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『双極性障害―躁うつ病への対処と治療』加藤忠史(ちくま新書 762)

双極性障害


『双極性障害―躁うつ病への対処と治療加藤忠史(ちくま新書 762)


本書は、かつては躁うつ病と呼ばれた双極性障害に関する詳細な解説と、講演録の2部構成になっている。

「第一部 対処と治療」は、双極性障害の患者およびその家族にとってマニュアルとでも呼べるほど、病状から診断、治療薬までとても丁寧な解説になっている。

双極性障害には、
 双極I型障害:うつ状態と躁状態を繰り返す
 双極II型障害:うつ状態と「軽躁」を繰り返す
の2つがある。

驚くべきことに、躁病あるいはうつ病と診断されている患者の何割かは、双極性障害の可能性があるという。そして、双極性障害の治療には医薬品の投与が不可欠で、カウンセリングや心理療法だけでは治らないという。なぜなら、双極性障害は心理的な原因というよりも、脳内の生理的な障害によって発病する可能性が高いからだ。

ところが、双極性障害と診断されるまでに数年あるいは数十年もかかることがある。アメリカの場合は、病名が確定するまで平均約8年だという。うつ病あるいは躁病と診断され、治療を続けているうちに10年以上も経てから躁状態をあるいはうつ状態になって、初めて双極性障害であると診断されることが少なくないからだ。

双極性障害の治療は、2か月に1度くらい外来診療を受けて、投薬された薬を飲み続けることだという。さらに、「極」に至る前の躁やうつを抑える、予防療法が重要だという。

双極性障害は、慢性の病気だから長年にわたって薬を飲み続けることになるが、うまくコントロールできれば生活に支障を来すような躁やうつを避けることが可能なのである。双極性障害には一般に気分安定薬のリチウムが処方されるが、患者によって効かない場合もあり、手の震えや喉の渇きなどの副作用もあるという。

第二部の講演録の途中までは、第一部と重複するような双極障害の概要が続く。ところが、途中まで読んで思わず「あっ」と声が出た。著者は、双極性障害の原因を解明する研究で世界をリードする研究者なのである。

東大を卒業して間もない1992年に、患者の脳をMRS(MRIを使って化学的な性質を調べる方法)で調べ、脳のエネルギー変化があることを報告。2000年には、双極性障害の原因にミトコンドリアが関係することを雑誌に発表。

さらに、DNAからメッセンジャーRNAを作る転写因子のXBP1や脳由来神経栄養因子のBDNFの異常が、双極性障害の原因ではないかというところまで迫っている。

「双極性障害の最新研究」と題されたこの講演は、精神障害者の団体である「年輪の会」で行われたものだが、本当に最新で世界最先端の研究状況が詳しく述べられていて興味深い。

著者らが目指しているのは、画像診断などで双極性障害を発見できるようにすることなのである。

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