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昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

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豚レバー(山形庄内産)@kei楽

清瀬にレバニラ炒め専門店があるらしい。レバニラ(ニラレバ)炒め好きとしては行かないわけにはいかない。

西武池袋線清瀬駅から徒歩7分ほどのところにある「レバニラ定食 kei楽」へ。

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11時半過ぎに訪れると、L型カウンター10席の店内に先客は1人だけだった。

カウンターに若い女性スタッフがいて、奥の厨房で店主が働いていた。

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680円というサービス価格のお得な定食もあるけど……。

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せっかく専門店に来たので、メニューの筆頭にあるレバニラ炒め定食の「豚レバー(山形庄内産)1080円」を注文した。

先客は、レバニラ炒めを肴にビールを楽しむらしく、お通しをつまみに瓶ビールを飲んでいた。

注文を受けてから調理を始めるらしく、6〜7分後にレバーを揚げる音が聞こえてきた。

しばらくすると、お客がどんどん入ってきた。女性1人客は鳥レバー唐揚げ定食、男性1人客は豚レバニラ炒めのハーフと生ビールのセット、男性2人客は豚レバニラ炒め定食を注文した。

意外に時間がかかって20分ほどで料理が供された。

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レバニラ炒めはかなり大盛りで、唐辛子味噌が付いていた。

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小さい鶏唐揚げくらいの固まりのレバーが12〜13個、よく炒められたモヤシ・ニラ・ニンジン・タケノコ・キクラゲ・ザーサイの上に載っている。

レバーは醤油味の片栗粉をたっぷりまぶして揚げてあり、サクサクとした歯応えだけど揚げ過ぎではない。

全く臭みはなくて、飲み込んだ後にかすかにレバー特有の香りが鼻を抜けて美味しい。唐辛子味噌をつけて食べると、味に深みが出てさらに美味しい。

固めに炊かれて美味しいご飯は小さな茶碗に山盛りになっていた。ランチはご飯のおかわり自由なので大食いの人でも大丈夫だし、女性にはアイスクリームか杏仁豆腐がサービスされる。

食後にお茶を飲んだら、温かいジャスミンティが爽やかで美味しかった。

お会計をしたときに、何故かきんかんのど飴をいただいた。


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◆希望支払金額:1080円(さすがにレバニラ専門店の味)
◆費用対効果度:100%(1080円/1080円)

レバニラ定食 kei楽
住所:東京都清瀬市松山1−20−3
営業時間:11:30〜14:00 17:30〜22:00
定休日:日曜日

※西武池袋線清瀬駅の南口を出て、正面右手の商店街「南口ふれあいろ〜ど」を400メートルほど南下する。途中に魅力的なランチを提供する店がたくさんあるけど、無視してどんどん歩くと、商店街が途切れる手前の右側に店はある。


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『家族の悪知恵―身もフタもないけど役に立つ49のヒント』西原理恵子(文春新書969)

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『家族の悪知恵―身もフタもないけど役に立つ49のヒント西原理恵子(文春新書969)



ベストセラーになった前著『生きる悪知恵』の第2弾。

サイバラが、新聞や雑誌の人生相談風に家族にまつわる49の相談に、快刀乱麻ぶりをみせている。といっても、本書は前書と同様に雑誌等の連載をまとめたものではなく、いかにもありそうな相談はすべて架空のものだ。

以前、雑誌に寄せられる読者からの人生相談には使えるものが少ないので、編集者が創作していることが多い、という話を聞いたことがある。であれば、多くの雑誌と同様に相談は編集者の作文であっても、回答が面白ければ良いことになる。

【目次】

第1章 「困った夫&妻」編—夫婦は他人の始まりだから
第2章 「子育て」編—ならぬ堪忍するが堪忍
第3章 「家族もいろいろ」編—普通じゃなくてもいいじゃない
第4章 「人生の選択」編—ごちゃごちゃ言うよりやってみなはれ
第5章 「親兄弟が面倒くさい」編—バカとハサミは使いよう
特別企画 母子座談会「西原家の悪知恵」


本書は、前書と違って「結論」は警句のような切れ味はイマイチだけど、「相談」に工夫があって面白いし、サイバラの語りは前書に増して奔放だけど核心をついた回答が面白い。

例えば、「娘がウソをつく」という相談には、「子供は北朝鮮」と思いましょう、と答えている。

相手は北朝鮮なんだから、正直言ったって通じないし、ウソをつくのが当たり前。絶対最後に「知らない」「そんな約束していない」って言いだすので、そこをどうやってネゴシエイトするかですね。(p.58)

前著に、使えない部下を「ネジだと思えば腹も立たない」という惹句があったが、子供は理屈の通じない「北朝鮮」だと理解すれば、いくら腹を立てても解決にはならないと得心できる。

「家庭を現状維持しつつ、ほかの男性に身体を許すのはありですか?」という不倫の相談には、夫とは“家族”になったらいつまでも“素敵な恋人”でいられると思うこと自体がお花畑で、亡くなった夫の鴨ちゃん(戦場カメラマンの鴨志田穣)がよそに彼女ができた時にも全然腹立たなかった、と太っ腹だったところを見せている。

