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昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

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チキンライス(カオマンガイ)@ナムプリック

昼時に中野にいたのでタイ料理店「ナムプリック」へ。

たまたまかもしれないけど、以前、2度訪れて2度とも休んでいた。この店は「不定休」らしいので、わざわざ行くならば電話等での確認が必要だ。

店名の「ナムプリック(水+トウガラシの複合語)」というのはタイの調味料で、トウガラシやニンニク、シャロット(ラッキョくらいの大きさのタマネギに似た野菜)などをすり潰して作る辛味噌のようなもののこと。店によって家によって材料も味も異なる。キュウリやキャベツのような生野菜につけて食べたり、ご飯に載せて食べたりする。

ナムプリック1

ナムプリック2

14時近くに訪れると、店内はカウンター3席、4人がけテーブル5卓、そしてなぜかソファー席があった。

メニュー@ナムプリック

席を決めて、ランチの「チキンライス(850円)」を注文すると、30代のタイ女性が「食べ放題なので自分で取ってください」と言う。焼きそば(タイの焼きそばパッタイではない)・スープ・サラダ(千切りキャベツがほとんど)・スイーツ(タピオカ入りココナッツミルク)が取り放題だった。

前菜@ナムプリック

焼きそば薄味で美味しい。でもタイ人ならば、グラニュー糖・粉唐辛子・ピーナッツ・ナンプラーをたっぷりかけなければ食べられないだろう。

スープ薄味。塩味はもちろん旨みも少ない。ちょっと嫌な予感がする。

6〜7分で「チーン」という電子レンジの音がした。ますます嫌な予感。

しばらくしてチキンライスが供された。

チキンライス850円@ナムプリック

鶏肉はかすかにブロイラー特有の異臭がしたけど、ほどよい蒸し具合だった。タレが美味しいので問題ない。

チキンライス部分@ナムプリック

でも、ご飯が不思議だった。本来ならば鶏ガラスープで炊いた旨みが染み込んでいるはずなのに、かなりの薄味だった。しばらく食べていると、白米の小さな塊があった。なんだ???

厨房の40代タイ人調理人が、ご飯を炒めていた様子はなかったし、チャーハンのようにご飯粒が油でコーティングされているわけではないけど、これはなんちゃってカオマンガイだ。白飯にカオマンガイの素の粉末(あるいは単なる粉末ガラスープ)を混ぜて作ったのだろうか。

嫌な予感が当たってしまった。

決して不味くはないんだけど、どれもこれも高血圧病患者向けの病院食のように薄塩で薄味。

スイーツ@ナムプリック

デザートのタピオカ入りココナッツミルク(タッコーサークゥー)も甘さは少なかった。


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◆希望支払金額:850円(不味くはないけどこれはカオマンガイとは呼べないと思う)
◆費用対効果度:100%(850円/850円)

ナムプリック
住所:東京都中野区中野5-57-2 ウケシマビル2F
TEL:03-3388-2202
営業時間:11:30~15:00 17:00~24:00
定休日:不定休

※JR中央線中野駅の北口を出て、右へ線路沿いに新宿方面に60メートルほど歩き、最初の路地「ふれあいロード」に左折して250メートルほど北上した右側にある雑居ビルの2階に店はある。



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『1日で学び直す哲学―常識を打ち破る思考力をつける』幸田純生(光文社新書 657)

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『1日で学び直す哲学―常識を打ち破る思考力をつける幸田純生(光文社新書 657)


本書は、ピタゴラス、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、デカルト、カント、ヘーゲル、ハイデッカーと西洋哲学者8人の思想を歴史的発展の流れの中で解説し、「哲学とは何か」という問いに迫っている。著者は本書を「哲学史ではない」と書いているが、歴史的なつながりの中で記述されている。

