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昼食難民の新書生活

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『野菜が壊れる』新留勝行(集英社新書 0469B)

野菜が壊れる

『野菜が壊れる』新留勝行(集英社新書 0469B)

中国産野菜の残留農薬が問題になったが、日本産だからといって安心できるわけではないのは誰でも知っていることだろう。

何年か前に、テレビで減農薬に取り組むキャベツ生産農家の青年の苦悩を描いたドキュメンタリーを放送していた。通常は10数回使用する農薬を半分に減らせば、「減農薬」を謳うことができるが、長雨の影響で農薬をあと1回散布しなければならない瀬戸際に立たされ、青年は散布するかどうかを真剣に悩んでいた。農薬をもう1回散布すると「減農薬」の指定を受けられなくなって、買い取り価格が下がってしまうからだ。かといって、農薬を撒かないとキャベツが病気になる可能性がある。彼は農薬を散布しない賭けに出て、無事に「減農薬」キャベツを出荷できた。めでたしめでたし、というものだった。

散布する農薬を半分に減らしたところで、キャベツが農薬まみれであることには間違いない。この番組は、あたかも健康食品であるかのようにして、少し高い価格で売られている減農薬の野菜ですら、農薬まみれだということを明らかにした。とはいえ、本来の有機農法・無農薬の野菜だけを購入するのは、面倒だし金銭的な負担も少なくないから、ほとんどの人は普通に売っている農薬まみれの野菜を購入せざるを得ない。たとえ、家では安全な農産物しか食べないとしても、高級レストランでさえ残留農薬まみれの中国野菜を使っているかもしれないし、喫茶店で飲むレモンティのレモンは防カビ剤を塗布されたカリフォルニア産の可能性が高いだろう。

もはや、有機肥料無農薬栽培の自給自足でしか安全な食べ物を口にすることができなくなっている、といっても過言ではないだろう。

本書は、野菜はもちろん肉や牛乳、卵といった食材にもに問題があることを摘発している。野菜が「壊れる」のではなく、すでに野菜は「壊れている」のだ。

冒頭で、日本で作られている野菜に含まれるビタミンやミネラルといった栄養素が著しく減少している現実が示される。

原因は、日本の農産物が化学肥料と農薬によって毒されている、という極めて常識的な話だ。生態系を無視した農業で生産される野菜が安全なはずはない。

著者によると、代表的な窒素肥料である硫安は、1950~1960年代に国策によって普及したという。製鉄所で自動車用鉄板には、サビ防止のため硫酸アンモニウムという液体を延ばしたばかりの熱い鉄板に噴霧する。その廃液を安定化させるために石灰に混ぜたものが、国産の硫安なのである。

これによって国際競争力のある安価な化学肥料が得られ、鉄鋼産業は産業廃棄物の処理費用を負担しないどころか農家に売って儲けた、ということらしい。

本書はその大半が、現在我々が口にしている農産物がいかに危険な状態にあるかという手垢のついた問題に費やされている。著者は、摘発するだけでなく、安全で安心な野菜を作るための解決策を提示するために本書を書いた、としている。しかし、その解決策たるや、化学肥料や農薬の使用を止めて堆肥を使い、3~5年かけて農地を微生物たちが住む健康な状態に戻すことだという。健康な農地になれば、収穫量も増し輪作障害すらなくなるという。全く具体性を欠き、実現性の低い提言と言わざるを得ない。

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