女性はホントにダンナさんも私も清く正しく、家庭は隠しごとのない――的な真面目な方が多くて。その相手が浮気をすると「死にたい」「殺したい」ってことになっちゃう。私らなんかは「なんでそれくらいで?」「ちょちょっと洗えばまた使えるじゃん」って思うんだけど(笑)。(p.100)

すごいなあ。

サイバラにとっての結婚は、「子供を中学とか高校まで行かせるためだけの契約」だからだ。だから、夫婦が互いに不倫してもかまわないことになる。

地元でも有名なバカ高校に通う女子高校生の「低学歴の世界から抜け出したい」という相談には、

同じチンコなら都会で仕事のできる男のチンコをくわえろ。

とアドバイスしている。

やりたいことがあるなら誰かに弟子入りするのでも何でもいいし、とにかく取っかかりを見つけてください。(…)そこからどうしてものし上がりたかったら、せっかく若い女のコなので、その先生とヤっちゃってください。そうすると、すべてのノウハウを教えてもらえますんで。(p.130)

そして、時間の無駄だから、劇団員とかカメラマンの卵のような夢を一緒に追いかける彼氏は持たないこと、と釘を刺している。

巻末に、高2の息子「ガンジ」と中2の娘「ひよ」との座談会が掲載されている。自由で妙に大人びているのが、いかにもサイバラの子供たちらしいが、その子供たちの将来の希望を尋ねられて、サイバラは「勤め人は、やめたほうがいい」と答えている。「日本人は頑張りすぎ。みんな“一人ブラック企業”」だからだ。

子どものころからぼんやりしていたためか、就職した時には上司や先輩が顧客の理不尽な要求にも完璧に応えようとしたり、納期の帳尻さえ合えば良いのにすべて既定のスケジュールで仕事を進めようとするのを見てカルチャー・ショックを受けたことを思い出した。

全員が目を三角にして必死に働く姿は、偏執狂的とさえ思えたものだ。確かに日本人の働き方は頑張りすぎだし、一人ブラック企業なのだと思う。

最後には、娘にノルマとして「離婚三回、家5軒ね」というジョークを飛ばしている。サイバラの母が離婚2回で家を2軒建て、サイバラが離婚1回で家を3軒建てたから、その合計だ。中2の娘に言うべき言葉ではないような気がするが、サイバラ家ではこれでいいのだろう。



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肉そば@なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。

そば処 港屋」のパクリ店といわれる東新宿にある「なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。」へ。

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店名がおかしい。港屋のパクリならば「なぜ蕎麦つゆにラー油を入れるのか。」だろう。もしかしたら、本当にラー油を蕎麦に練り込んでいるのか。

まさか。

店名に「。」が付いているのは、池袋と秋葉原にある「カレーは飲み物。」の系列店だかららしい。

12時すぎに入店すると、カウンター9席、2人がけテーブル2卓の店内はほぼ満席だった。

入り口左側に券売機がある。

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肉そば、鶏そば、とろろ肉そば、とろろ鶏そばは、大・中・小が同じ料金。

「肉そば(中)790円」の食券を購入して厨房の女性に渡し、唯一空いていたテーブル席に腰を下ろして待つ。

5分ほどで「テーブルの肉そばの方」と厨房の女性に呼ばれ、料理の載ったお盆を手渡された。

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厚手の丼に蕎麦、肉、ネギ、ゴマ、海苔の順に盛ってある。冷たい蕎麦つゆも厚手の小丼入り。海苔が焼き海苔みたいな黄緑色だ。

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蕎麦がぶっとい。そして、ものすごくコシがある。

もちろん蕎麦にラー油は練り込まれていない。店名を考えたのは、日本語が不自由な人らしい。

蕎麦つゆは、甘さ控えめでちょっとしょっぱいけど、濃い味付けがぶっとい蕎麦によく合っている。

薄切りの牛肉は、拍子抜けするほど薄味だった。でも、蕎麦つゆが濃いのでちょうどよい。

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卓上には、天玉と生卵に加え、ラー油と一味唐辛子があって、味を調節できるようになっている。

途中で、天玉や生玉子、ラー油を追加して、味変しながら食べ終えた。玉子は、蕎麦つゆではなく蕎麦に混ぜたほうが美味しい、というのを後で思い出した。残念。

券売機横の大きな保温器から、蕎麦つゆに白い蕎麦湯を加え、魚粉(肥料や飼料じゃないんだから「削り粉」だろう)をかけて飲み干した。香ばしくて美味しい。


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◆希望支払金額:790円(ぶっとくてコシの強い蕎麦が美味しい)
◆費用対効果度:100%(790円/790円)

なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。
住所:東京都新宿区大久保1-3-22 ヴァンヴェール新宿
営業時間:11:00~ 17:30~
定休日:年中無休

※東京メトロ副都心線東新宿駅のB1出入り口から地上に出て、左に50メートルほど北上した左側に店はある。


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『思考実験―世界と哲学をつなぐ75問』岡本裕一郎(ちくま新書 1045)

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『思考実験―世界と哲学をつなぐ75問岡本裕一郎(ちくま新書 1045)


