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『無料ビジネスの時代―消費不況に立ち向かう価格戦略』吉本佳生(ちくま新書 924)

無料ビジネスの時代


『無料ビジネスの時代―消費不況に立ち向かう価格戦略吉本佳生(ちくま新書 924)


本書は、古くて新しいとされる無料ビジネスについて、経済社会的な背景に注目しながら、なぜ無料ビジネスが流行する(求められる)ようになったのか? という「動機」に迫ろうとしている。

まず、マクドナルドの「コーヒー1杯無料」と、ミスタードーナッツの「コーヒーお代り無料」の違いから無料ビジネスについて解き明かしていく。著者は、マクドナルド方式の「最初は商品に対する支払いをゼロ円(無料)に設定し、全体としては利益拡大を目指すビジネス手法」を無料ビジネスと定義する。

続いて、共同購入型クーポンと飲食店のビール1杯無料のような無料ビジネスのどちらが生き残るのかを検討している。共同購入型クーポンは運営会社への手数料が20~50%と高率であり、消費者が実際にクーポンを使用する期日まで代金を受け取れないという極めて不利な契約条件になっているという。通常よりも50%OFFの食事券クーポンの場合、出店する飲食店が手にするのは通常価格の25%となるので一般的な仕入れコストの3割を割り込んで赤字になってしまう。この実態を知れば、極端な割引クーポンでまともな料理が提供されるはずはない、と消費者が判断するのは当然のことだ。

さらに、運営会社からは出店企業が最も入手したい顧客情報を提供されないというメリットの少ないビジネスモデルであることが明らかにされる。儲かるのは運営会社だけなのだ。楽天市場が始まった頃の「儲かるのは楽天だけ」という状況のようだ。著者は、共同購入型クーポンについて否定的に考えている。

続いて、東京デズニーランド(TDL)とユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の料金設定について考察している。2つのテーマパークは、遠方から来る客に対しては値上げをして、近隣の客に対しては年間パスを値下げするという価格の2重制度を導入している。また、アトラクションを無料にしながら、USJは待ち時間短縮チケットを有料で販売するなど顧客満足度を向上させる仕組みを作っている。TDLは、待ち時間短縮チケットは無料だが手分けして入手できる仕組みを作り家族などのグループに有利にしている。

携帯電話の初期負担ゼロ円販売と無料ゲームについて、個別採算型と総合採算型の無料ビジネスについてそれぞれの仕組みを明らかにしている。

著者が明らかにしている無料ビジネスの仕組みは、

無料ビジネス=最初はゼロ円+利益追求=
値引+販売促進+個人向け(ローン型/株式型)ファイナンス機能

ということである。

著者は、無料ビジネスが流行っている理由を消費不況に立ち向かう価格戦略の1つとして採り入れられていることを明らかにしている。つまり、落ち込んだ消費を惹起するため顧客情報を活用して購買意欲があってもお金のない値引効果の大きな顧客に、戦略的な値引(ゼロ円)で価格差別をするとともに、ローン型や株式型の個人向けファイナンス機能による販売促進を行っているのだ。


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