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『キャラクターメーカー-6つの理論とワークショップで学ぶ「つくり方」』大塚英志(アスキー新書)

キャラクターメーカー


『キャラクターメーカー-6つの理論とワークショップで学ぶ「つくり方」』大塚英志(アスキー新書)

帯の惹句に「キャラクターは理論で作れ」とあり、「物語論でつくるオリジナルキャラクター制作マニュアル。コミックからゲームまでクリエーター必携!!」と書かれている通りに、ロシアの民俗学者ウラジミール・プロップの『昔話の形態学』などに基づいたキャラクター制作理論を解説している。

大塚が教授を務める神戸芸術工科大学先端芸術学部メディア表現学科の授業、物語基礎実習のテキストをもとに書かれたという。

第1講 アバター式キャラクター入門
第2講 トトロもエヴァンゲリオンも「ライナスの毛布」である
第3講 手塚キャラクターは何故テーマを「属性」としているか
第4講 雨宮一彦の左目にバーコードがあるのは何故か
第5講 自分からは何もしない主人公を冒険に旅立たせるためにいくつかの方法
第6講 影との戦い

p.43
◆アバターとは
1.アバターは、仮想世界における私の「化身」である。
2.アバターは、構成要素に還元できる。1920年代のアヴァンギャルド芸術にあったモダニズム的な思考に出自を持つ。

p.62
◆言文一致と候文
大塚は、佐々木葉舟の『妹に送る手紙』で、「妹」たちが書いた手紙が候文から言文一致にスイッチしたときに妹キャラの「私」が現れ、それがアバターだとしている。言文一致と候文のどちらが「私」かというのは、そんなに単純なものだろうか。どちらにも「私」の要素の一部が現れているに過ぎないのではないか。

p.70
◆ファミリー・ロマンス
子供が、自分はもらわれてきた子で「本当の親」や「本当の家」が別にあると思い込むこと。フロイトが『エロス論集』で書いた。マルト・ローベルは『起源の小説と小説の起源』で近代文学の始まりも、ファンタジー小説も、その始まりはファミリー・ロマンスにあるとしている。

p.79
◆移行対象
発達心理学者のドナルド・ウィニコットが指摘したもので、幼児が母親から分離していく過程で、母、あるいはもっと直接的には「乳房」の代わりとして求められるもの。ライナスの毛布。ぬいぐるみの熊。

p.84
◆宮崎アニメと移行対象
宮崎駿のアニメは移行対象の宝庫である。小さな子供が親から離れた分離不安、少年少女が大人へと一歩踏み出すことを主題としているからだ。

p.100
◆手塚治虫の「まんが記号説」
手塚治虫は、雑誌のインタビューで「キャラクターは一種の記号でしかない」というキャラクター論を展開した。その際に、使った「記号」や「象形文字」を使ったのは、ロシアのアヴァンギャルドや構成主義の映画評論(クレショフ)から転用した。

p.106
◆パターン化された表情
パターン化された表情も、手塚にとっては「キャラクター」という単位を構成する記号である。人間の感情を形式化された表情に還元するという考え方もクレショフに行き着く。

p.121
◆アトムの命題
鉄腕アトムは、「成長しない身体=記号としての身体」と、「成長することを求められる身体=生身の身体」の双方を併せ持つキャラクターである。これは、どろろやピノ子も同様だ。

p.152
◆昔話の構造31の機能分類(ウラジミール・プロップ)
1.「留守もしくは閉じ込め(大塚は「不在」としている)」
2.「禁止」
3.「違反」
4.「捜索(「偵察」大塚)」
5.「密告(「情報漏洩」大塚)」
6.「謀略」
7.「黙認(「幇助」大塚)」
8.「加害または欠如」
9.「調停(「仲介」大塚)」
10.「主人公の同意(「対抗開始」大塚)」
11.「主人公の出発(「出発」大塚)」
12.「魔法の授与者に試される主人公(贈与者の第一機能)」
13.「主人公の反応」
14.「魔法の手段の提供・獲得(「アイテムの贈与・獲得」大塚)」
15.「主人公の移動(「移動」大塚)」
16.「主人公と敵対者の闘争もしくは難題(「闘い」大塚)」
17.「狙われる主人公(「標づけ」大塚)」
18.「敵対者に対する勝利(「勝利」大塚)」
19.「発端の不幸または欠如の解消(「欠如/加害の解消」大塚)」
20.「主人公の帰還(「帰還」大塚)」
21.「追跡される主人公(「追跡」大塚)」
22.「主人公の救出(「救助」大塚)」
23.「主人公が身分を隠して家に戻る(「気づかれざる帰還」大塚)」
24.「偽主人公の主張(「偽の主人公の不当な主張」大塚)」
25.「主人公に難題が出される(「難題」大塚)」
26.「難題の実行(「解決」大塚)」
27.「主人公が再確認される(「主人公の認知」大塚)」
28.「にせ主人公または敵対者の仮面がはがれる(「偽の主人公の正体暴露」大塚)」
29.「主人公の新たな変身(「主人公の変身」大塚)」
30.「敵対者の処罰(「偽の主人公の処罰」大塚」
31.「結婚(もしくは即位のみ)」

p.178
◆昔話の7つの行動領域(ウラジミール・プロップ)
1.敵対者(加害者)
2.贈与者
3.助力者
4.王女(探し求められる者)とその父
5.派遣者(送り出す者)
6.主人公
7.ニセ主人公
主人公は基本的に受け身なので、主人公の行動領域は7つのうち4つしかない。

p.185
◆グレマスの行為項モデル
送り手 -- 客体(対象) -→ 受け手
補助者 -→ 主体 ←- 

p.187
◆単一神話論
古今の英雄神話は「1つの合成された冒険形態」で表現できるとするもの。映画『スターウォーズ』を監修した、アメリカの神学者ジョセフ・キャンベルによる。
・分離 - イニシエーション - 再生(キャンベル)
・分離→移行→再統合(「通過儀礼の基本プロセス」ヴァン・ヘップ、ビクター・ターナー)

p.190
◆ディズニーランドと「象徴的な死」
ディズニーランドは、アトラクションで箱状の乗り物で非日常空間に足を踏み入れ(分離)、暗闇を移動して(移行)、最後に「象徴的な死」を経て(再統合)外に戻る、という通過儀礼の基本プロセスを繰り返し体験する場所である。

p.193
◆「分離」のプロセス(キャンベル)
1.冒険への召命
2.召命の辞退
3.超自然的なるものの援助
4.最初の境界の越境
5.鯨の胎内

p.214
◆ハリウッド映画のキャラクター
クリストファー・フォグラー『神話の法則』による。
1.ヒーロー
2.賢者
3.門番
4.使者
5.変化するもの
6.シャドウ
7.トリックスター

p.239
◆9・11はハリウッド映画のなぞっている
9・11以降のアメリカは、使えない2世であるブッシュ大統領が、テロをきっかけに「強いアメリカ」を象徴する大統領になっていく物語である。テロは「巻き込まれ型」主人公の物語としての始まりだった。保守派キリスト教徒としての自己実現を果たしたブッシュは、悪の枢軸であるフセインを倒して、アメリカを再生させるというストーリーは、ハリウッド映画そのものだ。


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