本書は75問の思考実験を使って、 哲学的問題にアプローチしている。

だから、本書のタイトルは「世界と哲学をつなぐ思考実験75問」にすべきだったのではないだろうか。

著者は、玉川大学教授の哲学者。本書では、自己・他者・倫理・社会の4つのテーマを抽象的な理論ではなく、思考実験を使って具体例でわかりやすく解説している。

【目次】

Ⅰ 自己
 第1章 私はなぜ「私」だと言い切れるのか?
 第2章 私の夢こそが現実ではないのか?
Ⅱ 他者
 第3章 あなたがいなければ、私はいないも同然なのか?
 第4章 他人の心が分からなくて何が問題なのか?
Ⅲ 倫理
 第5章 ウソをつかないことは本当に正しいのか?
 第6章 善悪は何で判断すればよいのか?
Ⅳ 社会
 第7章 人間の未来はどこへ向かうのか?
 第8章 近代の終わりはディストピアなのか?


著者は、哲学の非常勤講師として短期大学で教え始めたときに、抽象的な概念や論理ばかりの講義では学生たちの興味を引かないことに悩んだ。そこで、「具体的に教えてほしい」という学生の声に応えるために「思考実験」を使って説明することにしたという。

「思考実験」はエルンスト・マッハが注目した概念で「思考の中で実験する」方法だ。

マイケル・サンデルの「白熱教室」以来、哲学や倫理学での「思考実験」も馴染み深いものとなった。本書では有名な思考実験だけでなく、小説や映画などさまざまな題材から、いわゆる思考実験の形になっていないものも採り上げている。

面白かったのは「Ⅲ 倫理」。

まず、カントの「ウソ」論文(『人間愛からのウソ』1797年)。

人殺しが私の友人を追いかけている。友人は私の家に逃げ込んできて、かくまってほしいと依頼する。私が承知したあと、人殺しが私の家にやってきて、その友人が来ていないか私に問い尋ねたとしよう。そのとき、私はどう答えるべきであろうか?

この問題に対して、カントは、たとえ結果がどうであろうと「ウソはつくべきではない」と主張した。これに対して、H・J・ベイトソンは「友人の命を救う」という状況では「ウソをつくな」という道徳的な義務は留保しなくてはならないと批判した。

一方、マイケル・サンデルは、人殺しに「友人はここにはいない」とウソをつくのではなく「1週間前に見かけた」と答えるという、真実ではあるが誤解を招く表現を使うことを提案した。しかし、人殺しが「もう一度聞くが、今この家にお前の友人はいるのか?」と問いただされたとき、サンデルの解決法は役立たないと著者はいう。

さらに著者は、同じストーリーで友人を政府に批判的な活動をしている「反逆者」、人殺しを「秘密警察」に設定する。秘密警察が家にやってきて「反逆者をかくまっていないか?」と尋ねたとき「いない」とウソをついても、秘密警察は納得しないだろうとしている。

この思考実験でカントが問題にしたのは、「ウソをつくな!」という義務の絶対性なのである。著者は、「ウソに対するホントの先行性」(あるいは、カント風に表現して「ウソの超越論的条件」と呼ぶことにしたい)という。

ウソは、ホントが前提されてはじめて可能になり、ホントに寄生して営まれるのだ。(…)子どもには、「ウソをつくな!」と繰り返し教育するが、それは、この先行的な条件を身につけさせるためなのだ。(…) ウソをホントはレベルが異なり、ホントが成立してはじめて、ウソが可能になる。カントが強い口調で真実を要求するのは、まさにこの先行的なレベルの話だと考えなくてはならない。(p.139)

時限爆弾シナリオ」は、次のような問題だ。

テロ組織が人口密集地に時限爆弾を仕掛けたという情報があり、その組織の一員を捕まえた。一両日中に爆弾が破裂し、多くの犠牲者が出そうである。 これを阻止する唯一可能な方法は、捕まえた容疑者に拷問を加え、ホントのことを吐かせ、爆弾を解体することだが、容疑者に拷問を加えてもよいか?

サンデルはさらに先鋭化して、容疑者本人が口を割らないならば、彼の面前で娘に拷問したらどうなるか、というバージョンも生み出している。

いずれにしても、この思考実験は功利主義が正当化の論拠となる。幸福と不幸の総量を計算する方法だ。多数の不幸を避けるためには拷問もやぶさかでないというのが功利主義的解釈だ。しかし、容疑者が正しい情報を持っている確証はなく、ウソの情報を語るかもしれないし、拷問に耐え抜き何の情報も得られない可能性もありうる。拷問によって、爆発を避ける情報を得られなければ、功利主義的にも最悪の結果となる。

サンデルの講義で有名になった「トロッコ問題」でも2つのバージョンを紹介している。

コントロールを失ったトロッコ電車が近づいてきて、線路の先には5人の作業員がいて、右の支線には1人しかいない。このままでは5人の作業員がトロッコに轢かれて死んでいまう。スイッチ(レバー)を引いてトロッコの進行方向を右に切り替えて5人を救い、1人を犠牲人することは正しいか?

陸橋の上からコントロールを失ったトロッコ電車が近づいてくるのが見えたとき、線路の先に5人の作業員がいてこのままでは轢き殺されてしまうことが予想されたとき、自分が陸橋から線路に飛び込んでもトロッコは止められないが、隣に立っている太った男を落とせばトロッコを止められるとしたら、太った男を突き落としたほうがいいだろうか?

