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『プロフェッショナル 仕事の流儀 人生に迷わない36の極意』NHK「プロフェッショナル」取材班(NHK出版新書 441)

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プロフェッショナル 仕事の流儀 人生に迷わない36の極意』NHK「プロフェッショナル」取材班(NHK出版新書 441)


本書は、NHK出版新書『プロフェッショナル 仕事の流儀』本の第3弾。2013年から2014年前半に放送された、イチロー、遠藤保仁、井山裕太、藤子・F・不二雄、宮崎駿といった有名人から、小売り業経営者、ER専門医、宇宙工学者、チーズ農家などさまざまな職業の第一線で活躍している36人のプロフェッショナルの言葉を収録している。

それぞれの記事は7〜8ページと短いが、プロフェッショナルたちから珠玉の言葉のかずかずを紡ぎ出している。

執筆したのはそれぞれの放送回の担当ディレクターで、巻末リストを見ると担当した回に重複があって24人が執筆したようだ。

【目次】

1 立ち向かう、6つの極意
2 くじけない、6つの極意
3 育てる、6つの極意
4 ブレない、6つの極意
5 ひらめく、6つの極意
6 見誤らない、6つの極意


2003年8月21日、イチローは日米通算4000本安打を達成して観客とチームメイトから万雷の拍手で祝福された。しかし、そのたった10日後の試合では、9対1と8点差で勝利が決定的になった8回裏に監督から代打に出るように告げられた。先発メンバーを休ませるための代打で、通常ならルーキーの役割だった。屈辱だった。

「屈辱によって、自分を支えてきた。心は瞬間的に痛みを覚えるけれども、それで自分を支えてきたし、これからもそうであると思うので、あの経験は、今は素晴らしい瞬間だったというふうに思っているんですよね」(p.16)

実は4000安打達成後の記者会見でも、イチローは「4000のヒットを打つには、8000回以上は悔しい思いをしてきている」と語っている。4000本安打ということは、その倍の8000回はヒットを打てなかったということだからだ。

「プロ生活はトータルで22年(2013年現在)ということになりますけど、はっきりしているのは、近道はないということですね。後で考えると、遠回りだったな、省けたらよかったなと思うことはたしかにあります。でも、それが一番近い道なんです。自分のぼんやりとした理想に近づく一番の方法は、遠回りをすることだというふうに、今ははっきりと言えますね」(p.19)

藤子・F・不二雄は、新人漫画たち向けの「人気漫画の書き方」という講演で「まず最初に、普通の人であれ」と語ったという。大勢の人が喜ぶのは、「普通の人」である読者と漫画家の間に共感する部分がたくさんあったということだからだ。その上で、プラスアルファとして自分だけの世界を1つは持つべき、と教えたという。

その言葉通りに、藤子Fは毎朝5時か6時には起床して漫画のアイデアを練り、家族で朝食を食べた後に川崎市の自宅から新宿の仕事場へ通勤し、規則正しく膨大な仕事をこなしていた。それだけでなく、普通の父であり、普通の夫として徹底的に普通の勤め人であろうとしたという。

本書では、「どらえもん」をはじめとした作品が世界中で愛されているのは、藤子Fが「普通の人」の暮らしを突き詰めたところにあるのではないか、と分析している。世界は日常を淡々と暮らしている「普通の人」である勤め人によって動いている。生まれ育った富山県高山市や自宅のあった川崎市近郊に住む「普通の日本人」の生活を描くことで、藤子Fの作品は高い普遍性を獲得していたのだ。

宮崎駿の口癖は「面倒くさい」だという。『風立ちぬ』を制作中には以前にも増して何度もこのぼやきを繰り返した。飛行機部品メーカーの家に生まれた宮崎にとって、ゼロ戦の設計士である堀越二郎の人生を描くことは、長年に渡って抱え込んできた、大好きな飛行機は憎んでやまない戦争に使われる「殺戮の道具」であるという葛藤と向き合うことだったからだ。「大事なことは、たいてい面倒くさい」のだ。家族は面倒くさいけれど、けっして捨てられないのと同じように。

もちろん番組をすべて観たわけではないし、観たはずなのに忘れていた回もあったが、本書に再録されているプロフェッショナルたちの仕事に対する姿勢や生き方を象徴する言葉のかずかずは深く心に響く。

第一線で活躍している彼らは間違いなく成功者だろう。しかし、彼らは決して順風満帆の人生を送って成功したわけではない。挫折や蹉跌を乗り越えて現在の地位を獲得し、さらにそれを失わないために変化や挑戦を怖れず、自らの改革を続けていることが本書からわかる。そうした人生の隘路や曲がり角を経験した人々の言葉だからこそ、重みを持って胸に迫ってくるのだ。



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