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昼食難民の新書生活

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『イワシはどこへ消えたのか―魚の危機とレジーム・シフト』本田良一(岩波新書 1991)

イワシはどこへ消えたのか


『イワシはどこへ消えたのか―魚の危機とレジーム・シフト本田良一(岩波新書 1991)


本書によると、全国のマイワシの水揚げ量は、1988年の448万8000トンをピークに2005年には2万8000トンまで減少したという。17年間で約160分の1になったのである。

こうした漁獲量の減少については、乱獲による取り過ぎが原因とされていたが、東北大学教授の川崎健教授が、1983年の国連食糧農業機関専門家会議で、日本近海の極東マイワシとカリフォルニア・イワシ、チリ・マイワシの漁獲量の変動が太平洋規模の海洋変動とそれに関連する気象変動に影響を受けていることを発表した。しかし、当時はMSY理論が主流であった。

MSY理論は、Maximum Sustainable Yield(最大持続生産量)という意味で、水産資源は自然死亡と漁獲によって減少し、現存する魚の成長と新たな加入(再生産)によって増える、とする理論。しかし、MSY理論では、環境は多少変化するが、長期的には一定と見なすことができるとして、気候変動を考慮していないという欠陥がある。漁獲圧力が一定であれば、資源量も一定になるという暗黙の仮定の上に成り立っており、「資源が減るのは、乱獲が原因」という見方であり、複数の魚種の相関関係も考慮されていない。

川崎は、年には海域によって周期的に主役となる魚種が代わる魚種交代の原因を気候変動に探すため、レジーム・チェンジに関する研究会を発足し、さらに「大気-海洋-海洋生態系からなる地球の基本構造(レジーム)が数十年周期で転換(シフト)する」とするレジーム・シフトを唱えた。

本書によれば、マイワシが減少しているのは、気候変動によるレジーム・シフトはあるものの、漁船数や網の数による「漁獲圧力」、つまり、マイワシが産卵できるようになる前に乱獲してしまうからだという。

「レジーム・シフト」は、昨年1月に発売された『広辞苑』第6版で新たに収載された。「大気・海洋・海洋生態系からなる地球の動態の基本構造が数十年間隔で転換すること」と書かれている。

イワシはどこへ消えたのか。どこかへ行ったのではなく、いなくなってしまったのだ。

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