前者は、5人を救うために1人が死ぬことになるが、殺人を意図したわけではない。しかし、後者は5人を救うための手段として1人を殺すことになり、「目的を実現するために、他人を手段としてはならない」というカント的義務論に違反するとしている。

「Ⅰ 自己」や「Ⅱ 他者」といった抽象的な概念よりも、「ウソとホント」や「善悪」の問題のほうが、ヒリヒリとした現実感があって面白いのだ。



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インド風カレー 野菜チキン(プチ)@プーさん

ボリュームたっぷりの野菜カレーで有名な武蔵小金井のカレー店「プーさん」へ。

プーさん

店頭には看板など店名を書いた目印は全くなくて、入り口にメニューが置かれているだけ。うっかり通り過ぎるところだった。

この店は行列店として有名なので開店時間の11時ちょうどに訪れると、意外なことに、4人がけテーブル3卓、カンター10席の店内に先客は2人だけだった。

メニュー@プーさん

食後は、ドリンクかアイスクリームがサービスされる。

ドリンクメニュー@プーさん

ご飯の盛りが多いらしいので「インド風カレー 野菜チキン(プチ)1450円」の辛さ「5(超辛)」+「自家抽出アイスコーヒー」で注文した。

しばらくすると、次々にお客が来店したけど、料理がなかなか出てこない。

15分ほどで奥の厨房から「ジャー!」という大量の野菜を揚げる音が聞こえ、数分後に最初のお客に料理が供され、さらに5分ほどでようやく料理が供された。

野菜チキン1450円@プーさん

野菜が山盛りだ。

野菜チキン部分@プーさん

パセリ、ナス、ブロッコリー、インゲン、パプリカ、ピーマン、ブナシメジ、マイタケ、レンコン、小松菜、ズッキーニ、ジャガイモ、サツマイモ、ニンジン、スナップエンドウ、オクラ、コンニャク、タマネギ、キャベツ、カボチャなどが、揚げたり煮込んだりして入っている。

カレーは、煮込んだ野菜や果物をベースに、鰹節や昆布、干し椎茸などの和風だしを加えているという。確かに、旨みが強い

最初にスパイスの香りと辛味が舌を刺激し、次に魚介系の旨み、さらにトマトなど野菜の旨みと酸味、そして最後に果物の香りと甘みが残る。

直径1ミリほどの粒がたくさん入っているので唐辛子のタネかと思ったらトマトのタネだった。タネを包むゼリーが完全になくなるまで煮込んだらしい。

辛さ「5」の超辛でお願いしたけど、まったく辛くなかった。

鶏肉は、固くなるまでしっかり煮込んであって、スプーンで押すと繊維状に解けた。

ご飯はちょうど良い炊き具合で美味しい。

食べ終えるとちょうど満腹になった。プチにして良かった。大盛を頼んだお客もいて、ご飯が山脈みたいになっていた。

アイスコーヒー@プーさん

自家抽出のアイスコーヒーは、残念ながら水出しではないらしく少しだけ雑味が出ていた。でも、芳醇な香りで苦味が効いていてなかなか美味しかった。


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◆希望支払金額:1450円(野菜と和風だしの旨みがスパイスにマッチしている)
◆費用対効果度:100%(1450円/1450円)

プーさん
住所:東京都小金井市前原町3-40-27
営業時間:
 [水~日]11:00~15:00 17:30~21:00
 [月]17:30~21:00
定休日:火曜日

※JR中央本線武蔵小金井駅の南口を出て、小金井街道を300メートルほど南下し、「前原坂下」交差点を渡って20メートルほど先の右側に店はある。



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『生命誕生―地球史から読み解く新しい生命像』中沢弘基(講談社現代新書 2262)

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『生命誕生―地球史から読み解く新しい生命像中沢弘基(講談社現代新書 2262)


生命の起源について、これまでRNAワールド説や粘土説、宇宙起源説などさまざまな仮説が出ている。生物進化についても、用不用説や突然変異説、自然選択説など、個々の生物種が特殊な形態に進化する理由が説明されてきた。

しかし、「なぜ、生命が発生して、生物には進化という現象があるのか?」という根源的な命題は解かれていない、と著者はいう。

本書は、「地球エントロピーの減少に応じた地球軽元素の秩序化」という熱力学第二法則からスタートし、隕石衝突で発生による「有機分子ビッグ・バン説」と「生物有機分子の地下深部進化仮説」 で、この難問に答えている。

