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昼食難民の新書生活

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『日本語の深層―ことばの由来、心身のむかし』木村紀子(平凡社新書 570)

日本語の深層


『日本語の深層―ことばの由来、心身のむかし木村紀子(平凡社新書 570)

私たちが日々使っている身近な言葉の中に、長い時間を生き抜いて、古代をリアルに伝えているものがある、と著者は言う。

本書では前著『原始日本語のおもかげ』に引き続き、言葉の由来や変化について記紀や二十一代集、源氏・竹取・伊勢などの物語文学などを駆使して解説をしている。

取り上げている言葉の選択にどんのような基準があったのかはわからない。しかし、「はしがき」には、土に埋れていた遺物や遺跡は「魂の失せた亡骸」だが、言葉は「幾百・幾千万の人々の息づかいや、思いや行いや、感性や感覚さえもがまつわり、今に至っているとして、それを「今も誰もがふと口にすることばで、確認してみたい」と書いている。

序章と終章を加えると12章あるが、章立てにはあまり意味が無い。各章でそれぞれいくつかの言葉の深層・原始にさかのぼり、その変遷を解き明かそうとしている。取り上げている言葉は、どれも縄文時代以来の古い言葉である和語。だから当然、ヤマト言葉以前ということになる。

どの項も面白い。この面白いのオモとは顔(カオ)のことであるがカオを意味する言葉に、オモのほかにツラがある。二章「オモざし・カオだち・ツラがまえ」では、3つの言葉の起源を解き明かし、用法の使い分けに残る歴史を解説している。

また、九章の「ケハヒ(気配)とオト」では、「ケハヒ」を詳説していてとても興味深い。
ケハヒは、ヨワイ(齢)やワザワイ(禍)と同様に「ケワイ」と発音されたこともあったが、現在は古語の発音の一部が定着し「ケハイ」となっている。

これらの言葉に共通するワイの発音の元はハヒであり「ハフ(延フ)」のことであるという。葛の蔓などが延び広がること、あたり一面に広がることを意味している。「さき(幸)・ハヒ」「い(斎)・ハヒ」「にぎ(饒)・ハヒ」「なり(生)・ハヒ」など、語幹の意味する呪力が、盛んに「延(は)ふ」ことだという。「いはひ」は現代語では「祝い」と書くが本来は「斎(イ)」という霊的な力が延(は)い広がるように念じる意味だったし、「賑わい」は「饒(にぎ)」という「多い。ゆたかなこと」が延(は)い広がることだったのだ。

こうした古代語由来の言葉は、著者の言うように遺物や遺跡と違って、この国に住む人々にずっと使われ続け、息づかいや思いがまつわりついているのだ。


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