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『摂関政治―シリーズ日本古代史⑥』古瀬奈津子(岩波新書 1276)

摂関政治


『摂関政治―シリーズ日本古代史⑥古瀬奈津子(岩波新書 1276)


『日本書紀』『続日本紀』『日本後紀』『続日本後紀』『日本文徳天皇実録』『日本三代実録』。この6つを「六国史」という。国家事業として編纂された正史であり、神代から光孝天皇まで(西暦887年)までが編年体で記されている。

古代から平安前期まではこの六国史を史料の中心に据えれば良いが、光孝天皇以降は正史がないため、貴族の日記や手紙、寺社の記録といったさまざまな史料を参照しながら歴史を再現しなければならない。そのため、本書が扱う摂関政治についての研究が盛んになったのは、日記や手紙などが刊行されるようになった1970年代以降であるという。

本書は、藤原道長の日記『御堂関白記』や藤原実資の日記『小右記』、手紙の範例集である『高山寺本古往来』、『明衡往来』といった往来物などさまざまな史料をもとに、摂関期の政治や社会を解き明かしている。

858年に清和天皇が9歳で即位したことが、摂関政治の始まりだった。清和天皇の外戚である藤原良房が摂政となった。

摂関期には、幼帝が元服するまで政治を摂り行う摂政、元服後の天皇を輔弼する関白、天皇への奏上と天皇からの仰せをあらかじめ覧る「内覧」という官職が作られたが、職員令に規定されない令外官だった。

円融天皇の時、元服後も兼通、頼忠と続けて関白に補任されたことが、天皇が元服するまでは摂政、元服後は関白を置くという摂関常置への道筋をかためたということができるのではないだろうか。(p.20)

その後、藤原道長は太政官や公卿といった律令制の政治の中枢を越える存在として摂関の権力を高め、天皇との外戚関係を結ぶことで藤原家へ権力が集中する仕組みを作り出していく。

天皇制を前提として、摂関が政治の実権を握る仕組みは、院政期の院、鎌倉時代や室町時代、江戸時代の征夷大将軍、明治以降の内閣総理大臣へと受け継がれることになる。本書では、道長が外戚政策によって天皇制を維持しながら骨抜きにしていく詳細が説明される。

また、内裏や清涼殿における公卿や殿上人の生活といった興味深い歴史も紹介される。『源氏物語』に登場した女性たちの名前が、内裏に建設されていた建物の名前だったことに改めて気付かされた。

さらに、荘園制度や国司・受領による租税徴収など地方の歴史、遣唐使廃止後も僧侶たちや商人たちによって宋との国際関係が保たれたこと、末法思想についても詳細に解説されている。



『農耕社会の成立―シリーズ日本古代史①』
『ヤマト王権―シリーズ日本古代史②』
『飛鳥の都―シリーズ日本古代史③』
『平城京の時代-シリーズ日本古代史④』
『平安京遷都―シリーズ日本古代史⑤』



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二重権力構造の始まり:摂関政治

摂関政治〈シリーズ 日本古代史 6〉 (岩波新書)作者: 古瀬 奈津子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/12/21メディア: 新書 岩波新書の歴史物。私は専門ではないので、正確性は判断でき

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