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『平城京の時代-シリーズ日本古代史④』坂上康俊(岩波新書 1274)

平城京の時代


『平城京の時代-シリーズ日本古代史④坂上康俊(岩波新書 1274)

本書では、平城京の時代を697年の文武天皇即位からとしている。古代日本政府が編纂した六国史の2番目の歴史書である『続日本紀』が、文武天皇の治世から始まっているからである。そもそもは『日本書紀』が、持統天皇までを期しているから、必然的に『続日本紀』は文武天皇即位から始まっている。

8世紀の日本は、大宝律令の制定によって国のすみずみにまで統制するようになり、藤原京から平成遷都、記紀の編纂と、唐を手本とした体制へと移行し、古代国家から律令国家と変貌する時代だった。それは、中央集権による臨戦態勢が、唐や新羅の軍事的脅威に対抗するために必要だったからだ。

律令制の定義として、中央集権的官僚制、戸籍・計帳による個別人身把握、班田収授制、租庸調を中心とする負担体系、良賤の身分制、軍団兵士制を柱とする支配体制とされる。著者は、必ずしもこれらの条件が相伴わなければならないわけではない、としている。

本書は、まず「律令国家の成立」(第一章)の経緯を解説し、大宝令が目指した「国家と社会の仕組み」(第二章)を具体的に紹介し、「平城遷都」(第三章)、疫病の大流行と長屋の王の怨霊からの鎮護国家を願った「聖武天皇と仏教」(第四章)、藤原氏による天皇家への浸透による皇統の変遷、地方の神々を収奪して天皇を唯一の神祇官とする体制を作った記紀の編纂を描く「古代社会の黄昏」(第五章)という構成で、8世紀の日本を幅広く重層的に描き出している。

例えば、奈良の大仏を建立し、仏教に深く帰依した天皇として描かれていた聖武天皇が、意味不明な遷都を繰り返して庶民を苦し埋めた無能な支配者でしかなかったことが浮き彫りにされる。

本書は、天皇家や藤原氏の政権奪取闘争の歴史ではなく、豊富な史料を駆使して、さまざまな視点から「平城京の時代」を描き出している。200ページ足らずの本文に、政治・経済・法律・軍事・外交・宗教・文芸・都市計画など広範にわたって濃密に紹介されている。とてつもない力技というほかはない。



『農耕社会の成立―シリーズ日本古代史①』
『ヤマト王権―シリーズ日本古代史②』
『飛鳥の都―シリーズ日本古代史③』
『平安京遷都―シリーズ日本古代史⑤』
『摂関政治―シリーズ日本古代史⑥』


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