TOP > スポンサー広告 > 『ロマン派の交響曲』金 聖響+玉木 正之(講談社現代新書 1990)TOP > 新書 > 『ロマン派の交響曲』金 聖響+玉木 正之(講談社現代新書 1990)

昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『ロマン派の交響曲』金 聖響+玉木 正之(講談社現代新書 1990)

ロマン派の交響曲


『ロマン派の交響曲』金 聖響+玉木 正之(講談社現代新書 1990)


指揮者の金聖響の解説を玉木正之が書き起こした、ロマン派の作曲家6人の代表的な交響曲の解説。1冊目の『ベートヴェンの交響曲』や3冊目の『マーラーの交響曲』と同様に、本書もロマン派の作曲者たちが作った交響曲について、懇切丁寧な解説を展開している。

【目次】

第1章 シューベルト『第4番・悲劇的』『第7番・未完成』など
第2章 ベルリオーズ『幻想交響曲』『イタリアのハロルド』など
第3章 メンデルスゾーン『第3番・スコットランド』『第4番・イタリア』など
第4章 シューマン『第1番・春』『第3番・ライン』など
第5章 ブラームス『第1番』『第2番』『第3番』『第4番』など
第6章 チャイコフスキー『第1番・冬の日の幻想』『第6番・悲愴』など


9つの交響曲を作曲したブルックナーについては、「大作曲家」なので別の機会にとして採り上げていない。

ロマン派音楽とは、古典派音楽と近代・現代音楽の間に作られた音楽のことで、だいたい1800年代初頭から1900年代まで続いたとされる。そして、ロマン派の作曲家たちはベートーヴェンの交響曲を超えようとし続けたという。

ベートーヴェンが、交響曲を完成させるとともに、標題音楽や合唱付きなどさまざまな革新的冒険を「やり尽くし」たために、後に続く作曲家たちはその呪縛から逃れるために苦悩したのだ。

聖響によれば、名前のついた交響曲の人気が高いのは日本だけのことらしい。だから、シューベルトの交響曲の中でも『未完成』の人気が高いが、交響曲としての全体像が存在しないために指揮者泣かせだという。シューベルトの死後にシューマンが発見し、メンデルスゾーンが初演した『第8番 ザ・グレート』も、リピートが多く演奏時間が130分を越えるため、オーケストラ泣かせらしい。

『幻想交響曲』の第4楽章は「断頭台への行進」というタイトルが付いているが、聖響は「断頭台へ引き立てられる男は狼狽し、道ばたにゲロまで吐いてしまいます。」という。「首が刎ねられ、首が断頭台から転げ落ち、そして群衆が歓呼の声を何度も張りあげて、この楽章が終わります。(p.78)」と物語を描写している。

まさか、ゲロを吐いたりや首が転げ落ちるシーンが表現されているとは考えたこともなかったのでびっくりしたが、何度も聞き返してみるとそんなふうに聞こえなくもない。バーンスタインが「音楽史上最初のサイケデリック・ミュージック」と評したとおりに「幻想」そのものの情景なのである。

聖響が、オーケストラ・アンサンブル金沢を指揮してブラームスの交響曲全曲(といっても4つしかないが)のCD録音と、全曲演奏を行なっていることもあって、インターミッション「ブラームスはお好き?」と題して、玉木との対談があって面白い。聖響は、「古典的で保守的な絶対音楽」と評されるブラームスの音楽が、玄人好みのさまざまな技巧を凝らしており、特に中声部に斬新さや独創性があるという。

フルトヴェングラーやトスカニーニといった「大指揮者」たちは、オーケストレーションが「下手」だとされたシューマンの交響曲を勝手に編曲して演奏していたという。自らを「再現芸術家」と名乗る聖響は、作曲家が書いた楽譜に忠実に演奏することこそが重要であるという。楽譜の指示を無視して演奏する演奏家が多くて苦労するらしい。演奏する人間が気持ちよく「歌って」しまうからだが、チャイコフスキーの『第6番・悲愴』は楽譜に忠実だったムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニーの演奏が43分57秒、バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏は58分2秒と約14分も長さが違うという。指揮者が「快感原則」にしたがって演奏した結果なのだ。



■関連書籍
『ベートーヴェンの交響曲』金 聖響+玉木 正之
『マーラーの交響曲』金 聖響+玉木 正之


関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://pasage.blog43.fc2.com/tb.php/1496-8e00bc48

 | HOME | 









ブログランキングに参加中です

リンク

お気に入りに追加
このブログをリンクに追加する

最近の記事

にほんブログ村ランキング

ブログ内検索

Loading

カテゴリー


全記事一覧(500件ごと)

カレンダー+月別アーカイブ

ケータイ版URL

QRコード

RSSフィード

プロフィール

Author:pasage
昼食時は「難民」と化して「新書」を片手に、都内各地を彷徨っています。

FC2Ad

Template by たけやん

QLOOKアクセス解析

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。