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昼食難民の新書生活

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『「カルト宗教」取材したらこうだった』藤倉善郎(宝島新書 349)

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『「カルト宗教」取材したらこうだった』藤倉善郎(宝島新書 349)


著者は、大学時代からカルトの取材を続けているフリーライター。ニュースサイト「やや日刊カルト新聞」を主宰し、幸福の科学や大学生を勧誘するカルト集団の取材を続けている。

本書は、カルト教団やカルト被害者への取材を続けた著者の「カルトとの交流(笑)&暗闘記」である。

【目次】

第1章 香ばしきカルトとの出会い
第2章 取材したらこうだった
第3章 カルト宗教との裏バトル
第4章 カルトと報道


採り上げているカルトは、ライフスペース、ホームオブハート、神世界、オウム真理教、幸福の科学、ラエリアン・ムーブメント、ベストグループ、浄土真宗親鸞会、日本平和神軍、オルターカレッジ、自己啓発セミナーなど。

その常識外れで滑稽な論理や行動様式のなかに、違法行為を平然と実行している狂った集団であることが明らかにされる。例えば、幸福の科学は、徳島県のオカルト好きの理髪店夫婦の間に生まれた中川隆が、自らを至高神エル・カンターレだと名乗り、批判的な記事を書いた講談社に信者を総動員して電話やFAXをかけまくって通信機能を不能にさせた「フライデー事件」をいまだに「希望の革命」と名付けて正当化しているという。

セックス教団と呼ばれたラエリアン・ムーブメントには、雑誌の取材で5泊6日の合宿に潜入した様子が書かれている。実際にセックスを礼賛する講演だったにもかかわらず、記事に書くとその内容を否定する抗議が寄せられたという。

最終章には、カルト集団との「暗闘」が書かれている。ライターやブログライターへのアドバイスとして、カルトから名誉毀損で訴えられないために最低限の法律知識が必要だとしている。

①公共の利害にかかわる内容であること(公共性)
②公共の利益を目的とした表現であること(公益目的)
③その表現が真実であること(真実性)、または、その表現が真実であると信じるに足る相当な理由があること(真実相当性)

この3点を満たせば、違法性阻却事由と裁判所が認めるという。そして、カルトから「訴えるぞ」と理不尽な抗議をされても、記事のどの部分が名誉毀損に当たるのか質問すれば、ほとんど訴えられるようなことはないらしい。

カルトは、ラテン語で崇拝や儀礼を意味する言葉だが、人権侵害や違法行為を行うなど反社会性を持った宗教集団のことだ。カルトが滑稽に見えるのは、彼らが一般常識からあまりにもかけ離れた論理と行動様式をとっているからだ。もちろん、世の中の殆どの人々からは滑稽に見えるそうした論理や行動様式こそが、信者を取り込んでいく際には常識を打ち破る魅力として働くのだろう。

豚まんじゅうが原始仏教を装った教義で浅薄な宗教知識しかもたない学生や宗教学者を取り込み、奇妙な集団生活を送ったり、「ショーコショーコ」と歌って選挙に出馬しても、われわれは笑っているだけだった。しかし、国家転覆のために毒ガスのサリンによるテロを世界で初めて実行した時になって初めて、われわれはカルト集団の常識外れた滑稽さが危険性と紙一重だったことに気づいた。胡座を組んでピョンピョン飛び跳ねるのを「空中浮揚」と呼んだり、「水中に2時間潜ってみせる」と言い出した時に、その滑稽さを笑うだけでなく、そのウソを指摘して認めさせなければならなかったのではないだろうか。

「カルトなんかには引っかからない」という絶対の自信がある人でも、両親・兄弟姉妹・配偶者・子供・親戚・友人が誰一人としてカルトには取り込まれない、という自信はあるだろうか。天才的な詐欺師に心の隙を突かれたら、誰だって騙されてしまうし、一度ボタンを掛け違うと自分の間違いを認めたくないために、掛け違ったままでボタンを締め続けることになってしまう。元々、無宗教だと言われながら、全宗教の信者数を合計すると全人口を軽く越えてしまうほど、日本人は宗教が大好きだ。

だから、著者の言うように、多くの人々がカルトを観察し、笑い飛ばすような文化をもっと広げ、報道されないような数々のカルト被害者のメッセージや深刻な被害がもっと広く知られるようになり、カルトに取り込まれる人が少なくなるようにしうなければならないのだ。


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昼食時は「難民」と化して「新書」を片手に、都内各地を彷徨っています。

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