著者は、広島国際大学准教授の哲学者。

「1日で学び直す」とは1日程度で読了できるページ数という意味らしいが、コンパクトながら1日では学び直せない充実した内容だ。

【目次】

第1章 ソクラテス以前の哲学者たち
     哲学者1 ピタゴラス—思考のラディカリズムのはじまり
     【コラム①】群雄割拠の古代論者たち
第2章 古代哲学を築いた3人
     哲学者2 ソクラテス—哲学のあらたな幕開け
     哲学者3 プラトン—イデア論
     哲学者4 アリストテレス—10のカテゴリー
     【コラム②】中世の哲学
第3章 近現代フランス哲学
     哲学者5 デカルト—疑う姿勢
     【コラム③】社会契約論
     【コラム④】大陸合理論とイギリス経験論
第4章 ドイツ観念論の時代
     哲学者6 カント—感性の形式としての空間と時間
     哲学者7 ヘーゲル—炸裂する存在
     【コラム⑤】フランス革命の衝撃
第5章 20世紀最大の哲学者
     哲学者8 ハイデッガー—存在と時間をめぐる思索
     【コラム⑥】ハイデッカーに影響を与えた哲学者たち
     【コラム⑦】ウィトゲンシュタイン


副題の「常識を打ち破る思考力をつける」とはどういうことか。

著者は、「哲学を学んで、ものの見方を180度ひっくり返す思考を身につける」としている。「哲学は思考のラディカリズム」であり、「物事をその根本から考え抜いていくと、ついには常識を覆すようなものの見方にたどり着いてしまう」からだ。 もちろん、本書を読んだからといって思考力が簡単に身に付くはずはない。 本書で繰り返し書かれているのは、哲学者たちによるそうした常識を根底から覆す思考の大転換の数々なのだ。

本書のユニークなところは、ピタゴラスから初めているところだ。数学者というイメージがあるが、ピタゴラスは禁欲生活と魂の浄化(ムーシケー:musicの語源だが学芸一般を意味する)を目指す秘教教団の教祖的存在だった。ピタゴラス教団は、数学から「演繹的推理こそが学問の理想である」という信念を持ち、「魂の不死」つまり魂と肉体の二元論、感覚を超えた世界に無常の価値を見出すという「価値の逆転」をしていた。

ピタゴラス以降も、哲学と数学は密接な関係があった。それは、

哲学の内部には、数学への憧憬があるのです。これは具体的には、演繹的方法の重視となって現れます。(p.114 )

思考の転換としてピタゴラスの次に挙げているのが、「ソクラテスの死」とその理不尽さを受容さざるを得なかった後継者たち、そして「キリストの死」である。

ソクラテスは、毒殺刑に値するような罪を犯したわけでもなく、裁判の場でその点を弁明すればよかったのに、独りよがりに思える弁明の末に死刑を宣告されてしまう。

一方、キリストはユダヤの神を冒涜したとして、十字架に架けられた。弟子や信者たちは見せしめの刑である十字架にかけられた神、恥辱にまみえた神にするという思考の転換を行った。

確かに十字架はキリスト教を象徴するとして何の疑問も抱かずにいたが、よく考えてみればこれほど奇妙なイコンはない。イスラム教による偶像崇拝への執拗な禁忌が少しだけ分かったような気がする。

本書で繰り返し書かれているのは、哲学者たちはそれまでの常識を180度変えるるような価値の大転換を行ったということだ。つまり、「思考のラディカリズム」を実行した哲学者が人類の叡智こそが、歴史として残っているのだ。


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野菜カレー(激辛)@きんもち

新宿副都心に用事があったので、西新宿3丁目の印度カレー「きんもち」へ。

この店は、土・日・祝が休みなので、金曜日に訪れた。

店名からは「西園寺公望」しか思い浮かばないけど、何か関係があるのだろうか。まさか店主の名前が公望だったりして。

ネットで調べると、店名はサンリオのキャラクター「おさるのもんきち」をもじって「もんきち」→「きんもち」となったらしい。店頭の看板にあるサルのイラストが関係しているという。

きんもち店頭

近くに飲食店が少ないこともあって、昼時は行列のできる店らしい。13時近くに訪れると、店内で2人が立って待っていた。

券売機@きんもち

店外の券売機で「野菜カレー並盛り(680円)」のチケットを購入し、トッピングのチキンも買おうとしたら、残念ながら売り切れだった。

トッピングは、チキン・ベーコン・チーズ・ゆでたまご・キャベツ・カットトマト・ほうれん草が、それぞれ60円とリーズナブルなお値段になっている。

店内は、コの字型カウンター11席と狭く、厨房では40代の男性が調理し、40代女性が配膳をしている。

すぐに先客1人が退店し、厨房の女性にチケットを渡すように促された。この店では、無料で辛さを選べるので「20(激辛)」で、ご飯を「少なめ」にすると、トッピングが1つ無料になるというのでチーズをお願いした。

