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『「アラブの春」の正体―欧米とメディアに踊らされた民主化革命』重信メイ(角川oneテーマ21 C-231)

「アラブの春」の正体



『「アラブの春」の正体―欧米とメディアに踊らされた民主化革命重信メイ(角川oneテーマ21 C-231)


著者は、日本赤軍のリーダー重信房子とパレスチナ人活動家の男性の娘としてベイルートで生まれた。2001年に日本国籍を取得して来日し、同志社大学大学院でメディア学を学んだジャーナリストである。

2010年12月にチュニジアで始まった民主化運動は、西アフリカからアラブ諸国に広まり「アラブの春」と呼ばれたが、わが国では東日本大震災とその後の原発事故によってその後の報道は減少した。

【目次】

第1章 北アフリカの小国、チュニジアから始まった「アラブの春」
第2章 アラブの盟主、エジプトで起こった「革命」の苦い現実
第3章 メディアによってねつ造された「アラブの春」―リビア内戦
第4章 アラビア半島へ飛び火した「アラブの春」
第5章 報じられなかった革命、違う用語にすり替えられた革命
第6章 メディアが伝えないシリアで内戦が激化する本当の事情


「アラブの春」は、若者の失業と長期独裁的な政治体制による腐敗政治、富の不公平な分配による貧富の差が原因となり、フェイスブックなどのインターネットメディアによって情報共有することが可能となった人々が大規模な反政府デモに集結できるようになったために起こったといわれる。

若者の失業と貧富の差の拡大は、アラブ諸国だけでなく世界的に共通の政治課題である。「アラブの春」のきっかけとなったチュニジアのジャスミン革命も、大学を卒業しても仕事を得られなかった若者が原因だった。

無許可のまま市場で野菜を販売していたところ、役所の職員に売り物の野菜を没収され、女性職員に侮辱と暴行を受けたため、後日、抗議の焼身自殺を図ったのだった。チュニジアは女性の社会進出が進んでいたため、女性職員が若者をぶつような事態となったが、イスラム教徒の男性にとって女性から侮辱されるのは耐えられないことだったという。イスラム教で禁止されている自殺の映像がフェイスブックにアップされ、数多くの人々が観たことでチュニジアでは、一気に民主化運動が全国に拡大し、23年間にわたる独裁体制を続けてきたベン・アリー大統領が国外に逃亡し、政権が転覆してしまった。

同じような民主化運動がアフリカ各国やアラブへと広がり、「アラブの春」と名付けられたのだが、リビアの場合は民主化運動ではなく内戦であり、しかも石油利権やアフリカの通貨同盟を巡る欧米諸国の思惑でカダフィ政権が崩壊させられたようだ。

リビアはテロ支援国家にも指定され、40年以上に及ぶカダフィの独裁が続いていたが、豊富な石油資源によって教育や医療を無料化するなど、福祉は充実していたという。ただし、カダフィの出身地や部族が優遇されて不満が高まっていた中で民主化運動をきっかけに内戦が起こった。そこにNATO軍が介入するきっかけとなったのは「アルジャジーラ」の放送だったという。

カタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ」によって「アラブの春」は世界に報道されたが、著者によれば報道の意図的な偏りや捏造があったという。「アルジャジーラ」は報道規制の多いアラブ諸国の中で、ニューヨーク・タイムズ紙に「アラブ諸国で、最も自由で最も広い観点を持つテレビネットワーク」と評されているが、カタールの政治問題は一切報道しないなど、決して中立・公正とはいえないらしい。

リビアの内戦を報道する中で、「アルジャジーラ」では現地への電話インタビューが生中継され、「リビア政府軍の砲撃で1000人が死亡した」と放送した。それをすぐに欧米メディアが放送し、リビア政府の暴虐ぶりが明らかにされた。

ところが、この電話インタビューはまったくのでっち上げ報道だったのだ。世界は「アルジャジーラ」の捏造に騙され(騙されたふりをして)、リビア内戦に介入してカダフィ政権を打倒し、カダフィを殺してしまったのだ。

著者が同志社大学の博士課程で提出した論文は、「アルジャジーラ放送アラビア語報道局によるフレーミングと議題設定効果の研究 :衛星チャンネルのアラブ社会への影響の視点から」である。

「アラブの春」以降、アラブ諸国で民主的な政権が誕生した国家はまだはない。アラブに春など来なかったのだ。

若者の失業と貧富の差の拡大という世界を覆う問題は、日本でもいずれ世代間闘争となる可能性があるだろう。

本書には書かれていないが、捏造報道でカダフィ政権を倒した「アルジャジーラ」は日本のNHKから放送権料で収入の40%を得ているらしい。



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