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『がん治療で殺されない七つの秘訣』近藤誠(文春新書 913)

がん治療で殺されない七つの秘訣


『がん治療で殺されない七つの秘訣』近藤誠(文春新書 913)


著者は、日本における乳がんの温存療法のパイオニアであり、1996年にベストセラーとなった『患者よ、がんと闘うな』以来、「がんもどき理論」や「がん放置療法(『がん放置療法のすすめ―患者150人の証言』)」でがん治療の問題点の数々を指摘してきた。本書は、その総まとめのような内容。

本書の第1章は『文藝春秋』2013年2月号掲載、第2章は書き下ろし、第3章は『日刊ゲンダイ』連載、第4章は『文藝春秋』2012年10月号掲載、第5章は書き下ろし、という構成になっている。

【目次】

第1章 中村勘三郎さんのがん治療への疑問
     全摘術は妥当だったのか
     肺炎はなぜ起こったのか
     放射線のほうがベター
     ARDSの原因は誤嚥
第2章 まずはがんを理解すべし
     がんは放っておいても痛まない
     がんを手術したらどうなる?
     抗がん剤治療を受けたらどうなる?
     ニセモノのがん「がんもどき」
第3章 がんをどうすべきか?
     検診
     放置療法
     放射線治療
     手術
     抗がん剤
     代替療法
     終末期医療
第4章 「先進医療」はカネの無駄
     粒子線療法のまやかし
     免疫療法は詐欺商法
第5章 がん治療で殺されない七つの秘訣
     秘訣1 手術医と抗がん剤治療医を信じてはいけない
     秘訣2 「余命三ヶ月」はありえない
     秘訣3 治療法には必ず選択肢がある
     秘訣4 無治療が最高の延命策
     秘訣5 セカンドオピニオンは違う病院の別の診療科を訪ねる
     秘訣6 検査を受けないのが最良の健康法
     秘訣7 がんとの共生をモットーにしよう


「がんもどき理論」では、がんには転移して死に至る「本物のがん」と、転移はせずに患者を殺すことはない「がんもどき」がある、とする。

がん検診で固形のがんである悪性腫瘍が発見されれば、転移を防ぐために一刻も早く手術で腫瘍を切除するのが一般的だ。しかし著者は、手術を受けているがん患者の多くが「がんもどき」だとする。元々、死に至る病ではない「がんもどき」の完治を統計に加えているのだからがんの5年後生存率など全く意味のない数字になってしまう。

早期発見に関しても、発見された時点で1センチほどになった腫瘍は1億個のがん細胞の集まりであり、転移能力があればすでに転移しているから、切除は意味がないことになる。

本物のがんだったとしても、一般的ながんの手術では腫瘍部分だけでなく臓器やリンパ節まで切除してしまうので、QOLに重大な支障をきたすだけでなく、寿命まで縮めてしまうことになる。ここで思い出されるのが、昨年亡くなった中村勘三郎や内臓をごっそり摘出されて亡くなった逸見政孝の手術だ。

第1章では、中村勘三郎が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)で亡くなったのは、手術によって誤嚥から肺炎になったことが原因だったと書かれている。死因はがんではなく、食道摘出手術だったのだ。

第2章では、がんの外科手術と抗がん剤治療に関して、延命効果がないこと、がん検診はすでに転移をしてしまった本物のがんと、がんもどきも発見してしまうだけでなく、放射線治療は発がんのきっかけになるからを受けるなという主張を、医学雑誌『The New England Journal of Medicine』掲載の論文を元に詳しく紹介している。

第3章は、Q&A形式で29のケースについて、検診・放置療法・放射線治療・手術・抗がん剤・代替療法・終末期医療を解説している。

「あとがき」には、第4章を書くに至った経緯が記されている。著者が『文藝春秋』2011年1月号に「抗がん剤は効かない」を執筆したところ、『週刊文春』同年1月20日号で国立がん研究センターの抗がん剤治療専門医K氏が連名で「『抗がん剤は効かない』はほんとうか!?」と反論し、それに対して著者が次号の『週刊文春』で「それでも抗がん剤は効かない」と再反論したところ、再々反論はなかったという。

ところが、翌2012年5月に『文藝春秋』編集部が私立大学医学部教授に栄転したK氏に打診すると著者の対談を承諾した。それが、2か月後の7月下旬になってK氏から対談をキャンセルしてきたため、誌面の穴を埋めるために執筆したのが粒子線治療と免疫細胞療法の欺瞞性を明らかにした記事だった。

ところで、この「K氏」とは誰か?

ネットで調べると、日本医科大学武蔵小杉病院教授の勝俣範之医師だった。著者との対談をキャンセルし「敵前逃亡」したのに、自身のブログでは名指しこそしないものの著者を科学的ではないと批判し、マスコミの報道姿勢が金儲け主義だと批判していた。これが日本の抗がん剤治療をリードする医師の態度なのである。

もっとも、近藤との対談には手術や抗がん剤の権威たちが「何の得もない」「将来を保証してくれるのか」と尻込みするという。別の医師のブログで、近藤が学会で主張を発表したら集中砲火を浴びるだろう、という記事もあったが、著者の主張は医学界の常識に反しているのだから当たり前だ。

しかし、日本の医師の誰一人として対決できないというのは、著者の主張を突き崩すことができないからだろう。つまり、日本の医学界は「がんは手術するな」「抗がん剤は効かない」「がん検診は受けるな」という著者の主張を否定できないのだ。

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