「太古の海は生命の母」ではないのだ。

【目次】

第1章 ダイナミックに流動する地球
 1−1 無視された大陸移動説
 1−2 大陸移動説の復活
 1−3 プレートテクトニクス、流動する地球
 1−4 プレートテクトニクス、全地球流動
第2章 なぜ生命が発生したのか、なぜ生物は進化するのか?
 2−1 生命の発生や生物の進化は物理の大原則に反する?
 2−2 生命の発生と進化の必然性
第3章 “究極の祖先”とは?—化石の証拠と遺伝子分析
 3−1 最古の“生命の化石”
 3−2 遺伝子で探る“究極の祖先”
 3−3 遺伝子は量子力学の支配する“分子”でなければならない!
第4章 有機分子の起源—従来説と原始地球史概説
 4−1 有機分子の起源、従来説
 4−2 概観:冥王代および太古代の地球冷却史
 4−3 40億〜38億年前頃、“局地的”“一時的”に還元大気が生じた!
 4−4 隕石の海洋衝突による“岩石・鉱物の蒸発”:模擬実験による実証
 4−5 隕石の海洋衝突によるアンモニアの局地的大量生成説
第5章 有機分子の起源とその自然選択
 5−1 有機分子ビッグ・バン説
 5−2 「有機分子ビッグ・バン説」の実験による実験による検証
 5−3 生物有機分子の自然選択
第6章 アミノ酸からタンパク質へ—分子から高分子への進化
 6−1 「太古の海は生命の母」の呪縛を解く
 6−2 生物有機分子の地下深部進化仮説
 6−3 「生物有機分子の地下深部進化仮説」の実験による検証
 6−4 生物有機分子のホモキラリティ(光学活性)、自然選択の結果か?
第7章 分子進化の最終段階—個体、代謝、遺伝の発生
 7−1 プレートテクトニクスの開始と付加体
 7−2 「個体」の成立と小胞融合
 7−3 生命誕生!
 7−4 遺伝子的乗っ取り説とFe−Sワールド説
第8章 生命は地下で発生して、海洋に出て適応放散した!
 8−1 地球軽元素進化系統樹―“根のある”生物進化系統樹
 8−2 生命を生んだ「水の惑星」―地球


地球は46億年前に誕生して以来、内部にある熱を外部に放出し続けている。エントロピーが減少し続けているのだ。

化石の研究によって生物種は「巨大化し特殊化して絶滅する」という「進化の法則」があることがわかっている。進化とは、より多くの分子が、高度な組織の中に固定されて自由度が奪われる歴史なのだ。単細胞生物のバクテリアから多細胞生物へと進化し、巨大化と組織化のプロセスを積み重ねて、ゾウのような巨大な生物やヒトのような高度な知能を持った生物へと進化してきた。

しかし、この生物進化は基本的な物理法則の1つである熱力学第二法則に反している。

宇宙の全体や物質は、大局的にはエントロピーの増大に向かっている。どんな物質も放っておけば無秩序な状態に向かい、周囲の環境と区別がつかなくなっていく。コップの水にインクを垂らせば、一時的には濃淡が生じるが、最終的には水全体が均一に着色されてそれ以上は変化しない。自然現象は、必ず「秩序が崩れて無秩序になるように変化する」という熱力学第二法則に従っている。

生命現象も「崩壊して平衡状態になる」という熱力学第二法則に矛盾している。シュレーディンガーは『生命とは何か』で「生物体は“負のエントロピー”を食べて生きている」と説いた。 動物はエントロピーの小さい他の生物を摂取して、エントロピーの大きな排泄物を排出し、その差額で自分自身のエントロピーを小さく保ち、生命を維持しているからだ。

著者は、生物進化と生命現象は地球の放熱によるエントロピーの減少の結果だとする。

46億年前に微惑星の衝突エネルギーでドロドロに溶けて均質になった地球は、熱の放出にともなって温度が下がり、重い金属元素は核に、軽いアルミニウムやケイ素の鉱物はマントルに、そしてもっとも軽い水素(H)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)などの軽元素は水や大気となって地表に濃集する、そういう層構造に“秩序化”したのです。(p.79)

熱の放出が続いて、地球の構造は複雑化し、陸地や海の形状は時代とともに複雑になり、核やマントルの層構造もさらに細分化した。軽元素もエントロピーの減少によって秩序化し、その結果が有機分子の生成であり、生命の発生、さらにはその進化なのである。

生命の発生と生物進化は、地球のエントロピーの減少に応じた、地球軽元素の秩序化(組織化・複雑化)である(p.79)

アメリカの科学者スタンリー・ミラーは、水を沸騰させてメタン・アンモニア・水素からなる原始大気に放電し、タンパク質のもととなるアミノ酸などの有機物を合成することに成功した(ミラーの実験)。

かつては、生命誕生は「ミラーの実験」のようなシナリオだろうと思われていた。しかし、20世紀末の地球物理学の進展で、原始地球にはメタンやアンモニアは存在しなかったことが判明したため、その研究は過去のものとなった。

しかし、著者は「ミラーの実験」のような環境も存在したという。

40億〜38億年前頃に現在の1000倍ほどの頻度で隕石が大量に降り注ぐ「後期重爆撃」の時代があって、秒速10km以上の隕石が、海面に衝突し、隕石と海水、海底岩石・鉱物の蒸発して局地的に還元大気が発生し、アンモニアや有機物質が生成することを実験によって証明したのだ。著者は、これによって大量の有機分子が発生したとする「有機分子ビッグ・バン説」を提唱している。

発生した有機分子の一部は、粘土コロイドにくっついて海底深くに沈み、堆積して高温・高圧化環境で濃縮・脱水・高分子化する。アミノ酸や核酸塩基が重合して、タンパク質の片鱗であるポリペプチドまで脱水重合することも、著者は実験によって証明している。「生物有機分子の地下深部進化仮説」である。

