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『文章は接続詞で決まる』石黒圭 (光文社新書 370)

文章は接続詞で決まる (光文社新書 370)


『文章は接続詞で決まる』石黒圭 (光文社新書 370)


「接続詞はなるべく使うな」という文章の心得を学校で習ったような気がする。それとも誰かの『文章読本』で読んだのだろうか、と思って本書を読み進むと谷崎潤一郎だった。接続詞は、論理的な文章を書く際には欠かせないものだが、その多用は文章の品位を貶めたり、理に落ちてつまらない文章になるものらしい。

本書は、専門家がほとんどいない接続詞に関する一般向け解説書。類書はない。

著者は、接続詞を4種10類22系に分類している。後学のためにまとめておこう。

【1】論理の接続詞
  [1]順接の接続詞
   (01)「だから」系:原因-結果の橋渡しに活躍
           (したがって、ゆえに、よって、そのため、など)
   (02)「それなら」系:仮定をもとに結果を考える
           (それでは、すると、そうすると、そうしたら、だとすると、など)
  [2]逆接の接続詞
   (03)「しかし」系:単調さを防ぐ豊富なラインナップ
           (だが、でも、それでも、ただ、ですが、けど、けれど、だけどなど)
   (04)「ところが」系:強い意外感をもたらす
           (にもかかわらず、それなのに、など)

【2】整理の接続詞
  [3]並列の接続詞
   (05)「そして」系:便利な接続詞の代表格。添加の接続詞
           (それから、また、など)
   (06)「それに」系:ダメを押す。累加の接続詞
           (それにくわえて、そればかりか、そのうえ、しかも、ひいては、など)
   (07)「かつ」系:厳めしい顔つきで論理づけ
           (および、ならびに)
  [4]対比の接続詞
   (08)「一方」系:2つの物事の相違点に注目
           (他方、それにたいして、反対に、反面、ぎゃくに、など)
   (09)「または」系:複数の選択肢を示す
           (もしくは、ないし、あるいは、それとも、など)
  [5]列挙の接続詞
   (10)「第一に」系:文章の中の箇条書き
           (1つめに、1人目は、最後に、など)
   (11)「最初に」系:時間的順序や順位を重視した列挙
           (最初に/はじめに、つづいて/ついで、その後、など)
   (12)「まず」系:列挙のオールマイティ
           (つぎに、さらに、など)

【3】理解の接続詞
  [6]換言の接続詞
   (13)「つまり」系:端的な言い換えで切れ味を出す
           (すなわち、ようするに、いいかえると、いわば、いってみれば、など)
   (14)「むしろ」系:否定することで表現を絞る
           (かえって、そうではなく、否、というより、というか、そのかわり、など)
  [7]例示の接続詞
   (15)「たとえば」系:抽象と具象の往還を助ける
           (具体的には、実際、事実、など)
   (16)「とくに」系:特別な例で読者を惹きつける
           (とりわけ、殊に、なかでも、など)
[8]補足の接続詞
   (17)「なぜなら」系:使わないほうが洗練された文章になる
           (なぜかというと、だって、なにしろ、というのは、というのも、など)
   (18)「ただし」系:補足的だが理解に役立つ情報が続く
           (もっとも、なお、ちなみに、など)

【4】展開の接続詞
[9]転換の接続詞
   (19)「さて」系:周到な準備のもとにさりげなく使われる
           (ところで、それにしても、それはそうと、それはさておき、など)
   (20)「では」系:話の確信に入ることを予告する
           (それでは、じゃあ、など)
[10]結論の接続詞
   (21)「このように」系:素直に文章をまとめる
           (こうして、かくして、以上、結局、など)
   (22)「とにかく」系:強引に結論へと急ぐ
           (いずれにしても、どっちにしても、どっちみち、など)

こうして書いてみるとその多さに改めて驚く。果たして、これほど多くの接続詞を使いこなしているだろうか。

さらに、著者は「~からだ」や「だけでない」といった文末に埋め込まれている接続詞を「文末接続詞」として分類しているが、やはり範囲を拡げすぎかもしれない。

 [11]否定の文末接続詞
  (23)「のではない」系:読み手の心に疑問を生む
           (「名詞+ではない」)
  (24)「だけではない」系:ほかにもあることを予告
           (ばかりでない、にかぎらない、にとどまらない)
 [12]疑問の文末接続詞
  (25)「か」「のか」「のだろうか」:自分で疑問を提示し自分で回答
 [13]説明の文末接続詞
  (26)「のだ」系:文章の流れにタメをつくる
           (わけだ、のである、の、んだ、んです、など)
  (27)「からだ」系:理由をはっきり示す
           (ためだ)
 [14]意見の文末接続詞
  (30)「と思われる」系:「私」の判断に必然感を加える
           (と考えられる、と言える)
  (31)「のではないか」系:慎重に控えめに提示する
           (のではないだろうか、「名詞+ではないか」)
  (32)「必要がある」系:根拠を示したうえで判断に至る
           (べきである、なければならない、てはならない、など)

第8章「話し言葉の接続詞」、第9章「接続詞のさじ加減」、第10章「接続詞の戦略的使用」では、実践的な接続詞の使用方法について提示しており、参考になる部分も多い。

本書では、井伏鱒二の接続詞に関するエッセイを2度にわたって紹介されている。井伏が参考にするため尊敬する某作家のゲラ(組み版済みの原稿)を出版社から入手したところ、加筆訂正されたのはほとんどが接続詞だったという。文章を書くプロである小説家にとっても、接続詞の扱いは慎重に成らざるを得ない難しい問題なのである。

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