキャベツを食べ終わったところで、大きなボールを抱えた調理人が「キャベツはいかがですか?」と声をかけてくれた。もちろん、お代わりした。

三陸産の赤崎冬香はいつ頃から使い始めるかと尋ねると、養殖は復活しているが、殺菌等をする工場がまだ復興しなていないので生産量がごく少ない、ということだった。

三陸産のかきになったらまた食べに来よう。



◆希望支払金額:1300円(十分に美味しいけど期待が大きすぎた)
◆費用対効果度:100%(1300円/1300円)

とんかつ末吉
東京都港区赤坂4-3-10


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『「アラブの春」の正体―欧米とメディアに踊らされた民主化革命』重信メイ(角川oneテーマ21 C-231)

「アラブの春」の正体



『「アラブの春」の正体―欧米とメディアに踊らされた民主化革命重信メイ(角川oneテーマ21 C-231)


著者は、日本赤軍のリーダー重信房子とパレスチナ人活動家の男性の娘としてベイルートで生まれた。2001年に日本国籍を取得して来日し、同志社大学大学院でメディア学を学んだジャーナリストである。

2010年12月にチュニジアで始まった民主化運動は、西アフリカからアラブ諸国に広まり「アラブの春」と呼ばれたが、わが国では東日本大震災とその後の原発事故によってその後の報道は減少した。

【目次】

第1章 北アフリカの小国、チュニジアから始まった「アラブの春」
第2章 アラブの盟主、エジプトで起こった「革命」の苦い現実
第3章 メディアによってねつ造された「アラブの春」―リビア内戦
第4章 アラビア半島へ飛び火した「アラブの春」
第5章 報じられなかった革命、違う用語にすり替えられた革命
第6章 メディアが伝えないシリアで内戦が激化する本当の事情


「アラブの春」は、若者の失業と長期独裁的な政治体制による腐敗政治、富の不公平な分配による貧富の差が原因となり、フェイスブックなどのインターネットメディアによって情報共有することが可能となった人々が大規模な反政府デモに集結できるようになったために起こったといわれる。

若者の失業と貧富の差の拡大は、アラブ諸国だけでなく世界的に共通の政治課題である。「アラブの春」のきっかけとなったチュニジアのジャスミン革命も、大学を卒業しても仕事を得られなかった若者が原因だった。

無許可のまま市場で野菜を販売していたところ、役所の職員に売り物の野菜を没収され、女性職員に侮辱と暴行を受けたため、後日、抗議の焼身自殺を図ったのだった。チュニジアは女性の社会進出が進んでいたため、女性職員が若者をぶつような事態となったが、イスラム教徒の男性にとって女性から侮辱されるのは耐えられないことだったという。イスラム教で禁止されている自殺の映像がフェイスブックにアップされ、数多くの人々が観たことでチュニジアでは、一気に民主化運動が全国に拡大し、23年間にわたる独裁体制を続けてきたベン・アリー大統領が国外に逃亡し、政権が転覆してしまった。

同じような民主化運動がアフリカ各国やアラブへと広がり、「アラブの春」と名付けられたのだが、リビアの場合は民主化運動ではなく内戦であり、しかも石油利権やアフリカの通貨同盟を巡る欧米諸国の思惑でカダフィ政権が崩壊させられたようだ。

リビアはテロ支援国家にも指定され、40年以上に及ぶカダフィの独裁が続いていたが、豊富な石油資源によって教育や医療を無料化するなど、福祉は充実していたという。ただし、カダフィの出身地や部族が優遇されて不満が高まっていた中で民主化運動をきっかけに内戦が起こった。そこにNATO軍が介入するきっかけとなったのは「アルジャジーラ」の放送だったという。

カタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ」によって「アラブの春」は世界に報道されたが、著者によれば報道の意図的な偏りや捏造があったという。「アルジャジーラ」は報道規制の多いアラブ諸国の中で、ニューヨーク・タイムズ紙に「アラブ諸国で、最も自由で最も広い観点を持つテレビネットワーク」と評されているが、カタールの政治問題は一切報道しないなど、決して中立・公正とはいえないらしい。

リビアの内戦を報道する中で、「アルジャジーラ」では現地への電話インタビューが生中継され、「リビア政府軍の砲撃で1000人が死亡した」と放送した。それをすぐに欧米メディアが放送し、リビア政府の暴虐ぶりが明らかにされた。

ところが、この電話インタビューはまったくのでっち上げ報道だったのだ。世界は「アルジャジーラ」の捏造に騙され(騙されたふりをして)、リビア内戦に介入してカダフィ政権を打倒し、カダフィを殺してしまったのだ。