5分ほどでさらに2人の先客が帰り、カウンターの一番奥に案内された。

数分で料理が供された。

野菜カレー激辛780円@きんもち

「印度カレー」と銘打っているだけあって、スパイスが強烈に香り立つカレーだ。飲み込んだ後にクローブの香りが鼻に抜ける。

野菜カレー激辛アップ@きんもち

ホウレンソウ・キャベツに煮崩れ、キャベツはややシャキシャキ感が残っている。トッピングで追加してもらったチーズが溶けてコクが増して美味しい。

激辛でお願いしたので、唐辛子のピリピリとした辛さが勝っていたけど、他のスパイスの刺激を殺すようなことはなかった。

ライスは、軽くふんわりと炊かれていてカレーにとても合っている。自動飯盛機からお皿にボトンと落としていたけど、機械の中でほど良くかき混ぜられているのだろう。


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◆希望支払金額:800円(インドカレーじゃなく印度カレー“風”だけどとても美味しいカレー)
◆費用対効果度:118%(800円/680円)

きんもち
住所:東京都新宿区西新宿3-9-1 西新宿ティーオービル1F
営業時間:11:00~16:00
定休日:土曜・日曜・祝日

※最寄り駅は京王線初台駅。オペラシティ方面の東口を出て、甲州街道を新宿方面に400メートルほど歩き、「西参道交差点」を左折して、150メートルほど北上した左側に店はある。ハイアットリージェンシー東京の西側にある。


→【激辛カレー】


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『男と女の江戸川柳』小栗清吾(平凡社新書 717)

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『男と女の江戸川柳』小栗清吾(平凡社新書 717)


大人の男と女が一緒にすることといえば、今も昔も変わらない。

江戸時代も儒教思想に縛られていた武士階級はともかく、一般庶民の楽しみといえばセックスだった。そして、江戸時代の川柳は、性をおおらかに謳歌する一方で、人の業として実に冷徹に詠んでいる。

著者は元銀行マンの川柳研究者。本書は、前著『はじめての江戸川柳』『江戸川柳 偉人伝100』に続く第3弾で、江戸時代の川柳から750のエロ川柳を紹介している。

【目次】

第1章 ようこそ、破礼句の世界へ
第2章 男と女の一生1—娘から新婚まで
第3章 男と女の一生2—中年から老年まで
第4章 破礼句のスターたち
第5章 男と女のパラダイス
第6章 おもしろ“裏”偉人伝30
第7章 プロフェッショナルな人たち
第8章 男と女のからだの構造
第9章 俗信と年中行事
第10章 楽しい小道具


安永5年から享和元年(1776〜1801)にかけて刊行され、猥褻だとしてたびたび発禁処分となった『誹風末摘花』を中心に、「破礼句(ばれく)」だけを採り上げている。破礼句とは、「 下(しも)がかったこと。みだらなこと。」を意味する「ばれ」の句。「下がかった」の「下」は下半身のことだから、 破礼句は 下半身を題材にしたエロ川柳のことである。

蛤は初手赤貝は夜中なり

これは冒頭に紹介されている川柳で花婿を詠んだもの。江戸時代の婚礼では、必ず蛤の吸い物が出された。花婿は、婚礼の宴会で蛤を賞味し、夜中は赤貝を賞味する、ということらしい。

誰が広くしたと女房は言い込める

これは閨房での夫婦の会話。

割れているものをお袋危ながり

娘は初体験を済ませているのに、母親は男を近づけないようにしている。

痛いことないと娘を口説くなり
孕まない仕方があると口説くなり

本当か?

