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『化石の分子生物学―生命進化の謎を解く』更科功(講談社現代新書 2166)

化石の分子生物学



『化石の分子生物学―生命進化の謎を解く更科功(講談社現代新書 2166)


本書は、分子古生物学者による科学エッセイ。分子生物学の歴史と、この30年ほどで急速に発達した古代DNAの研究についてわかりやすく解説している。

【目次】

第1章 ネアンデルタール人は現生人類と交配したか
第2章 ルイ十七世は生きていた?
第3章 剥製やミイラのDNAを探る
第4章 縄文人の起源
第5章 ジュラシック・パークの夢
第6章 分子の進化――現在の人類は進化しているか
第7章 カンブリア紀の爆発――現在のDNAから過去を探る
第8章 化石タンパク質への挑戦


現代人は、ホモ・サピエンスの1種類しかいないけど、つい数万年前までは数種類の人類が生息していた。その中でもっとも有名なネアンデルタール人と現生人類は同じ地域に生息していた。第1章では、ネアンデルタール人のゲノムが解明された結果、明らかになった驚くべき事実について書かれている。現生人類が20万年前にアフリカで誕生したときには、ネアンデルタール人はすでにヨーロッパや西アジアに住んでいて、現生人類の一部がアフリカから西アジアに移住した時にネアンデルタール人との交配があったという。一方、アフリカにとどまった現生人類はネアンデルタール人と出会わなかったので交配しなかったという。

ゲノムを決定するための塩基配列決定法では、まず「ダイデオキシ法」を解説している。DNA鎖の端に結合すると、次のヌクレオチドが結合できないダイデオキシヌクレオチドを使う方法だ。

ネアンデルタール人のゲノムは、化石から取り出したDNAを分析して決定した。化石として残ったのは骨である。そして骨はもともと大部分が鉱物である。細胞はごくわずかしか含まれていないが、そこからDNAを取り出す研究は日本人研究者が世界で初めて成功したという。

彼らが調べたのは縄文人のDNAで、研究の結果、縄文人は大陸極東部なみならず東南アジアやユーラシア大陸東北部など広範囲からの人類の流入と混血が確かめられた。さらに北海道の一部には、縄文人とも現アイヌとも異なる別種の縄文人がいたこともわかった。

1980年代に、DNAを簡単に数千万倍に増幅できる技術が開発され、分子生物学界に革命が起こった。PCR(ポリメラーゼ・チェイン・リアクション法)の発明である。プライマーと呼ぶ増幅したい部分のすぐ隣に結合する20塩基程度の塩基配列を用意し、DNAを100度まで加熱して2本の鎖の水素結合を切って1本鎖にする。次に50度まで温度を下げると、元の鎖ではなくプライマーと結合する。さらに72度まで温度を上げるとプライマーが長いDNAを鋳型として伸長する。このステップを30回繰り返すと、DNAは数千万倍まで増幅できるという。ここでDNA合成酵素として好熱菌から取られた耐熱性DNA合成酵素が使われる。

海底の熱水鉱床や温泉の源泉などから好熱菌が発見され、過酷な環境にも暮らす細菌がいるものだと思っていたが、PCRには欠かせないDNA合成酵素として使われているのだ。


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