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昼食難民の新書生活

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『その未来はどうなの?』橋本治(集英社新書 0654C)

その未来はどうなの?



『その未来はどうなの?』橋本治(集英社新書 0654C)

「あとがき」によれば橋本治は、「完治しない病気」の闘病中だという。さらに、いつもの病気を併発し「やたらと疲れて、しかも集中力が続かずすぐに眠くなって、しかも脚が痛くて歩行がままならない」という状態らしい。

本書は、病床にある橋本が「俺はなんにも分からないけど、なにが分からないんだろう?」と自問した思考のプロセスを明らかにしたものである。もちろん、「分からない」といっても、『「分からない」という方法』で既成の理論が現代には適用できなくなったと書いた橋本だから、問題の「分からなさ」について詳しく述べている。

【目次】

まえがき 自分の未来はどうなの?
第1章 テレビの未来はどうなの?
第2章 ドラマの未来はどうなの?
第3章 出版の未来はどうなの?
第4章 シャッター商店街と結婚の未来はどうなの?
第5章 男の未来と女の未来はどうなの?
第6章 歴史の未来はどうなの?
第7章 TPP後の未来はどうなの?
第8章 経済の未来はどうなの?
第9章 民主主義の未来はどうなの?


「その未来」の「その」は、「チャチで下らないもの」であるテレビや「人間が生きて行くために指針となった物語」であるドラマ、中央集権的で偉そうな出版業界、商店街の衰退、菅首相が「開国だ」と見栄を切ったTPP問題、国民全員が「王様」となる民主主義と多岐にわたる。それぞれのテーマの「未来はどうなの?」と自問し「分からない」と答えてから、なにが分からないのかを腑分けしていく。

出色なのは「女の未来」である。七輪をインターネットで購入した「小太りの女」の周辺で男性が次々に不審死した事件について書いている。容疑者は一切を否認しているが、彼女の周辺では6名を超える男性が死亡し、6件以上の結婚詐欺・詐欺未遂を働いたとされ、1審では死刑判決となったあの事件である。

橋本は、この事件を振り出しに男女同権の実現による女性の立場の変化と美人論に踏み込んでいる。容疑者が美女だったら、美貌を餌に男を毒牙にかけたと分かりやすい展開だが、この事件が耳目を集めることになったのは「小太りの女」がそう書くしかないような普通の容貌だったことだ。「結婚を餌に男を毒牙にかける」という美女の特権が、「小太りの女」によって普通の女にも可能になってしまった。

女性にとって美人であることが「権利」となり、「私が美人であっちゃいけないの?」という問いの前に男は黙るしかなかった。権利に目覚めた女は、次々に「美人」になり、「小太りの女」のような凶悪な犯罪をいとも簡単に実行するようになったというのだ。

TPPや経済などのテーマでは、あえて回りくどい書き方をして読者をイライラさせるような手練手管を用いていて読みにくい部分もあるが、本書は「なにが分からない」のかを既成の理論を使わずに橋本が自身の頭で考え、わかりやすく解説している。本当に頭の良い人なのだろう。


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コメント

このブログで、未来をおいしく。

小太りの女は、実は嫌われるのが怖い。
だから限界までずけずけと立ち入って、
何かと干渉しながら、自己満足で
はらわたを露出する。醜い。
食べ物の論評と合い入れることはない。

【権利に目覚めた女は、次々に「美人」になり、
「小太りの女」のような凶悪な犯罪を
いとも簡単に実行するようになったというのだ。】(引用)


何もお力になることはできませんが、
ご心労の程、如何ばかりかとお察しいたします。
でも、ご安心下さい。
このブログを訪れるマトモな読者は、
全員味方で、深く深く尊敬いたしております。

どなたか、文句のある奴、いますか?

Re: このブログで、未来をおいしく。

黒柴ザックスさん、「小太りの女」は例の連続七輪不審死事件の犯人です。

逮捕前に実名を出せない週刊誌が「小太りの女」と呼んだわけですね。「小太りの女」としか表現しようがない、美人でもブスでもなく普通の女だったことに橋本治が驚き、逮捕後はよりよって法廷で、多くの男性と関係を持ったのは「性の奥義を極めたかった」とか言い出したので、どうやら彼女は自分にも「美人」の権利があると認識しているらしいと判断した、ということです。

「結婚を餌に男を毒牙にかける」のは美人の犯罪と決まっていたはずなのに、権利として自分を美人だと認識した「小太りの女」が女性による犯罪の壁を軽く突き崩してしまった、ということのようです。女は変わったのです。

先週、西日本で60代の女による監禁殺人事件の遺体が多数発見されましたが、かつては男しか実行しなかったような凶悪犯罪が女によって実行されるようになる可能性があるのも「女の未来」ということのようです。

Re: ご無沙汰しております

ヒロシさん、ご心配をお掛けしてすいません。どうかお気になさらないでください。

私は、友里の「支持者」でも「ファン」でもありませんが、いくつかの店では友里と同じような感想を持ちました。

不味い料理にあたって「げっ、失敗した」とか「騙された!」と思っても、数時間後にはすっかり忘れているようなこのブログの店と違って、友里の紹介する店の多くは年に何度も訪れられるような店ではないので友里の「行ってはいけない店」情報は貴重だと思います。

友里の批判は時に苛烈ですが、それによって不利益を被るわけでもないのに、批判された店の関係者でもない人が友里を否定しようとするのはちょっと変だと思うのです。

毎日更新は休止中ですが、いつかは再開したいと考えています。

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