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昼食難民の新書生活

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『物語の命題』大塚英志(アスキー新書 167)

物語の命題


『物語の命題』大塚英志(アスキー新書 167)


『キャラクターメーカー』『ストーリーメーカー』『映画式まんが家入門』に続く第4弾で、神戸芸術工科大学で教授を務める著者による、まんが表現学科での講義・ワークショップをまとめたもの。実は、キャラクターやストーリーよりも先に決定して置かなければならない「テーマ」をどうするか、という話である。

物語に何のテーマもないというのは味気ないが、テーマがあからさまだったり逆に意味不明だったりするのも困る。

かつて、ある女性作家の書いたミステリを読んでいて、事件を追っていた主人公のジャーナリストが中盤で突然殺されて呆然としたことがある。“恨み”がテーマの小説だったが、実はこのジャーナリストのモデルはこの作家の元不倫相手で、別れた恨みから小説の中で殺してしまったらしい。事情を知らないほとんど読者には主人公のジャーナリストが中盤で殺されることが斬新に感じるかもしれないが、実際には単に恨みを晴らしたかっただけらしい。しかもミステリの新人賞に応募して見事に大賞を受賞したうえに、映画化までされたので、彼女の恨みは解消されたかもしてない。

ところで本書の「序」では、本書をわざわざ「実用書」としているが、漫画家や脚本家、小説家を目指していなくても、十分に楽しめる内容となっている。というのも、漫画家志望の学生向けに行った「主題」を設定するための講義だが、漫画はもちろん、小説や映画といった「物語」の分析に役立つ内容となっている。

例えば、『ハリウッド脚本術』(ニール・D・ヒックス)からの引用でハリウッド映画的ストーリーの基本構造を紹介している。

 ①バックストーリー
 ②内的な欲求の提示
 ③キッカケとなる事件
 ④外的な目的の提示
 ⑤準備
 ⑥対立構造の明示
 ⑦自分をハッキリさせること
 ⑧オブセッション(周囲のキャラクターへの共感の広がり
 ⑨闘争
 ⑩解決

ハリウッド映画は、当初は頼りない主人公が成長していくような個人のアイデンティティの確立や回復というストーリーになっているが、ヒックスの物語構造は主人公がアイデンティティを獲得していく過程の段階を示している。これは、著者の『キャラクター小説の作り方』でも紹介されていたが、本書では物語を起動するための6つのテーマを解説している。

人造人間、転校生、水蛭子、タイムトラベラー、両性具有、移行対象の6つだが、確かにこうしたテーマを選択すれば、自動的に物語は起動するだろう。ありふれた日常からは、面白い物語は生まれないのだ。

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