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『IPS細胞―世紀の発見が医療を変える』八代嘉美(平凡社新書 431)

iPS細胞

『IPS細胞―世紀の発見が医療を変える八代嘉美(平凡社新書 431)

2007年11月21日、「ヒトの皮膚から万能細胞」という見出しが新聞各紙を飾った。京都大学山中伸弥教授が、山中ファクターと呼ばれる4つの遺伝子を使い、iPS細胞(人工多能性幹細胞:induced Pluripoten Stem cell)を作製する技術を開発したというニュースだった。数日後には「文部科学省が今後5年で70億円を投入」「ブッシュ米大統領やローマ法王庁が歓迎のコメントを発表」と、山中教授の研究が世界的な大発見であることを意味するニュースが続いた。

山中教授の業績は、数十年前の日本だったら「ノーベル賞もの」と大騒ぎになっただろう。しかし、一介のサラリーマンでもノーベル賞を受賞できることが証明され、日本人のノーベル賞受賞者数もよくわからないほど多くなってしまった現在では、国民的な関心事というまでにはならなかったようだ。

ところが、数年前の韓国では黄禹錫ソウル大学校教授によるクローンES細胞(ヒト胚性幹細胞:Embryonic Sem Cell)の作製成功のニュースに、国全体が沸き立っていた。韓国からはノーベル賞受賞者がまだ出ていないため「ノーベル賞受賞へ」とマスコミは書き立て、黄教授の巨大な石像が作られたりもした。ところが、共同研究者からの告発で未受精卵の入手方法に倫理的な問題があることが明らかになった。それでも、脊髄損傷や先天性免疫不全の患者などからは黄教授を擁護する声が上がっていた。ES細胞は、再生医療の切り札になると考えられていたからだ。しかし、その後、黄教授の研究成果そのものが捏造であることが明らかになり、ノーベル賞はもちろん研究者としてもの地位も失ってしまった。

トカゲはしっぽが切れてもまた生えてくるので、敵に遭遇するとしっぽを切って逃げる。イモリは手足を切り落としても、しばらくすると再び生えて来る。しかし、ヒトにはもちろんそうした性質はない。それは、われわれには細胞を複製する能力しかないからだ。しかし、われわれ人間の身体は60兆も細胞からできているが、始まりは受精卵1個である。たった1個の細胞が胚になり、脳をはじめ身体を構成するさまざまな細胞に分化するからである。この分化する能力は個体発生の早い時期に失われてしまう。

ES細胞やiPS細胞の作製が世界に衝撃を与えたのは、胚と同じように分化する能力があるからだ。つまり、再生医療の可能性が見えてきたからである。しかも、iPS細胞は自分の皮膚から作製できるので、肝臓などの臓器を作って移植しても拒否反応を心配する必要はないのである。

本書は、日本政府による支援や特許争いの可能性など、その後もたびたび新聞記事になっているiPS細胞と再生医療の可能性について、「なぜiPS細胞は革命的なのか?」「万能細胞といわれるのはなぜか?」「再生医療の研究はどこまで進んでいるのか?」など帯に書かれた惹句の通りとても丁寧に解説している。

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