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昼食難民の新書生活

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『古代オリエントの宗教』青木健(講談社現代新書 2159)

古代オリエントの宗教



『古代オリエントの宗教』青木健(講談社現代新書 2159)


本書は、紀元後2世紀から13世紀にかけての中東・オリエント地域の宗教思想.史を概観している。

【目次】

序章 「聖書ストーリー」と「各民族の神話ストーリー」
第一章 マンダ教の洗礼主義
     一~二世紀のメソポタミア
第二章 マーニー教のイエス中心主義
     三世紀のメソポタミア
第三章 ペルシアの国教ゾロアスター教ズルヴァーン主義
     三~八世紀のイラン
第四章 ミトラ信仰とアルメニア正統使徒教会
     四~五世紀のアルメニア
第五章 イスラームにおけるグノーシス主義の復活
     八~一〇世紀のメソポタミア
第六章 「聖書ストーリー」に吸収されたザラスシュトラ
     九~一三世紀のイラン
終章 「今日、われ(アッラー)は宗教を完成させた」


ローマ法王庁は、日本での布教を諦めたという。400年間以上に渡る伝道にもかかわらず、日本では人口の1%以上の布教に成功していないからだ。

その理由は簡単だ。中東のマイノリティであるユダヤ民族史『旧約聖書』とキリストの生涯を記した『新約聖書』からなる「聖典セット」が説く「聖書ストーリー」を、全人類史として受容することは、ほとんどの日本人には馴染まない。日本人にとってキリスト教は不要なのである。

日本人には不要だった「聖書ストーリー」は、中東・オリエントでは、エジプト人、ペルシア人、アルメニア人、イラン人などそれぞれの民族は伝統的な独自の神話をあっさりと捨て、ユダヤ人の民族史とユダヤ人イエスの一代記を普遍的な人類史として確信してしまう。

イスラム教にしても、『クルーアーン(コーラン)』とともに『旧約聖書』を聖典の1つとしており、キリスト教とともにユダヤ教の新興宗教の1つであったはずだ。ユダヤ教という起源を1つにする2つの宗教が世界宗教として、数多くの民族がもつ起源神話や祖先伝説を駆逐して、世界中を蚕食できたのはなぜだろう。

興味は尽きないが、本書は2~13世紀の古代オリエントの状況に関して、「真のキリスト教」を自称するマニ教、最大の土着宗教ゾロアスター教、イスラームのグノーシス主義=イスマーイール派が「聖書ストーリー」によって蚕食されていく過程を丁寧に詳説している。

なぜこのような事態になってしまったのかは、「よくわからない」と著者は正直に書いている。しかし、読者が本当に知りたいのは「聖書ストーリー」が強力な病原菌以上の感染力をもった理由だ。また帯には、「異教の魔神たちが織りなすもうひとつの精神史」とあるが、「魔神」について多くは語られない。

知識が不十分なために、ファンタジー小説の年代記を途中から読んだようによくわからないままに物語が展開し、ムハンマドが「最終預言者」となったことで「聖書ストーリー」は「完成」し、オリエントで流露したアナザー・ストーリーやサブ・ストーリーは消滅したのだった。


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