TOP > スポンサー広告 > 『生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る』高井研(幻冬舎新書 197)TOP > 新書 > 『生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る』高井研(幻冬舎新書 197)

昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る』高井研(幻冬舎新書 197)

生命はなぜうまれたのか


『生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る高井研(幻冬舎新書 197)


「生命の起源」といえば、かつてはアメリカの科学者スタンリー・ミラーによる「ミラーの実験」が有名だった。水を沸騰させてメタン・アンモニア・水素からなる原始大気に放電し、タンパク質のもととなるアミノ酸を合成することに成功したからだ。しかし、その後の地球物理学の進展で原始地球にはメタンやアンモニアは存在しなかったことが判明したため、その研究は過去のものとなっている。では、いかにして地球に生命は誕生したのか。その謎に迫っているのが深海熱水活動域における生物の研究である。

著者は、独立行政法人海洋研究開発機構の深海・地殻内生物圏研究プログラムプログラムディレクターを務める地球微生物学者。地球生物学者や宇宙生物学者とも名乗っている。有人潜水調査船「しんかい6500」でインド洋などの深海に潜って深海熱水活動域の生命を調査・研究している。

メタン菌・高度好塩菌・好熱好酸菌・超好熱菌などのアーキア(古細菌)は、rRNAが細菌と真核生物の中間にある共通祖先であり、こうしたアーキアが現在でも多く存在する深海熱水活動域は、原始地球で生命が誕生した場所だというのだ。

著者は、40億年前に最初の生命が深海熱水活動域で生まれた理由として次の5つを挙げている。

1.原始地球の地表は、酸素やオゾンがなく有害な放射線が降り注ぐ死の世界だった
2.隕石衝突の衝撃で、海には多種多様な有機物が生まれていた
3.地球最古の生物の痕跡が残る38億年前の地層は、深海底で形成された
4.深海には、熱水に含まれる水素と海中の二酸化炭素という、安定して供給されるエネルギー源が存在した
5.深海には光合成を必要としない微生物が、現在も存在している

「しんかい6500」を武器に、著者は「太陽のエネルギーや光合成由来の分子状酸素にまったく依存しないハイパースライム(HyperSLiME:Hyperthermophilic Subsurface Lithoautotrophic Microbial Ecosystem。超好熱地殻内化学合成独立栄養微生物生態系)」をインド洋の深海熱水活動域において発見し、40億年前の地球にそのハイパースライムが存在したとする「UltraH3(ウルトラエイチキューブ)リンケージ仮説」を提唱している。ハイパースライムとかウルトラエイチキューブって名前だけでも凄そうだが、実際に地球生物学では世界をリードする研究者なのだ。

しかし、本書のタイトルである「生命はなぜ生まれたのか」という謎はまだ解き明かされていない。深海熱水活動域で無数の「一発屋生物」が生まれたとして、自己複製能はいかにして獲得されたのかについて本書では軽く触れているだけである。DNAやRNAなしには生命と呼べない。

細胞というコンピュータのハードウエアが偶然できたとしても、OSやプログラムであるゲノムがいかにして誕生して自己複製を始めたのかを解明しなければ、生命の謎は明らかにならないからだ。


関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://pasage.blog43.fc2.com/tb.php/1168-2f70effa

 | HOME | 









ブログランキングに参加中です

リンク

お気に入りに追加
このブログをリンクに追加する

最近の記事

にほんブログ村ランキング

ブログ内検索

Loading

カテゴリー


全記事一覧(500件ごと)

カレンダー+月別アーカイブ

ケータイ版URL

QRコード

RSSフィード

プロフィール

pasage

Author:pasage
昼食時は「難民」と化して「新書」を片手に、都内各地を彷徨っています。

FC2Ad

Template by たけやん

QLOOKアクセス解析

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。