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昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

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『クスクスの謎―人と人をつなげる粒パスタの魅力』にしむらじゅんこ(平凡社新書 623)

クスクスの謎


『クスクスの謎―人と人をつなげる粒パスタの魅力にしむらじゅんこ(平凡社新書 623)


クスクスは謎だらけの食品らしい。残念ながらこれまで数回しか口にしたことがないが……。

本書は、翻訳家である著者が、フランス留学時代の生活を支えたクスクスの謎に迫りその魅力を語り尽くしている。

クスクスが著者の生活を支えたのは、クスクスが1980年代からパリのカフェで定番料理になったことによる。現在では、クスクスはフランス人がビストロで食べたい料理の第2位になり、〈国民食〉と呼ばれるまでになっているという。

クスクスといえばモロッコなど北アフリカの主食という知識しかなかったが、フランスやイタリアだけではなく、中央アフリカはもちろんアメリカやブラジルなど大西洋を渡った先でも人気の食材として脚光を浴びているという。その原料も、デュラム小麦などの硬質小麦から、トウモロコシ、キャッサバ澱粉、大麦、ヒエ(トウジンビエ)、イネ科植物などさまざまだ。

クスクスが1980年代からフランスで流行り始めたのは、カフェやビストロのオーナーがそれまでのオーヴェルニュ地方出身者から、アルジェリアの出身のカビリー人(ベルベル族の一派で金髪青眼も少なくない)に取って代わったからだという。

しかし、驚くべきことにフランスにおけるクスクスの歴史は少なくとも16世紀まで遡ることができるという。読んだのに覚えていなかったが、ラブレーの『パンタグリュエル』に「モーア風蒸団子」として登場しているという。

13世紀頃のマリーン朝のトゥジービーが著した料理書『食卓の秀逸』には、クスクスを含めた、当時食べられていた5種類のパスタが紹介され、イベリア半島ではクスクスは誰でも知っている料理とされている。ところが、イベリア半島ではレコンキスタに伴う異端審判によって、豚肉を食べるかどうかという「踏み絵」とともにイスラム臭のあるクスクスは根絶させられてしまう。パンを食べるのが正しいキリスト教徒であり、クスクスやパスタを食べることは隠れスラム教徒・隠れユダヤ教徒と見做されたからではないかと著者は推定している。

イタリアでもパスタはイスラムがもたらしたものであるという認識があったという。しかし、法王庁のお膝元であったためにイベリア半島のような極端な異端審判には合わずに済んだのである。

パン・パスタ・クスクスという小麦粉由来の食料は、歴史のはざまの中で受容と衰退が繰り返えされたのだ。

さらに、北アフリカのマグレブ地方では、クスクスは単なる主食としてだけではなく、薬膳料理としてさまざまな治療効果のあるレシピがあるという。

後半では、各地でのクスクス料理を紹介するとともに、冠婚葬祭で食べられ神と共食する特別な地位を占めている食材であることも紹介している。


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