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『残留日本兵―アジアに生きた一万人の戦後』林英一(中公新書 2175)

残留日本兵


『残留日本兵―アジアに生きた一万人の戦後林英一(中公新書 2175)


第二次世界大戦終結時には、300万人を超える日本兵がアジア各地にいた。

著者は、そのうち1万人が現地に残留したと推定している。しかし、その全貌についての研究はこれまでされていなかった。敗戦から67年を経て、現地の残る残留日本兵の多くは鬼籍に入り、2012年現在で現地に残っているのはタイに1人、インドネシアに2人だけになったという。

本書は、1万人の残留日本兵がなぜ残留し、その後いかに生きたのかを、回顧録や評伝、ルポルタージュ、映像作品から詳しい来歴をたどることのできる100人からたどっている。

【目次】

序章 「恥ずかしながら」と言わせた戦後日本
第1章 残留日本兵の発生
第2章 さまざまな状況下での決断
第3章 大国との闘争―ベトナム・ラオス・カンボジア
第4章 「解放の英雄」の光と影―インドネシア
第5章 現地に適応する術―タイとビルマ
第6章 国共両軍に分裂して戦う―中国の動乱の最中で
第7章 帰国を望まない人―その他の地域
終章 一万人の戦後史


「残留日本兵」という言葉からは、多くの人が1970年代になって「発見」された横井庄一や小野田寛郎を思い浮かべるが、著者によれば彼らは例外的な存在である。

なぜなら、約1万人の残留日本兵のほとんどは、横井や小野田のように日本兵として現地民との問題を起こしながら生き延びたのではなく、アジア各地の独立戦争に協力するかたちで正規軍や非正規軍、ゲリラ軍に請われて参加したり、戦うことをやめ現地の女性と結婚して溶けこんでいったからだ。

著者の分析によれば、残留日本兵が発生したのは戦闘が激しかった地域ではなく、むしろ戦線からはなれた地域だったらしい。残留の理由はさまざまだが、「生きて虜囚の辱めを受けず」が人口に膾炙し、鬼気迫る戦場で数多くの日本兵が自ら死を選んだ中で、国家の保護を受けることを拒否して「生き残る」ことを選択したのが残留日本兵だったのである。

インドネシアやベトナムの独立戦争に参加したり、中国で国民党軍や八路軍に参加した残留日本兵のほとんどは1950年代にはその役目を終え、邪魔な存在になって日本に送り返されている。戦後30年にわたって、大日本帝国軍として「戦い」続けた横井や小野田は例外なのだ。


【関連書籍】
『日本軍と日本兵―米軍報告書は語る』一ノ瀬俊也
『皇軍兵士の日常生活』一ノ瀬俊也



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