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昼食難民の新書生活

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『現代文明論講義―ニヒリズムをめぐる京大生との対話』佐伯啓思(ちくま新書 910)

現代文明論講義


『現代文明論講義―ニヒリズムをめぐる京大生との対話佐伯啓思(ちくま新書 910)

本書は、現代文明を蝕むニヒリズムをどのように理解し、そこから前に進む手立てはあるのか、というテーマで、京都大学1回生を対象に8回にわたって実施された講義録である。

原稿を依頼してもなかなか執筆してもらえない場合、対談や大学の講義をテープ起こしすれば、ゼロから執筆するのに比べ、著者の心理的な負担も少ないから容易に同意する、という安易な発想から出版される対談録や講義録が増えている。

本書も「サンデル教授の白熱教室」の向こうを張ったわけではないと言い訳をしているが、原稿依頼に対してサンダルを履いて「サンダル教授の発熱授業」と言った冗談から生まれた講義録である。

そんな先入観はともかく、冒頭でニーチェを紹介しているが、これまで読んだ凡百の入門書の解説はなんだったのだろうかと思えるほど、簡潔で明快にニーチェのニヒリズム思想を解き明かしている。

我々が最高のものとして信じてきた諸価値として社会的に同意してきた価値がじつは『下賎なもの』とわかったとき、それらは一挙に無意味になるというのです。(p.16)

難解なはずの思想があまりに端的に解説されているので驚くばかりだ。目次を紹介すると、

第1講 現代文明の病―ニヒリズムとは何か
第2講 なぜ人を殺してはいけないのか―自由と規範をめぐる討議1
第3講 沈みゆくボートで誰が犠牲になるべきか―自由と規範をめぐる討議2
第4講 民主党政権はなぜ失敗したのか―民主主義をめぐる討議1
第5講 政治家の嘘は許されるか―民主主義をめぐる討議2
第6講 尖閣諸島は自衛できるか―「国を守ること」をめぐる討議
第7講 主権者とは誰か―憲法をめぐる討議
第8講 ニヒリズムを乗り越える―日本思想のもつ可能性


本書では、「自由」や「民主主義」、「生命尊重」といった概念を軸に、現代の日本を深いニヒリズムへと追いやっている「与えられた憲法」「米軍に依存した安全保障」「戦後民主主義」といった日本の置かれた構造を論じている。

論じるに当たって、冒頭のニーチェはもちろん、プラトンのイデア論からカントの倫理学、ホッブスの契約論、親鸞の悪人正機説、西田幾多郎の無の哲学など、さまざまな思想家を紹介しており、社会思想史の講義にもなっている。


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