海底の地下で、酵素やRNA/DNAの片鱗にまで進化した生物有機分子は、プレートの移動で熱水による加水分解の危機に遭遇し、鉱物結晶による小胞の「個体」を得たものだけがサバイバルし、熱水脈の中で離合集散しながら共生・融合して代謝機能を獲得し、さらに核酸の片鱗を取り込んでRNA/DNAを獲得して、自己複製機能を備えた。

これが著者の提唱する「生命誕生」のシナリオである。

これは、従来の生物進化系統樹において未解明であった「根」の部分であり、有機分子と生物とのつなぎ目である「生命の起源」の謎を解明する提案である。

かつて、生化学者の大島泰郎氏から「ミラーの実験を超えるブレークスルーがいくつもなければ、生命の起源の謎は解けない」と伺ったことがある。著者の学説は、そのブレークスルーの1つなのではないだろうか。



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俺の肉そば(冷)@俺のそば GINZA5

有楽町の高架下にある「GINZA5」の地下にある「俺のそば GINZA5」へ。

愛宕下にある「そば処 港屋」が開発した、大盛りの太めの蕎麦に甘辛く煮た牛薄切り肉・ネギ・ゴマ・ネギをたっぷり載せ、ラー油の入った温かいつけ汁で食べる「肉そば」は、パクリ店(インスパイア系とも言う)が続出している。

この店は、立ち食いレストラン「俺のフレンチ」や「俺のイタリアン」で成功を続けている「俺の株式会社」が2014年4月に出店したもの。開店当初は850円だった肉そばが500円に値下げされ、7月1日から600円に値上げしている。

本家の港屋は駅から遠くて不便な場所にあるけど、この店は東京メトロ丸ノ内線銀座駅の改札口を出てすぐという銀座の一等地にある。

俺のそば

店内は、すべて立ち席で60人以上は入りそうだ。

14時過ぎだったけど、お客は30人ほど入っていて、ホール係5人、厨房4人と9人のスタッフが働いていた。

値上げメニュー@俺のそば

セルフサービスなので、店の奥に向かいプラスチックのコップに水を入れてトレーを持ち、割り箸とサービスの生卵を取って、「俺の肉そば(冷)600円」を注文する。

600円を払うと、すぐに料理が手渡され、スタッフの指示で入り口近くのカウンターに向かう。

揚げ玉@俺のそば

カウンターには、取り放題の揚げ玉が入ったどんぶりだけがある。

俺の肉そば500円@俺のそば

蕎麦を盛ったお皿は直径30センチほどと巨大だ。

俺の肉そば@俺のそば

蕎麦は2.5〜3ミリ角ほどあってかなり太い。しかも、びっくりするほど大量だ。更科系の上品な蕎麦屋のざる3枚分くらいはある。

蕎麦の半分を覆う大量の牛肉、その上に2ミリほどの厚さに斜め切りのネギ、そして細切りの海苔が大量に乗っている。

何もつけずに蕎麦を1本啜ってみると、ものすごく弾力がある。

んん? 何だこれは?

ボキボキとした蕎麦特有の食感はなく喉越しもスルスルと滑らかで、まるで冷麺みたいだ。輪ゴムっぽい弾力なのは、澱粉を大量に加えているからだろう。

つけ汁に浸すと、ラー油が少ないので刺激が少なく、甘さだけが舌に残る

それに湯気の立った熱々の牛肉を蕎麦の上に載せているので、せっかく冷水で締めた蕎麦が生温くなっている

途中で味に飽きてきたので、生卵と揚げ玉を足したけど、元々ラー油が少ないので味がぼやけただけだった。ラー油か七味唐辛子を足せるようになっていたら、もっと美味しく食べられただろう。

厨房近くのポットに入っていたそば湯は、かすかに白濁している程度で、トロミも風味もない白湯みたいだった。


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◆希望支払金額:600円(港屋の劣化コピー。元々の850円だったら食べない)
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俺のそば GINZA5
住所:東京都中央区銀座5-1 東京高速道路南数寄屋橋ビルB1F
営業時間:
 [月~土]11:00~15:00 16:00~23:00
 [日・祝]11:00~15:00 16:00~22:00
定休日:無休(不定休)

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『侮日論―「韓国人」はなぜ日本を憎むのか』呉善花(文春新書 954)

侮日論


『侮日論―「韓国人」はなぜ日本を憎むのか呉善花(文春新書 954)


韓国は反日国家である。国是として反日主義をとっており、近年ますますその度合いが高まっている。

本書は、韓国における反日主義が醸成された経緯と反日の背景には日本と日本人を見下す侮日観があることを詳しく論じている。

【目次】

第1章 言論弾圧国家としての韓国
  私に対する政府・マスコミの言論封殺
  政治的弾圧と社会的封殺の実情
第2章 反日主義はどのように変遷してきたか
  李承晩・軍人政権時代の反日主義
  文民政権時代からの大変貌
第3章 侮日観の伝統と華夷秩序の世界観
  侮日観と中華主義
  日本の征韓論と華夷秩序の破壊
第4章 「血の一体性」の意識に基づく民俗感情
  孝の貫徹と恨の民族
  血縁主義社会の伝統と従軍慰安婦問題
第5章 植民地化を絶対的な悪とする考えは間違っている
  植民地化=悪のイデオロギー
  生活者にとっての日本統治時代
第6章 私はどのようにして反日から親日へ変わったのか
  幼い頃の「日本体験」との出逢い
  異文化間の壁を超えていく


