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『「知」のシャープナー―人生が変わる知的生産日記』御厩祐司(光文社新書 625)

「知」のシャープナー



『「知」のシャープナー―人生が変わる知的生産日記御厩祐司(光文社新書 625)


著者は、文部科学省の官僚。愛媛県に赴任中に俳句や漢詩を唱えながらストレッチをする「俳句体操」を考案したアイデアマンである。

本書は、「知」を鋭く保ち磨くための技法を伝えるという意欲に満ちたもので、梅棹忠夫の名著『知的生産の技術』を意識しているようだ。

【目次】

第1章 理論編~「知のシャープナー」の土台づくり
     1 無限連用日記とは?
        ―一生買い替えなくてもいい日記
     2 日記に込める知の7要素
     3 名づけて「MY法」
        ―マトリックスは創造の母体
     4 私の日記遍歴
第2章 実践編~「知のビッグピクチャー」を描く
     1 なぜマトリックスの日記をつけるのか?
     2 マトリックスの日記はこうつける
        ―知的な日記の5原則
     3 マトリックスの実例解説
第3章 応用編~「冴えるカタログ」を編集
     1 「サエカタ」とは?
     2 サエカタの柱1
        ―環境を整える
     3 サエカタの柱2
        ―アウトプットを磨く
     4 サエカタの柱3
        ー健康を高める
第4章 発展編~「ソーシャル・シャープナー」で社会に貢献
     1 知のリレー
        ―親から子、前任から後任へ
     2 知のコラボ
        ―チームシャープナー
     3 知のアセス
        ―超エントリーシート
     4 知のコンセプト―めざせ! 社会兼業家


著者は「知」には5つの意味があるとしている。

 ①ものごとをしる。(知識)
 ②ものごとを見抜く力がある。(知恵)
 ③人にしらせる。(告知)
 ④相手を理解し、つきあう。(知遇)
 ⑤取りしきる。つかさどる。(知事)

つまり、

ものごとを広く知り、その本質を鋭く見抜き、わかりやすく人に伝え、多様な人々とつながりながら、円滑にマネジメントしていく。(p.8)

ということだ。

そして、「シャープナー」は、文字通り「鋭くする道具」「磨く道具」のことで鉛筆削りや砥石のことだ。

まず、著者が「MY法」と名付けた表計算ソフトによる「無限連用日記」を紹介している。「MY法」では、1マスを1日とする。つまり、表計算ソフトの「行」(タテ軸)を日付、「列」(ヨコ軸)を年にする。こうすることで、同じ日の数年分を1度に読めるようにする。紙の日記帳と違って、何年分でも書き続けることができるから「無限連用日記」なのである。

記入するのは、インプット(知的刺激)・アウトプット(知的生産物)・クエスチョン(疑問、論点)・アンサー(回答、仮説)・ターゲット(目標、夢)、アラート(自戒)、リマインダー(再確認)の7要素であるとしている。

日記といっても、天候や食事といった日常茶飯なことは書かずに、あくまで「知」を磨くための行動や考えを書くわけだ。

知的な刺激を受ければ、1つのセルにいくつものトピックスを入力することになり、つまり、真に脳を使った日々がその活動内容とともに一覧のマトリクスに描かれることになる。その一方で、知的な活動をしなければ空白のセルが続くことになるから、自分が「知」を磨いているかどうかをチェックできることになる。さらに、目標や疑問を何度も目にすることで、課題が明確になるのだ。

表計算ソフトでは1つのセルに1024字まで表示できるが、著者は簡潔に数項目を記入することを薦めている。そして、日記にはタイトルやキーワードのみを記して、技法を記入したwordやpowerpointのファイルとハイパーリンクで連結するという。

データファイルを収納するのは、「サエカタ」と名付けたフォルダの階層管理法による。第1階層が「サエカタ」、第2階層が「環境」、「アウトプット」、「健康」、「環境」の下にある第3階層は「人」、「物」、「情報」、「場」など10のフォルダに体系化している。

表計算ソフトを日記に使用するアイデアは、著者のオリジナルではない。その名も「エクセル日記」と題したフリーソフトがずいぶん前からあるし、エクセルで日記を書くことを薦めた『「朝」日記の奇跡』という書籍も2005年に出版されている。

実は、「無限連用日記」と「サエカタ」を連携する方法には大きな問題がある。表計算ソフトではハイパーリンクを簡単に張ることができるのは、1セル1ファイルという1対1対応になっている点だ。つまり、ある日に活発な知的生産を行って「無限連用日記」に複数の項目を記入しても、複数のデータファイルとはリンクを張れないのだ。この点をいかに解消しているのか本書では全く触れていない。wordかexcelでリンク集のファイルを作成することになるのだろうか。

本書には、研究者や企業経営者、作家などによる数々の名言・金言のたぐいが散りばめられている。元々、著者はこうした言葉を書き留める習慣があったようだが、あまりに数が多くて、望んだわけでもないのに「名言集」を読まされているようで不愉快になった。まるで「人という字は人と人が支えあい……」や「結婚の3つの袋」のような説教じみた通俗解釈や地口・ダジャレのたぐいのオンパレードだったからだ。



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コメント

ありがとうございました

著者です。拙著をお読み下さり、またブログでご紹介くださり、ありがとうございました。
ご疑問の点につきましては、紙面の関係で書ききれず、HPにて補足しておりますので、適宜ご参照ください。
最後の点につきましては、今後の反省材料とさせていただきます。
貴重なご指摘に、重ねて感謝いたします。

Re: ありがとうございました

MIMAYAさん、わざわざコメントをお寄せいただきありがとうございました。

日記を毎日書く習慣はありませんが、これまでPDAの予定表やカード型DB、エディター・ソフトなどを忘備録にしてきました。でも、一覧性の高さという点でやはり表計算ソフトが最も優れていますね。そうした意味でMY法は、「知を磨いているか?」と自分を見つめ直すには最良の方法だと思います。ハイパーリンクがセル単位なのが最大の弱点ですね。

批判めいたことを書いてしまいましたが、あくまで個人的な嗜好ですのでお気になさらないで下さい。

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