著者が同志社大学の博士課程で提出した論文は、「アルジャジーラ放送アラビア語報道局によるフレーミングと議題設定効果の研究 :衛星チャンネルのアラブ社会への影響の視点から」である。

「アラブの春」以降、アラブ諸国で民主的な政権が誕生した国家はまだはない。アラブに春など来なかったのだ。

若者の失業と貧富の差の拡大という世界を覆う問題は、日本でもいずれ世代間闘争となる可能性があるだろう。

本書には書かれていないが、捏造報道でカダフィ政権を倒した「アルジャジーラ」は日本のNHKから放送権料で収入の40%を得ているらしい。



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ジャンボカツ定食@三河屋

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目黒区にある「三河屋」へ。

東急東横線祐天寺駅東口を出て、駅前ロータリーを右に200メートルほど歩いて城南信用金庫の先のバイク店を左折し、住宅街の細い路地を道なりに300メートルほど歩くと駒沢通りに出る。右へ30メートルほど歩いて駒沢通りを渡り、「昭和通り」に入る。200メートルほど歩いて交差点を左折して中央中通りを100メートルほど歩くと左側に店はある。この辺りは斜めに走っている道が多いので十分に確かめてから行ってください。

三河屋

黄色の派手な看板の店内は、写真とプロボクシングやプロ野球のポスター、ロックバンドのフライヤーで壁全部が埋め尽くされ、天井もポスターで埋め尽くされていた。

カウンター4席、4人がけテーブル3卓の店内に、先客は中年のカップル1組みだけだった。

メニュー@三河屋

この店は、とんかつ屋ではなく町の定食屋さんだ。500円のコロッケ定食からリーズナブルな定食がたくさんある。

「ジャンボカツ定食(900円)」を注文すると、60代の店主は長さ16~17センチ幅8センチ厚さ5センチくらいのロース肉のブロックを冷蔵庫から取り出した。ちょっと小さいけど、期待が高まるなあ。

しばらくすると、次々と常連らしい男性客がやってきた。

15分ほどで料理が供された。

ジャンボカツ定食900円@三河屋

あれ、ちょっと違う。ブロック状の分厚いとんかつではなく、手のひら大のとんかつだった。あんまりジャンボじゃないなあ。

目玉焼きとカレー、ポテトサラダが載っている。ワンプレート定食みたいだ。

ジャンボカツ定食部分@三河屋

せっかくの分厚いロース肉だったけど、包丁を2回入れて「開き」にしてあったのだ。脂身が両端についている。

しっかり揚げてあって歯応えがあった。分厚いまま、程よく揚げてあったらもっとずっと美味しかっただろう。

手作りのポテトサラダとカレーは家庭的で美味しかった。


◆希望支払金額:900円(せっかくの分厚いブロック肉が「開き」だった)
◆費用対効果度:100%(900円/900円)

三河屋
東京都目黒区中町2-30-13


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『新版 日本中世に何が起きたか―都市と宗教と「資本主義」』網野善彦(歴史新書y 029)

新版 日本中世に何が起きたか―都市と宗教と「資本主義」




新版 日本中世に何が起きたか―都市と宗教と「資本主義」網野善彦(歴史新書y 029)


網野は「あとがきにかえて」で、自著の『無縁・公界・楽―日本中世の自由と平和』(1978年)の「まえがき」を紹介している。都立高校に勤務していたころ、一人の生徒から「なぜ、平安末・鎌倉という時代にのみ、すぐれた宗教家が輩出したのか」という質問を受けたという。これに対して、当時の網野は「一言の説明もなしえず、完全に頭を下げざるをえなかった」という告白だ。

 本書は、先の質問をうけてから30年ほど経って刊行された。初版は、1997年の日本エディタースクール刊。編集者養成学校というマイナーな出版社から出版されたにも関わらず、本書は『無縁・公界・楽』とともに読書界の注目を浴びただけでなく、歴史学界からは反論や批判の的となった。2006年に洋泉社から「MC新書」として発刊され、2012年6月に同社から「歴史新書y」として発刊された。

本書は、講演の速記を中心に対談と書下ろしを加えてまとめられている。「解説」で保立道久が「網野善彦氏の歴史学の全体像を知るのにもっとも適した本である」と記しているように、日本の中世史に非農業民である漂泊民の世界を明らかにした網野の学説の概要がとても平易に記されている。

【目次】

序にかえて
   絵師の心 一遍と「乞食非人」
Ⅰ 境界
   境界に生きる人びと 聖別から賎視へ
   中世の商業と金融 「資本主義」の源流
   補論 市の思想
Ⅱ 聖と賤
   中世における聖と賤の関係について
   中世における悪の意味について
Ⅲ 音と声
   中世の音の世界 鐘・太鼓・音声
Ⅳ 宗教者
   一遍聖絵 過渡期の様相
あとがきにかえて
   宗教と経済活動の関係


