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『日本書紀の虚構と史実』遠山美都男(歴史新書y 030)

日本書紀の虚構と史実



『日本書紀の虚構と史実』
遠山美都男(歴史新書y 030)


著者は、『蘇我氏四代の冤罪を晴らす』では「蘇我氏は王位簒奪を狙ったために滅ぼされた」と『日本書紀』に記述されたことの虚構性を暴いている。

本書は、蘇我氏関連記事も含めた『日本書紀』の虚構性について『歴史群像』や『歴史読本』などに断続的に執筆した記事をまとめたものである。

【目次】

【序章】『日本書紀』の虚構性を暴く
  『日本書紀』とは何か?
  『日本書紀』編纂の真の目的とは?
【第一章】聖徳太子の虚構性を暴く
  1 推古天皇と皇位継承問題
  2 聖徳太子が遣隋使を派遣した真のねらい
【第二章】蘇我氏と大化改新の虚構性を暴く
  1 蘇我氏四代をめぐる三つの謎
  2 中大兄皇子と大化改新の黒幕
  3 大化の改新の虚像と実像
  4 三つの謀反事件―その真相とは?
【第三章】壬申の乱の虚構性を暴く
  1 天武の皇位継承資格を疑う
  2 壬申の乱の虚像と実像
  3 『古事記』誕生までの100年物語
【第四章】奈良時代の皇位継承を貫くもの
  1 天智と天武―女帝誕生をめぐる一系の皇統
  2 聖武天皇と「鎮魂国家」
  3 孝謙・称徳天皇と「天皇道鏡」
  4 光仁天皇と「国体護持」
  5 「藤原氏謀略史観」を問う


『日本書紀』は、紀・志・列の3部構成になっている中国の史書と同様に、『日本書』の「紀(本紀)」であり、「志」は『風土記』になり、「列」は元々書かれなかったか、伝わっていないという。漢文で書かれ、中国と同じ形式を取ったのは、もちろん唐に提出するためだったはずだ。

『日本書紀』編纂の狙いは、編纂を命じた天武天皇(大海人皇子)には、天智天皇の皇位継承者である大友皇子から天皇という地位を奪ったことを正当化する必要があったからだという。当時は、天皇(大王)の長兄の第一子にのみが皇位継承者であり、大海人皇子には皇位継承権はなかった。『日本書紀』30巻のうち、多くは1天皇に1巻が充てられているが、28巻と29巻の2巻は天武天皇に充てられ、28巻は「壬申紀」として1巻丸ごとが壬申の乱の記述に充てられている。そこでは天智が興した王朝を奸臣たちが衰えさせ、大友皇子が不幸にも彼らに担がれてしまったので戦う羽目になった、と苦しい弁解をしているのだ。

また、天智(中大兄皇子)を乙巳の変で蘇我氏を滅亡させ、大化の改新を実行した中心人物として書かれているが、この点についても虚構であるとしている。乙巳の変の当時に中大兄はまだ20歳であり、蘇我氏と近かったために資格の1人として軽皇子(孝徳天皇)を次期天皇に推す勢力に利用されたに過ぎない、としている。

国家が事業として史書を編纂する以上は、その時の政治状況によってバイアスがかかるのは当然のことだろう。渡邉義浩によれば、「魏志倭人伝」は、筆者の思惑で蜀に有利なように書かれたという(『魏志倭人伝の謎を解く―三国志から見る邪馬台国』)。『日本書紀』も、編纂を命じた天武の思惑通りに書かれたと見るのは当然なのだ。



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