TOP > スポンサー広告 > 『人間とはどういう生物か―心・脳・意識のふしぎを解く』石川幹人(ちくま新書 942)TOP > 新書 > 『人間とはどういう生物か―心・脳・意識のふしぎを解く』石川幹人(ちくま新書 942)

昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『人間とはどういう生物か―心・脳・意識のふしぎを解く』石川幹人(ちくま新書 942)

人間とはどういう生物か


『人間とはどういう生物か―心・脳・意識のふしぎを解く石川幹人(ちくま新書 942)


本書の前半では、著者が人工知能の開発に携わった経験から、人間がもつ知能をコンピュータで実現することの難しさを語っている。

例えば、将棋で次の指し手として20手を読むとして、100手で勝敗が決まるとすると、コンピュータで処理するには20の100乗の指し手を読まなければならないことになる。

これがどれだけ膨大な数字になるか。1.26×10の130乗だ。1秒間に1億回処理できるコンピュータを1億台並べて3年間動かしても、10の32乗にすぎない。すべての指し手を調べるのに300億の32乗年が必要になるという。宇宙の歴史は137億年なので、とてつもなく膨大な数字になる。

そこで、ボナンザなどの将棋ソフトでは、有効な指し手にはポイントを与えて無駄な手を計算しないようにするのだが、ポイントを与えるのは人間なので、羽生善治名人のような天才にはかなわない。

また、自動翻訳が同様に成功しないのも、コンピュータには「意味」がわからないからだ。単語の置き換えはできても、「これ」「それ」「あれ」「どれ」といった指示語がどの言葉を指すのかコンピュータにはわからない。人工知能が完成しないのもコンピュータには「意味」が理解できないからだ。

後半では、ポランニーの暗黙知理論によって、心と意識を解明しようとしている。さらに著者は、栗本慎一郎の『生命と意味』やジョンジョー・マクファデンの『量子進化』から発想を得て、進化の仕組みを量子論の量子過程で説明しようとしている。キリンの首が遺伝子によって長くなったとしても、それだけでは不十分で、心臓のポンプ機能を向上させる遺伝子・血管を丈夫にする遺伝子・重心を下にする遺伝子・脚を丈夫にする遺伝子など、さまざまな遺伝子が同時に突然変異しなければならないことになったおり、確率的に極めて低いことになる。

著者は、トランスポゾンが複数の遺伝情報を重ねあわせて伝えることで、突然変異を効率的に進められるとしている。もちろん、まだ粗い仮説の段階であり、生物進化が量子過程で効果的に進むかどうかの関係もわかりにくい。専門領域に固執しない学者の自由な発想による試論ということだろうか。



関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://pasage.blog43.fc2.com/tb.php/1477-eed246ba

 | HOME | 









ブログランキングに参加中です

リンク

お気に入りに追加
このブログをリンクに追加する

最近の記事

にほんブログ村ランキング

ブログ内検索

Loading

カテゴリー


全記事一覧(500件ごと)

カレンダー+月別アーカイブ

ケータイ版URL

QRコード

RSSフィード

プロフィール

pasage

Author:pasage
昼食時は「難民」と化して「新書」を片手に、都内各地を彷徨っています。

FC2Ad

Template by たけやん

QLOOKアクセス解析

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。