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昼食難民の新書生活

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『飛鳥の都―シリーズ日本古代史③』吉川真司(岩波新書 1273)

飛鳥の都


『飛鳥の都―シリーズ日本古代史③吉川真司(岩波新書 1273)

7世紀には、聖徳太子の登場・大化改新・白村江の戦い・壬申の乱など重要な出来事が次々に起こっている。倭国から中央集権国家の「日本」へと変貌を遂げた時代である。

唐の拡大戦略は、遠く離れた日本列島もその射程に入っていた。朝鮮半島は高句麗・百済・新羅の三国が拮抗していたが、唐はまず高句麗を滅ぼし、続いて百済を滅亡させた。その時、百済の求めに応じて援軍を送った倭は、白村江の海戦で壊滅的な被害を受ける。これに驚いた天智天皇は、飛鳥から大津京へと遷都する。また、防御を固めるため、北九州から瀬戸内海にかけて数多くの古代山城(本書では朝鮮式山城)が作られた。

天智天皇が厳しい状況のなかで構築した国家体制を、平時に相応しいものに組み直すことが、天武天皇の課題となった。(p.158)

本書は、東アジアからさらに視野をひろげて、アジア・ユーラシア世界の中における日本という視点で書かれているところが、これまでの歴史書と違う点だろう。

また、律令を備えた(当時の)近代国家として唐(つまり世界)に見くびられない体制を整えようとした過程も明らかにされる。特に、近江令に関しては1章を立てて詳述している。『日本書紀』には近江令制定の記事はないために非存在説もあるが、著者は存在説に立っており、「国家」の体裁を整えることになった最初の法典として高く評価する立場である。

また、「庚午(こうご)の年籍」と「庚寅(こういん)の年籍」といった戸籍制度についても、国家が「個人」を把握する上で重要であったことが書かれている。しかし、本書では政治的な動きを追うばかりで、国家を構成していた「庶民」についてはほとんど触れられていないのは、これまでの類書と同様だ。史料が少ないためでもあるが、著者の興味の対象ではないということだろう。

歴史を論述するにあたって、天皇や貴族の動向だけで済ましている点に不満が残った。



『農耕社会の成立―シリーズ日本古代史①』
『ヤマト王権―シリーズ日本古代史②』
『平城京の時代-シリーズ日本古代史④』
『平安京遷都―シリーズ日本古代史⑤』
『摂関政治―シリーズ日本古代史⑥』


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