茶臼では柄漏りがすると亭主言い

これはかなり猥褻。「茶臼」は女性上位。川柳の世界では、一般女性が嫌がる体位とされていたらしい。「柄漏り」は、雨が傘の柄を伝わること。

出会茶屋危うい首が二つ来る

「出会茶屋」は上野・不忍池界隈にたくさんあったというラブホテルのこと。不義密通で打ち首になりかねない二人も、人目を忍んで利用したという。

驚かさせるのは、すべての破礼句が実にあっけらかんとストレートに性を詠んでいることだ。処女や結婚初夜、夜這い、間男、後家、勃たない老人、体位、口説きの方法、性行為や性器、性技、性具、強精剤、俗信を笑い飛ばしている。もっとたくさん引用したいところだが、あまりに下品な川柳が多いので躊躇われる。

そういえば、数年前に「タモリ倶楽部」で『誹風末摘花』を採り上げた回があった。当然のことながら、あまりに露骨な表現の川柳は紹介されなかった。

破礼句の奔放であからさまに性を詠んだ文学を江戸時代の人々は喜んでいたが、解説がなければ理解できない川柳も多い。謡曲『高砂』や『海土』などを踏まえた「文句取り」や縁語など修辞を駆使した文学表現も少なくないからだ。

『誹風末摘花』は1947年まで発禁処分だったという。江戸時代にも発禁処分になったことはあったが、セックスを罪悪として嫌悪するキリスト教的な近代化の流れで、性を神聖なものとしつつも人間の業として見つめる文学が失われたのだ。

本書は、猥雑で可笑しくも物悲しい性を詠んだ江戸川柳を紹介するなかで、さまざまな江戸の性風俗や庶民の性生活がよくわかるようになっていて面白い。

ただし、ところどころにあからさまに性を描いた『女大楽宝開』( これは良妻賢母の教訓書『女大学宝箱』をもじった性の指南書)のような江戸時代の春画がカットとして入っていて、周りの人が驚くので電車の中などでは決して読まないこと。


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ジャンボカツカレー@キッチンヨッチ

ジャンボなカツカレーがある江戸川橋の「キッチンヨッチ」へ。

立て看板@キッチンヨッチ

江戸川橋通りにある立看板を曲がった路地に店はある。

キッチンヨッチ

店内は、4人がけテーブル5卓、10人がけテーブル1卓、カウンター3席で、13時半に入店すると先客は中年カップル1組と80代の老紳士だけだった。

メニュー1@キッチンヨッチ

メニュー2@キッチンヨッチ

看板には「カレーの店」とあってカレーがメインらしいけど、洋食メニューも豊富だ。

水を運んできた女将らしい女性に「ジャンボカツカレー(950円)」を注文すると、男2女3の50代グループが入店し、その後も次々と20代30代40代の男性客が入店して、あっという間にお客は10人以上になった。

男性はカツカレーかジャンボカツカレー、女性は目玉焼きカレーやチーズカレーを注文したけど、50代グループの男性1人だけがナポリタンを注文した。「カレーの店」なのに。

後から来たお客のカツカレーが提供され、すぐにジャンボカツカレーが供された。続いてカレー類が次々に運ばれていた。

ジャンボカツカレー950円@キッチンヨッチ

あーっ、失敗、失敗。しまった、しまった! 見た瞬間に注文を間違えたことがわかった。ジャンボなのはカツではなく、ご飯が超大盛りなのだった。残さず食べることはできるだろうか。

カツは長さ16〜17センチ幅8センチ厚みは8ミリほどの普通の大きさで焦げ茶色に揚がっている。

ご飯は1.5合から2合分くらいはありそうだ。

ジャンボカツカレー部分@キッチンヨッチ

衣はサクサクでちょっとほろ苦い。肉は、パサパサにならない揚げ具合で歯ごたえはサクサク、噛み締めると肉の旨みが口いっぱいに広がってとても美味しい。

カレーは、粘度の低いスープ状でよく煮込まれた乱切りのタマネギと豚肉が入っている。胡椒と唐辛子の辛味が効いていて喉がヒリヒリするけど、飲み込んだ後に舌には野菜の甘さとトマトの酸っぱさが残って美味しい。

この店は、神田神保町にある「キッチン南海」系の店らしい。カレーはキッチン南海ほど黒くはないけど、カツの揚げ具合は確かに似ている。

半分ほど食べたところで、女将らしい人が「お代わりはどう?」とカレーの追加を申し出てくれた。この店では、カレーを注文すると1回だけカレーを注ぎ足してくれるのだ。

3分の2ほど食べたあたりでは「余裕で食べきるな」と思われたけど、残りスプーン3杯分のところで、突然、喉のすぐ奥まで満腹になった感覚に襲われ、飲み込むのがつらくなった。水をゆっくり飲んで食道を落ち着かせ、なんとか食べ終えることができた。

