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昼食難民の新書生活

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『すべての経済はバブルに通じる』小幡積(光文社新書 363)

すべての経済はバブルに通

『すべての経済はバブルに通じる』小幡積(光文社新書 363)

著者は、「資本主義の本質はねずみ講」だという。経済が発展し続けるには新たな買い手が必要であり、その膨張プロセスが永遠に続くことはないというのだ。膨張がストップすればバブルが崩壊する。だから、『すべての経済はバブルに通じる』という表題になるのだが、本書で紹介しているのは「すべての経済」ではなく、金融バブル崩壊に関してである。第4章から第6章まで全ページのほぼ半分が、2007年2月の上海発世界同時株安や2007年8月のサブプライムショックを詳しく説明している。2008年9月以降に起こった世界同時株安と急激な円高よりもマイルドだが、バブル崩壊のプロセスは同じだ。

まともな金融機関からは相手にされない低所得者を対象としたサブプライムローンが証券化されたことで、低所得者を相手にしなかった金融機関までもがその証券を購入し、投機の対象として高騰するという馬鹿げた事態を招いたのは金融バブルだった。当然のことながら、不動産価格の上昇がストップした途端にサブプライム関連証券化商品の価格は暴落した。

著者によれば、1929年から始まった「世界恐慌」に匹敵する大混乱を巻き起こしているのは、投資家が「儲かれば何でもよい」という下品で身も蓋もない投資の論理に忠実に従っただけだという。高いリターンを出さなければ、ファンドマネージャーとしての死活問題になるからリスクを承知でサブプライム関連証券化商品のような「ジャンク」にも手を出すことになる。リスクこそが金儲けのチャンスだからである。投資家が殺到することでリスクがリスクでなくなり、さらに投資家を呼び込んでバブルとなる。これを著者は「リスクテイクバブル」と名付けている。

赤信号でもみんなで渡れば怖くないと投資家がリスクに殺到し、ハンカチ落としやトランプのババ抜きのように最後に引いた者が損をする、ということらしい。

実体経済とはまったくリンクしない金融経済が、実体経済を脅かすまでになったのは、楽して儲けることが出来るからである。1000億円の投資で工場を新設するよりも、同じ1000億円を金融商品に投資した方が安全で儲かると考える投資家が多いから、金は実体経済に流れず、ますます金融商品に流れ込むことになる。

工業生産という産業では日本に到底叶わないと判断したときに、フランスやイタリアなどのヨーロッパの国々はブランド品という付加価値商品を無知で見栄っ張りな日本人に売りつけることにした。中国で生産したナイロンバッグにブランドのタグを貼り付けただけという粗悪品だが、これはまだ「現実」の商品だ。ところが、アメリカは世界一の工業国でなくなったときに、失業したロケットサイエンティストたちが生み出した金融工学というマジックで金融商品という「仮定」を商品化し世界中に売ることにした。あくまで「仮定」だから「現実」を超えることはできない。それでもそのツケを払わされるのは、借金をした当人ではなく、「仮定」に投資した金融機関を利用している人々なのである。

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