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昼食難民の新書生活

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『愛国と憂国と売国』鈴木邦男(集英社新書 0617B)

愛国と憂国と売国


『愛国と憂国と売国』鈴木邦男(集英社新書 0617B)

本書は、ウェブマガジンの「マガジン9」に連載中の「鈴木邦男の愛国問答」をフリー編集者の鈴木耕が再構成したもの。鈴木が「勝手気儘に書いた」記事を一旦バラバラに分解して、いくつもの記事を組み合わせたものだという。

鈴木は三島由紀夫の思想を受け継ぐ一水会の元代表で顧問。テロルを是認する武闘派として知られていたが、本書を読むと鈴木の立ち位置は変化しているようだ。

例えば、多くの右翼は反共の立場から親米派だが、鈴木は反米である。占領軍によって与えられた日本国憲法に反対する改憲派かと思いきや、護憲派であるという。さらに、憲法9条を変えるべきではないと主張している。

それどころか、日本国憲法を廃止して大日本国憲法に戻すくらいならば、聖徳太子が作ったとされる十九条の憲法で良いのではないかという。

本書で鈴木が繰り返し書いているのは、日本国憲法第9条の堅持である。

第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
二、前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


20万人を超える隊員を擁し、軍事費ランキングではインドやイタリアよりも多く世界第7位の自衛隊は、諸外国から見たら軍隊以外の何者でもないだろう。竹島を不法占拠している韓国はともかく、中国やロシア、北朝鮮といった他国への侵略を躊躇しない国々と国境を接している日本が、自衛のための武力を持たないというのはあまりにも脳天気すぎる。戦争の放棄は当然としても、国際紛争の解決手段として武力を放棄するのはありえないだろう。

軍隊は持たないことになっているから、警察予備隊と呼び自衛隊と呼んできたが、諸外国の軍隊と違うのは自衛隊内部にミリタリーポリスや軍事裁判所といった司法機構を有していない点だけだ。

鈴木が9条を守ろうとしているのは、徴兵制・核武装・海外派兵に反対しているからだ。国を守ることを義務化するのは愛国に反するから徴兵制に反対しており、核武装は自主防衛につながらないとしている。

そして、護憲派右翼として、

「自由のない自主憲法」よりは、「自由のある〝押しつけ憲法〟」を選択したい。(p.19)

としている。

中盤では、生長の家学生部に所属した青年時代から早稲田大学時代、産経新聞入社などについての自伝的な記述もある。さらに、右翼活動家の野村秋介や弁護士の遠藤誠、川内康範、井上ひさし、雨宮処凛といった右翼左翼を問わない人々との交遊録もあって鈴木の人脈の幅広さ・度量の大きさをうかがわせる。

最終章では、三島由紀夫の主張を数々の著作を引用しながらその思想の先見性を紹介しているが、それは三島が自衛隊を再編して国連警察予備軍と国土防衛軍に編成することを主張していた点、日米安保体制からの脱却と自主防衛を主張していた点である。


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