韓国は「反日スパイラル」の悪循環に陥っていると著者はいう。

一つの反日がさらなる反日を呼び、歯止めが利かなくなっているのです。マスコミの反日報道によって国民の反日感情に火がつき、それに迎合しようと政治家などが反日パフォーマンスを繰り広げ、それをマスコミが扇情的に報じて国民の反日感情がますます高まる……といった具合です。(p.23)

告げ口外交と笑われた一連の朴槿恵大統領による外遊パフォーマンスが、まさに「反日スパイラル」を増長しているのは明らかだ。

著者は、韓国には反日とは反対の親日的言論の自由がないとして、自身の体験を紹介している。

著者は母親の葬儀と甥の結婚式出席のために訪韓した際に理由を告げられず「入国拒否」にあっている。さらに、シンポジウムでの「小さい頃からずっと従軍慰安婦という言葉は聞いたことがない」という発言を『韓国日報』が「従軍慰安婦はいなかったと主張した」とデタラメな記事にしたことで、その記事に基づいて韓国の国家安全企画部が身元調査と称して済州島の実家や親戚の家など回って、暗黙の脅しをかけたという。

続いて、『親日派のための弁明』の著者キム・ワンソプ、ソウル大学経済学部教授の李榮薫、高麗大学名誉教授の韓昇助といった知識人が、日本による植民地支配が韓国の近代化や経済発展に寄与したと発言したことで、社会から抹殺され断罪されたことが書かれている。

最近の韓国では、親日的な発言は徹底的に弾圧されるのだ。

こうした「親日言論」への言論弾圧は、金大中政権以降に厳しくなったという。それは、民間の研究者の一部に日本統治時代の歴史の見直しに取り組もうとする動きが出てきた時期だった。2002年当時、韓国では「国内親日派一掃のための過去精算」を軸とする「過去史真相究明」ブームが巻き起こっていた。

盧武鉉政権は南北統一に向けて国内法や政治政策を北朝鮮に近づけるための改革を進めた。その大きな柱となったのが「国内親日派の一掃」だった。北朝鮮では日本統治時代に親日的行為をした者は粛清されていたため、韓国でも同様に日本統治時代に親日的行為をした者を断罪すべきとした。

まず「日帝強占下強制動員被害真相究明等に関する特別法」(2004年3月5日)を制定し、続いて「日帝強占下親日反民族行為真相究明に関する特別法」(2004年3月22日制定)に基づいて、大統領直属の「新日反民族行為真相究明委員会」が25項目からなる「新日反民族行為」を規定し、親日嫌疑者を選定し「反民族行為者」をリスト化して公表した。公式に「売国奴」として社会的に断罪したのだ。

さらに、「新日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法」(2005年12月制定)によって、反民族行為者と判定された者の財産およびその子孫が受け継いだ財産を強制的に没収した。

これらの特別法は、新しく作った法律を過去に遡って適用しないという近代法の原則に反した「事後立法」である。近代国家ではありえない事後立法を盧武鉉が制定したのは、日本統治下で起きた問題は「人類社会の普遍的倫理」に反する問題だという立場だったからだ。軍事独裁時代の問題と日帝植民地支配の問題は、ともに反人類的な絶対悪であるから、「超法規」によって断罪すべきという考えだった。

つまり、「植民地化=絶対悪」というマルクス主義に由来する考えが支配的になるなかで、日本を肯定的に評価する発言は「親日派」というレッテルを貼られ、社会的に抹殺されることになったのだ。

著者は、こうした韓国の反日主義は、「民族主義と一体不可分の反日民族主義として形成されてきた」のであり、3つの要素があるという。(p.51)

1.日本民族特有の朝鮮侵略史観があり、今なお変わることがないとする歴史観
2.日本は中華世界秩序の周辺に位置する野蛮な夷族だという、伝統的な中華思想
3.祖先が受けた被害については、子孫はどこまでも恨み続け、罪を問い続けていくことが祖先への孝行だという儒教的な道徳観

韓国はいつまでも「謝罪と賠償」を求め続け、日本側は「謝罪済み」で賠償についても「解決済み」として「いつまで誤り続けなければならないのか」という苛立ちすら覚えている。韓国は日本に対して何を求めているのか。その真の目的を著者は以下のように書いている。

「植民地化をもたらした日本民族の侵略的で野蛮な資質」を「日本人に自覚させる」ことにあります。(p.53)

つまり、先に挙げた韓国の反日主義の3つの要素を日本に認めさせることにあるのだ。

韓国は日本が植民地支配を敷いたということそれ自体をもって反日を掲げているのではありません。日本の植民地支配は、日本民族に固有な歴史的性格、民族的な資質に由来する「韓民族に対する犯罪」だと断罪し、人々を反日民族主義へと組織したのです。(…)反日主義が問題としているのは、植民地支配それ自体ではありません。そうした事態を招いた「日本人の侵略的かつ野蛮な民族的資質」を問題としているのです。(p.91)