50代グループの一言居士が注文したナポリタンは、パスタにハムとピーマンを入れてケチャップを加えてジャージャーと炒めたごく普通のナポリタンだった。彼はほとんど言葉を発しないであっという間に食べ終えていた。


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◆希望支払金額:950円(美味しいけど、普通の人はジャンボじゃないカツカレーを注文しましょう)
◆費用対効果度:100%(950円/950円)

キッチンヨッチ
住所:東京都新宿区山吹町345
営業時間:11:00〜15:00  17:00〜20:00
定休日:日曜

※東京メトロ有楽町線江戸川橋駅のA1出入り口から地上に出て右へ、江戸川橋交差点を右折し、江戸川橋通りを牛込弁天町方面に200メートルほど南下すると歩道に黄色の立看板があって、その路地へ右折して30メートルほど先の左側に店はある。

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『ヒト、動物に会う―コバヤシ教授の動物行動学』小林朋道(新潮新書 557)

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『ヒト、動物に会う―コバヤシ教授の動物行動学小林朋道(新潮新書 557)


著者は、鳥取環境大学教授の動物行動学者。これまで『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』など動物と人間の奇妙な行動を紹介する本を多数執筆している。

本書は、著者と動物たちの出会いを動物行動学の視点から綴った11編のエッセイ集。著者による扉のイラストも軽妙で楽しい。

【目次】

1 自転車にからまっていたカラスの話
2 庭で暮らすカナヘビを追いかけ回した話
3 街の迷い犬を田舎に送った話
4 プレーリードッグと一緒に住んでみた話
5 小さなヒミズに畏敬の念を持った話
6 土の中の魅惑的な生き物たちの話
7 「コウモリを連れたタクシー運転手」の話
8 ドバトは人間をどう認識しているか考えてみた話
9 アカネズミが食べるドングリ、貯めるドングリの話
10 トンビのため“狩り”に明け暮れた夏の話
11 口の中で子を育て雌から雄に性転換した魚の話


著者は、子どもの頃からさまざまな動物を飼っていたようだ。その後も、研究のためや教育のため、そして好奇心に駆られるままトンビやカラス、コウモリ、プレーリードッグなど「動物まみれ」の日々を送っている。

著者が高校教師のころには、生徒にさまざまな実験をさせていたようだ。生物の授業は黒板の板書をノートに書き写すだけだったことを思い出すと、彼の生徒たちがとても羨ましい。

著者が世界で最初に報告したエゾシマリスの防衛行動が面白い。シベリアンシマリスは、死んだヘビや脱皮した抜け殻を齧って噛み砕き、それを自分の体毛に塗りつけてヘビの臭いをつけることで、別のヘビを寄せ付けないようにする防御行動(SSA:Snake-Scent Application「ヘビ臭塗りつけ行動」) を発見したのだ。SSAは、2007年にはカリフォルニアジリスにも発見された。

他にも、進化の「自然選択説」、生物の「多産戦略」と「小産保護戦略」、プレーリードッグの「言語」、ドバトの認知回路における情報処理、アカネズミのドングリ運搬・貯蓄行動などさまざまな動物行動学の知見が紹介されている。

全編を通じて描かれているのは、著者の動物に対する飽くなき好奇心と愛情とともに、研究者としての冷徹な探究心である。そして、動物の行動や生態を研究する動物行動学が、人間を深く理解する上で重要な学問であることがよくわかる1冊となっている。


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豚角煮カリー(激辛)@ばぐばぐ 原宿店

原宿にあるスープカレー店の「ばぐばぐ 原宿店」へ。

この店は、札幌で3店舗を展開するスープカレー店が、昨年6月に東京進出したもの。

ばぐばぐ原宿店店頭

14時過ぎに入店すると、2人がけテーブル7卓、カウンター4席の店内に先客は8人。

メニュー1@ばぐばぐ原宿店

「豚角煮カリー(1100円)」を辛さ「ウンパット(激辛)100円」でお願いすると、10分ほどでもうもうと湯気を立てながら料理が供された。「レモンをご飯に絞ってお食べください」と言う。

