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昼食難民の新書生活

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『物語 食の文化―美味い話、味な知識』北岡正三郎(中公新書 2117)

物語 食の文化


『物語 食の文化―美味い話、味な知識北岡正三郎(中公新書 2117)


タイトルに「物語」とあるが、食にまつわる面白いストーリーが書かれているわけではない。特に、さまざまな食材について書いた「第Ⅰ部 たべもの・のみもの」は、誰でも知っているような食材の起源や現状について延々と書かれている。最初は「知っている、知っている」とツッコミを入れながら読んでいたが、途中で馬鹿らしくなって斜め読みになった。ところどころに、統計データがあるのでその部分は面白い。

・江戸時代直前の文禄元年(1592)のコメ収穫量は約1800万石(270万トン)であったが、明治4年(1871)には3100万石(465万トン)と約1.7倍に増加している。1石を150キロと換算。(p.13)
・10アールあたりのコメ収穫量は、奈良時代約100キロ、江戸時代約180キロ、現在は約520キロ。(p.13)
・日本人のコメ消費量は、昭和37年の1人118キロ/年をピークに、最近は60キロを切るまでに減少した。
・トウモロコシの収穫量は小麦の数十倍
・フランスでは1900年に1人600グラム/日のパンを食べたが、1950年には300グラムに減少し、現在では150グラムを割っている。(p.33)

とはいえ、食に関して「広く浅く」書かれているので、料理学校の教科書にでもするつもりだったのだろうか。

第Ⅱ部の「料理・食事・食文化小史」では、調理法や食事の仕方、日本・中国・西洋の食の歴史が書かれている。

「江南は悪食で有名で猫、蛇、蛙、蠍などをよく食べる」「中国人のテーブルマナーは以前は上層階級でも不作法で有名であった」といった記述もある。1925年生まれという高齢のせいもあるだろうが、著者は食の研究者とは思えない偏見の持ち主なのだ。人々はそれぞれの環境で得られる生物を食料としてきたのであり、自分が食べたことのないものを「悪食」と切って捨てるのは、研究者としての限界を自ら吐露しているとしかいいようがない。それに、食事の作法はそれぞれの地域によって異なるので、かつての中国人の食べ方を他の地域の基準で「不作法」と決め付けるのは、異文化を理解しようという興味がないことを示している。

帯に書かれている「やっぱりたべものが一番面白い」は真理だが、残念ながら本書はまったく面白くない。

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