この点を理解しないと、韓国人から「いまだに反省していない」「謝罪が足りない」「竹島問題に絡んで韓国を侵略しようとしている」といった発言が出てくる理由がわからない、としている。

韓国人の間には、とくに知識人たちの間には、伝統的に根強い侮日観というものがあります。侮侮日観は、日本人を文化程度の低い侵略的で野蛮な夷族と蔑視するものです。これは中華主義に基づく華夷思想に由来しています。ここでの華は「文化・文明の中心地」を、夷は「文化果つる辺境の地」を意味しています。(p.92)

中華主義では、中華から文化的な距離があればあるほど野蛮とみなされたので、古代中国に隷属した朝鮮半島諸国にとって、日本は明らかに自らよりも劣った野蛮な夷族の地という認識なのだ。

韓国は35年間の韓国併合に関してはいまだに謝罪と賠償を要求するが、1000年に及ぶ中国の朝鮮半島支配と侵略、さらに朝鮮戦争における中国の侵略に関してはまったく問題になっていない。これは華夷思想による中華帝国への「事大主義」による。

庶民レベルでは「中国を父とし日本を弟とみなして、弟たる日本が兄たる韓国に不義を犯したことは許せない」という感覚だという。

「日本は自らよりも劣った野蛮な夷族の地という認識」で思い出されるのが、いわゆる「朝鮮起源説」である。剣道、生花、忍者、空手、漫画、折り紙、はては侍など、さまざまな日本文化に対して、韓国は朝鮮が起源であるという剽窃を世界に向けて発信している。むろんウソだから歴史資料などは一切提示できない。史料は秀吉の朝鮮出兵と日本統治下、朝鮮戦争で失われたと臆面もなく主張する。

れっきとした大学教授による起源説もあって呆れるばかりだが、これも「侮日」をキーワードにすると理解できる。

日本の優れた文化は、野蛮な夷族の日本人がオリジナルで生み出せるはずがない
  ↓
古代朝鮮人が日本人に教えてあげたものがオリジナルのはずである
  ↓
朝鮮が起源である

という妄想が、数々の朝鮮起源説を生み出しているのだ。

しかも、韓国には日本および日本人に対して差別的で失礼な態度をとっても許される、という風潮があるという。

韓国では、日本人を指して倭奴(ウエノム)や猪足(チョッパリ)という言葉は、ごく普通に使われるという。倭は、古代中国が古代日本人を「倭(ちび)」と呼んだことに由来し、猪足は日本人の履く足袋の形に由来する。

本書では、韓国人に特徴的な感情である「恨」についても詳しく解説している。恨は単なる「うらみ」ではなく、うまくいかない運命や境遇に対して未来への希望のために強く持とうとするのが「恨」だという。

恨は単なる恨みの情ではなく、達成したいこと、達成すべきことができない自分の内部に生まれるある種の「くやしさ」に発しています。それが具体的な対象をもたないときは、自分に対する「嘆き」として表され、具体的な対象をもつとそれがうらみとして表され、相手に激しく恨をぶつけることになっていくのです。(p.142)

さらに、韓国人の民族意識の核には、個々の血縁小集団の「血の一体性」を、そのまま国家規模に拡大させた「大血縁集団」を民族(国民)とする血統主義があるという。

民族が文化の同一性というよりは血の紐帯として感じられているため、韓国人の反日意識は一般に、強い身体生理的な感覚を伴っています。(p.149)

そのため、小説家に騙された朝日新聞のでっち上げ記事である「従軍慰安婦強制連行」に飛びき、根拠もなく信じたのは「生来の野蛮で侵略的な資質をもつ日本民族」が「民族の聖なる血の一体性を陵辱した」という神話が信じられたからだ、という。

「従軍慰安婦」問題は韓国人にとって、日本民族が「我が民族の聖なる血の一体性」の身体生理をストレートに陵辱した事件、まさしく民族の血そのものを汚した事件であり、心情的には最大の民族陵辱事件なのです。(p.150)

植民地化された他のアジア諸国には、旧宗主国に対して国民全体を覆う強固な反英主義や反仏主義、反オランダ主義は見られない。台湾にも強固な反日主義はない。しかし、韓国は旧態依然の反日民族主義の旗を降ろそうとしない。

独立を果たした以降は、もはや「反宗主国」とは別次元で民族のまとまりを生み出していく民族主義を盛り立てていかなくてはなりません。しかし、韓国はそれをせずに、上からの国家政策として反日主義を愛国の要とし、反日教育を通して権力の側から一方的に反日意識を国民に植え付けるという政策をとったのです。(p.65)

かつて韓国の高校の歴史教科書を偶然眼にしたことがあるが、「半万年に及ぶ歴史」を誇っているのに、全体の3分の1は韓国併合のたった35年間( 韓国では「37年間」と盛っていう)に割かれていて驚いたことがある。

終盤では、済州島に生まれ反日教育を受けた著者が、来日して日本と日本人の真の姿を知ることで、反日主義の呪縛から解かれるまでに5年も要したことが語られている。

幼い頃からの徹底した反日教育に加え、侮日観が根底にある韓国から、反日が消えるのは容易なことではないだろう。



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関連書籍
『日韓がタブーにする半島の歴史』室谷克美(新潮社新書 360)



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