副題に『都市と宗教と「資本主義」』とあるように、13世紀末から15世紀にかけて、都市と呼びうるような血縁共同体とは異なる共同体が出現し、天皇の権威が失落したことで鎌倉仏教が都市生活者のなかで誕生し、「無縁」の市庭における商品交換に「資本主義」を見ている。

本書で網野が繰り返し記しているのは、「百姓=農民」とする旧来の歴史学への反論である。商工や運輸、芸能に携わった人々、寺社に属し神人や供御人、寄人と呼ばれた様々な職能民が、一方で天皇直属民として課役や関料の免除の特権を保証され、西国諸国では広範な活動をしていた。それと並行して、平民百姓の中にも、海民・製塩民・鵜飼・山民・製鉄民・製紙民など非農業的生産を営む人々が少なからずいたという点だ。

また、百姓が負担する基本的な租税である年貢が、東国諸国の荘園では絹や綿であり、西国でも塩・鉄・木材・炭・油・紙・牛など、東北では馬や金などを貢納していたのだ。「年貢=米」ではなかったのだ。

なぜ「すぐれた宗教家」が平安末期・鎌倉時代に輩出したのか、という質問に対する網野の解答を要約すると、13世紀から14世紀にかけて銭貨の本格的な浸透によって人間関係のあり方に大きな変化が生じ、神仏の権威が低下するとともに、7世紀末に確立した儒教的な農本主義と商業・金融等の経済活動(資本主義の源流)に厳しい緊張関係が生まれた。この大きな転換期のなかで、「都市」で発生した深刻な問題に宗教家たちは真っ向から取り組まざるをえなかった。これが鎌倉仏教誕生の理由である。



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ロースかつ定食@さつき

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時々このブログにコメントを書いてくれる「ひばりヶ丘」さんに教えていただいた田無駅南口にある「さつき」へ。

西武新宿線田無駅の改札を出て右に進み南口を出る。線路沿いに新宿方面に30メートルほど歩いて、寿司店の角を右折して路地に入ると20メートル先の左側に店はある。

住所は、「京都西東京市町4-3-10」。地名が方角だらけだ。ここは、かつて田無市だった。2001年に保谷市と合併して西東京市になったけど、実は東京都の中央やや東寄りに位置している。そして、もっと西側には小平市や立川市、福生市、あきる野市などがある。

合併の際の市民への意識調査で、こんな変な市名にしてしまったという。住民の方々には大変申し訳ないが、「衆愚」という言葉しか思い浮かばない。

さつき

カウンター6席、2人がけテーブル3卓の店内に、先客は70~80代の女性2組と60代の男性1人。とんかつ屋なのに高齢のお客だけなのでちょと驚く。

メニュー@さつき

メニューは、普通のとんかつ屋の品揃えだ。どうして高齢者に人気なのだろう。

カウンターに座って「ロースかつ定食(1290円)」を注文すると、60代の店主は驚くべき素早さで肉に衣をつけフライヤーに投入した。あまりの手際の良さに、どんな風に衣をつけるのかわからなかった。

しばらくして、50代のカップルと60代の男性が入店してきて、やっぱり客の年齢が高い。海老フライ2本とヒレかつ3個の盛り合わせ定食(1580円)が人気のようだ。皆さんお歳なのに健啖ですな。

15分ほどで、料理が供された。

ロースかつ定食1290円@さつき

かつは、長さ18センチ幅10センチ厚さ1.5センチほど。ポテトサラダがついている。

ロースかつ定食部分@さつき

大きめの粒のパン粉に包まれたかつは噛み応えがあって、しっかり熱は入っているけど肉汁たっぷりで妙な臭みがなくて美味しい。じっくり揚げることで肉の滋味が引き出された旨みだ。

「少な目」でお願いしたコシヒカリのご飯は、さっくりよそってあって、驚くほど美味しい。女将がとても丁寧にご飯をよそっていた。

ナスと油揚げの味噌汁と白菜の浅漬も美味しかった。

とんかつはもちろんだけど、ご飯と味噌汁、お新香が美味しいのが高齢者にも人気の理由なんだろう。

「ひばりヶ丘」さん、美味しいとんかつ屋の情報をありがとう。


◆希望支払金額:1290円(噛み応えのある滋味あふれるとんかつ)
◆費用対効果度:100%(1290円/1290円)

さつき
東京都西東京市南町4-3-10


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昼食時は「難民」と化して「新書」を片手に、都内各地を彷徨っています。

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