豚角煮カレー1100円激辛100円@ばぐばぐ原宿店

土鍋の中でカレーがグツグツと煮立っている。

野菜は、ナス・ブロッコリー・オクラ・レンコン・キャベツ・ニンジン・ジャガイモ。

豚角煮カレー部分@ばぐばぐ原宿店

トロトロに煮込まれた長さ10センチ幅4センチ厚さ5ミリほどの豚バラ肉が入っている。

スープカレーを1口飲むと、最初に苦味が広がった。表面に浮いているハーブ(乾燥パセリ?)が焦げた苦味だ。ブロッコリーもシャキシャキの歯触りがなくなるまで揚げられていて苦い。他の野菜はほどよく煮込まれていて美味しい。

①豚骨・鶏ガラ・牛骨などの動物系スープ、②タマネギ・トマト・果物のスープ、③チキンと21種類のスパイススープの3種類のスープを合わせているらしいけど、スープにはあまり深みは感じられない軽い仕上げになっている。スパイスも際立つ香りはなく、まろやかにまとまっていて、カレーとしてのボディが弱い感じかな。

豚角煮は正体なくなるまでトロトロに煮込まれているけど、筋はしっかり残っていてスプーンやフォークでは切りにくかった。そして、豚臭さがしっかり残っていたのは、スパイスがパンチ不足だからだろう。

インドネシア語で「4」を意味するウンパット(激辛)を頼んだけど、まったく辛くなかった。この店には、「挑戦カリー!!」という15分間で食べ切ったら半額になる超々激辛メニューがあるらしいけど、次はチャレンジしてみようか。

北海道産きらら397のご飯は、小粒でサラサラに炊きあがっていてサッパリ系スープカレーに合っていた。


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◆希望支払金額:1200円(いろいろとインパクトに欠けるスープカレー)
◆費用対効果度:100%(1200円/1200円)

ばぐばぐ 原宿店
住所:東京都渋谷区神宮前6-29-2 B1F
営業時間:11:00〜15:00 17:00〜23:00(月曜日はランチのみ)
定休日:無休

※JR山手線原宿駅を出て、表参道を明治通り方面に下り、明治通りとの交差点の手前で「condomania」の脇に入って明治通りと並行に走る路地を70メートルほど歩いた左側のビルの地下1階に店はある。東京メトロ明治神宮前駅からは7番出入り口から右に出てすぐに右折し、すぐのところにある。


→【激辛カレー】


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『売る力―心をつかむ仕事術』鈴木敏文(文春新書 939)

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『売る力―心をつかむ仕事術鈴木敏文(文春新書 939)


本書は、セブン-イレブンを日本に持ってきた著者が社内報『四季報』で対談した各界の人々の言葉を紹介しながら、「売る力」を具体的かつ明解に解説している。

「売る力」とは、お客様から見て「買ってよかった」と思ってもらえる力である。だから、売り手は常にお客様の求めるものをかなえる「顧客代理人」でなければならない。(p.8)

【目次】

第1章「新しいもの」は、どう生み出すのか?
     ビートたけしさんの「笑い」との共通点
     「お腹がいっぱい」の人に何を食べさせるか
     「二匹目のドジョウ」は追わない ほか
第2章「答え」は「お客様」と「自分」のなかにある
     「お客様のために」はウソ、「お客様の立場で」が正しい
     赤飯は「炊く」のではなく「蒸す」
     「真の競争相手」は、「絶えず変化する顧客ニーズ」 ほか
第3章「ものを売る」とは「理解する」こと
     受けるのは「二十%引き」より「消費税分還元セール」
     人は「得」より「損」を大きく感じる
     「高・中・安」の商品があると「中」が選ばれる ほか
第4章「本気」の人にチャンスはやってくる
     「伝わらない」のは「存在しない」のと同じ
     便座カバーを置かないインテリア専門店
     コークもスーパードライも売り上げ日本一の理由 ほか


本書によれば、セブン-イレブンでは、毎日、昼は弁当や惣菜類の役員試食を実施しているという。さらに、著者は休日にも近所のセブン-イレブンで購入し、お弁当の味をチェックしてレベルが落ちていれば、即座に販売中止を指示し、20分以内に全国1万5000店の店舗から撤去させるらしい。

