TOP > スポンサー広告 > 『不思議列車がアジアを走る』 下川裕治/中田浩資 写真(双葉文庫 し13−16)TOP > 新書 > 『不思議列車がアジアを走る』 下川裕治/中田浩資 写真(双葉文庫 し13−16)

昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『不思議列車がアジアを走る』 下川裕治/中田浩資 写真(双葉文庫 し13−16)

不思議列車がアジアを走る



『不思議列車がアジアを走る』下川裕治/中田浩資 写真(双葉文庫 し13−16)


新書じゃないけど。

著者のブログ(『たそがれ色のオデッセイ』)でプレゼントに応募したら送られてきました。

本書は、朝日新聞社のサイト「どらく(Do楽)」に2012年8月から2013年1月にかけて連載された記事を大幅に加筆したもの。

加筆というより、ごく短いサイトの記事のほうが本書のレジュメのようなもの。同じく「どらく」に連載された鈍行列車の旅をまとめた『鈍行列車のアジア旅』が2011年に刊行されているので、本書はその続編にあたる。

【目次】

第1章 インドネシア
    —ジャカルタ環状線とボゴール線
第2章 中国南疆鉄道
    —ウルムチからカシュガルへ
第3章 ミャンマー
    —ヤンゴン環状線
第4章 台湾
    —内湾線と西部幹線旧山線
第5章 タイ国際列車
    —バンコクからタナレーンへ
第6章 韓国
    —慶全線と廃線の街、群山
第7章 サハリン
    —ユジノサハリンスクからノグリキへ


著者は1954年生まれなので今年で59歳になる。40代のころに『アジアほどほど旅行』で、路線バスに乗りエアコンなし水シャワーの安宿に泊まるような旅を卒業した、と書いたはずなのに、いまだに各国の鈍行列車に乗って苦行のような旅を続けている。

インドネシアでは東京メトロ東西線の払い下げ電車に乗って30年前の記憶が呼び起こされ、中国南疆鉄道では硬座に何十時間も乗りウイグル族と漢民族の民族性の違いと貧富の差に感じ入り、ミャンマーでは窓ガラスもない木造列車に驚く。

日本の田舎を走る路線の一部は、第三セクター化されて生き残ったり廃線になったりしているが、台湾や韓国でも高速鉄道の整備が優先されて田舎の路線は廃線になっているようだ。台湾の廃線や廃駅の一部は観光スポット化しているようだが、韓国の廃線は再開発の波に埋もれてしまっていた。

鉄道は、開通するのに莫大な費用がかかり、運用にも高度のシステムが必要なので、それぞれの国家の近代化や国民性が現れる鏡でもある。タイでは列車が遅れに遅れて乗り継ぎがうまくいかず、たった15分間乗ってラオスに渡る鈍行列車を待つために、国境の町で丸1日以上を費やしたりもする。クルマで移動して「鈍行列車に乗って行ったこと」にすればいいのに、恐ろしく律儀なのである。

人柄と同じく誠実な文章からは、列車内の熱気や人々の汗、物売りの美味しそうな食べ物の匂い、ターミナル駅の喧騒や無人駅の静寂が伝わってくる。

採り上げた国への渡航方法や列車の乗り方など、ガイドブック的な情報も載っている。もっとも余程の鉄道ファンでなければ、あえて行ってみようとは思わないリゾートやメジャーな観光地とは無縁の各駅停車の旅だけど。

ガイドブックや旅行番組では、観光地や都会のオモテの顔しか紹介されない。しかし、その国の人々の日常生活は、地元の人々の足となっている鈍行列車にある。そこに面白さを感じることのできる人にとって、本書は楽しい机上旅行となるはずだ。



関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://pasage.blog43.fc2.com/tb.php/1663-bbb5909d

 | HOME | 









ブログランキングに参加中です

リンク

お気に入りに追加
このブログをリンクに追加する

最近の記事

にほんブログ村ランキング

ブログ内検索

Loading

カテゴリー


全記事一覧(500件ごと)

カレンダー+月別アーカイブ

ケータイ版URL

QRコード

RSSフィード

プロフィール

pasage

Author:pasage
昼食時は「難民」と化して「新書」を片手に、都内各地を彷徨っています。

FC2Ad

Template by たけやん

QLOOKアクセス解析

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。