弁当メーカーの新製品開発担当者の話として、「他のコンビニ・チェーンのお弁当開発担当者はプレゼンでおかずを少しだけ食べるだけど、セブン-イレブンの担当者はお弁当をまるまる全部食べる」というのを聞いたことがある。新製品が採用されるかどうかで今後の売上が決定するので、弁当メーカーにとってプレゼンは真剣勝負の場だが、セブン-イレブン側の担当者の真摯な姿勢には驚くべきものがある。そして「セブン-イレブンのお弁当開発担当者は、可哀想なくらいどんどん太っていく」という。

この2つエピソードから、弁当がコンビニエンスストアにとって主力商品とはいえ、セブン-イレブンが凄まじい執念で取り組んでいることがわかる。だから、セブン-イレブンの弁当は他のコンピに比べ、圧倒的な売上を維持し続けているのだろう。

セブン-イレブンがここまで新製品に注力するのは、「消費者はすぐに飽きる」と考えているからだ。だから、セブン-イレブンでは2800品目から1年で7割の商品を入れ替えている。つまり、「定番商品」は3割程度しかないことになる。

予定調和を壊す
商品選択に疲れているお客様に納得性を感じてもらう基本的な原則は、「二匹目のドジョウねらい」の発想から抜け出し、予定調和を崩し、新しい価値を提供することです。「ココアとバターと文庫本」のように、新しい組み合わせや結びつけ方を見つけ、新しい提案をする。「手軽さ」と「上質さ」という、現代の消費者が最も関心をもつ二つの座標軸のトレードオフの関係で空白地帯を見つけ出す。(p.80)

「予定調和」とは、誰もが予想する流れどおりにものごとが進み、結果も予想通りである、という意味だ。新製品には、これまで存在しなかった概念のものを生み出すことと、既存の概念のものに新しい意味を付け加えることの2つがある。「ココアとバターと文庫本」というのは、日本ではあまり知られていないココアにバターを少量加えるという飲み方があるので、「秋から冬の夜長には、ひとかけらのバターを入れた温かいココアを片手に文庫本を読もう」と提案することだという。

「上質」と「手軽」の両立
一般的にはトレードオフにある「上質」と「手軽」について詳しく解説している。「手軽」というは「安価」のことである。「上質」なものが「高価」であり、「安価(手軽)」なものは「低質」というのが当たり前だが、この2つの要件をバランス良く提供することが重要なのだ。

PB商品である「セブンプレミアム」や「セブンゴールド」など、NB商品よりも高いという常識を覆す商品を生み出してきた背景についても詳しく語っている。

モノがあふれ、社会が裕福になるほど、お客様は消費を正当化できる理由や選択を納得できる理由を探し、メリハリ消費、ごほうび消費、イベント消費が増えていく。とすると、売り手に求められているのは、消費を正当化できる理由や選択を納得できる理由をお客様に提供することです。(p.78)

NB商品のメーカーが製造し、その社名を記したセブンプレミアムは「上質」に軸を置くことで、NB商品よりも高い価格でありながらも成功した。「上質さ」と「手軽さ」を2つの軸とした座標空間に、競合相手のいない空白地帯を発見したのがセブンプレミアムだった。

みんなが「いい」ということをやれば、六割のお客様を相手に九割の売り手と競合することになるのに対し、反対されても挑戦すれば、四割のお客様を相手に一割の売り手とともにビジネスができる。(p.92)

「お客様のために」と「お客様の立場で」はまったく違う
本書で繰り返し使われているキーワードに「お客様の立場で」がある。同じような言葉に「お客様のために」があるが、この2つはまったく違うと鈴木は言う。「お客様の立場で」考えるためには、自分の過去の経験をいったん否定しなければならない。ところが、「お客様のために」はあくまで経験や実績に基づいた売り手からの発想に過ぎないからだ。顧客ニーズとのズレが発生しやすいし、自分たちのできる範囲やいまある仕組みの範囲内での発想にしかならず、売り手の都合が優先されてしまう。「お客様の立場で」考えると、売り手にとって不都合なことでも実行しなければならないのだ。

自分たちにとって不都合なことでも、お客様の都合に合わせて実行する。それが「お客様の立場で」考える仕事の仕方です。コストがかかり、効率が悪くても、お客様が共感共鳴するものをつくっていけば、必ず、結果が出て、収益が確保できるようになる。売り手の都合の範囲内で「一生懸命やる」のと、お客様の都合に合わせて「正しいことをやる」のとではまったく意味が違うのです。(p.107)

損失回避性を抜け出す
人間は、1万円を得た喜びや満足感よりも、1万円を失った苦痛や不満足の方を大きく感じてしまう。そこで、人間は損失を回避しようと考え、行動するようになる。行動経済学の主要なテーマである「損失回避の心理」である。これは、買い手だけでなく売り手にも同じように働く。すると、機会ロスよりも廃棄ロスを恐れるようになり、消極的な発注となってしまう。

売り手が損失回避の心理から抜け出し、挑戦意欲をもって、積極的な姿勢をとれば、買い手も損失回避の心理から抜け出して、購買意欲をそそられ、積極的に手を伸ばそうとする。(p.155)

本書に書かれていることは、1974年以来、セブン-イレブンがコンビニエンスストア業界の先頭に立って40年に渡って成長・進化を遂げ続けてきた経営トップの言葉だけに圧倒的な説得力がある。しかし、鈴木の「売る力」はどの程度継承されているのだろうか。休日ですら弁当の味をチェックせずにはいられない強烈なカリスマを失った時、セブン-イレブンはどうなるのだろうか。



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ランチバイキング@韓国ハウス

ワンコインのランチバイキングを提供している東中野の「韓国ハウス」へ。

韓国ハウス

ランチバイキングは平日のみの提供。

CA3A0258.jpg

小学生以下400円といわれても……。平日にこの店に来られる小学生がいるのだろうか。

12時ちょっと前に入店すると、4人がけテーブル3卓、2人がけテーブル3卓の店内に先客はいなかった。

カウンターに並んだ料理を取り分けながら、俳優の笹野高史そっくりのオヤジに話しかけた。

「消費税が8%になったけど、値上げしないのですか?」
「値上げ分だけではなく、韓国製インスタントコーヒーを付けて600円に値上げしようかと迷っているところです。『それでいい』というお客さんもいますが、2年間ずっとワンコインでやってきたので……」

消費税の値上げに合わせて中途半端に515円にするくらいなら、付加価値を付けて600円にするということなんだろうけど、お客が離れてしまわないかかどうか判断が難しい。

CA3A0263(2).jpg

大好きなカクテキ、キムチ、ニラ・モヤシ・ホウレンソウのナムル、ダイコンとニンジンのなます、ヒジキ煮、鶏肉の甘辛煮、豚バラ肉とワカメがたっぷり入ったスープ、ご飯という陣容だ。

1皿目。

ランチバイキング1回目

残念ながらカクテキはご飯なしでは食べられないほど塩辛かったけど、ほかは薄味でたくさん食べられる。野菜の大量摂取のチャンスだ。ヒジキ煮には珍しいことにヒヨコ豆が入っていた。

すぐに、ワイシャツ姿の男性2人と、3人組の中年女性が入店してきた。

中年女性の1人は、どんぶりにご飯を盛ってビビンバにしていた。すると、オヤジが目玉焼きを作って彼女にだけサービスしていた。常連さんなんだろう。

2皿目。

ランチバイキング2回目@香川照之

スープの豚バラ肉はやや冷凍焼けした味と食感だったけど、十分に美味しい。

ご飯はコシヒカリ系のモチモチとした食感でとても美味しい。

野菜をたくさん摂れて満足。


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◆希望支払金額:700円(オヤジさんワンコインで頑張ってください)
◆費用対効果度:140%(700円/500円)

韓国ハウス
住所:東京都中野区中央2-58-21 中野中央ハイツ1F
営業時間:11:30〜14:00 18:00~23:00
定休日:月に5〜6日くらい。

※丸ノ内線中野坂上駅の改札口を出て、2番出入り口から地上に出る。目の前の山手通りを左方向(北)に300メートルほど進み、宮下交差点で左折して大久保通りを西に500メートルほど歩くと左手に真っ赤な看板の店がある(宮下交差点まで行くと遠回りなので、住宅街を抜けるほうが近道だけど)。


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