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昼食難民の新書生活

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『ユダヤ人とダイヤモンド』守誠(幻冬舎新書 121)

ユダヤ人とダイヤモンド


『ユダヤ人とダイヤモンド』守誠(幻冬舎新書 121)

著者は、商社マンとして駐在時に日本で初めてソ連からのダイヤモンド輸入を実現した人。それ以来、30年以上にわたってダイヤモンドに関して調査・研究しているという。

本書によれば、中世ヨーロッパではルビーやエメラルドなどの色石に比べ、ダイヤモンドの価値は低かったという。色石に比べダイヤモンドが美しくなかったからである。それをもっとも価値のある宝石にまで高めたのは、ダイヤモンド研磨職人たちが工夫を凝らして生み出したカットだった。研磨職人はギルドを形成しなかったので、他の職業から排除されたユダヤ人たちがその担い手となっていった。アントワープは、貿易港としてダイヤモンドの集積地となり、主にインドからのダイヤモンドが集められ、ユダヤ人研磨職人も集まっていった。

ダイヤモンド生産地としてインドの資源が枯渇しかかって、ダイヤモンド産業が衰えようとしたときに、偶然ブラジルでダイヤモンド原石が発見され、再びダイヤモンドはユダヤ人たちによって宝石の王様となる。そのブラジルでも資源が減少したときに、今度は南アフリカで原石が発見される。このとき、ダイヤモンドラッシュに沸く南アフリカにイギリスからやってきたユダヤ人が、ダイヤモンドの価格安定を図るため生産を占有しようとする。デビアス社の誕生である。

シェークスピアの『ベニスの商人』で描かれたシャイロックの姿が“狡猾で冷血”というユダヤ人像を決定づけたと著者はいう。当時のイギリスで民衆の間で高まりつつあったユダヤ人嫌いをシェークスピアが巧みに利用したためだが、『ベニスの商人』で民衆は自らのユダヤ人嫌いを再認することで、ますますユダヤ人排斥が強まる結果となったという。

ところで、ダイヤモンドとは関係ない話だが、あるときタイの田舎で旅行代理店のオヤジと話していると、7~8人の欧米人らしい男女の集団がやってきた。車をレンタルするか、それともドライバー付きでチャーターするかという相談から始まったが、リーダー格らしい女性がいくつかの観光スポットへの行き方を質問している間、ある者は事務所内を歩き回って備品のあれこれを手にし、またある者は関係ない質問を繰り返した。別の者も全く異なる質問を繰り返す。英語の強い訛りと、ニコリともしない顔から中東あたりの連中かと思ったら、イスラエル人たちだった。

彼らが立ち去って嵐のような30分間を終えた瞬間、旅行代理店のオヤジは「だから、ジュいやイスラエル人は嫌いなんだ」と言い放った。「あいつらはいつもそうなんだ。クルマを借りるといってやってくるけど、イスラエル人たちがクルマを借りたことなんてない。観光スポットの情報を取るためにやってくるだけなんだ。それも大人数で、それぞれが勝手気ままに質問する。これでも観光産業の一員だと思っているから、このあたりの情報は喜んで与えることにしている。1人か2人で来てくれれば、こんなに大騒ぎにならず、ほかの客の対応もできるのに」と一気にまくし立てた後で、その剣幕に驚いている私の顔を見て我に返り、最後にこう付け加えた。「私はユダヤ人嫌いではないよ。イスラエル人が嫌いなんだ」

イスラエルでは、兵役を終えた若者が海外旅行に旅立つよう政府が支援しているという。そうしたイスラエル人の集団に何度か出会ったことがあるが、往々にして傍若無人でうるさいので近寄らないようにしている。どうして彼らは少人数で行動しないのか。日本人が1人で海外旅行をしたがるのと対照的だ。

ダイヤモンド産業を誰が支配しようと、ダイヤモンドの価格が国際シンジケートによって下落しないように操作されていようと、現在の私には何の関係もない。本書を読みながら何度も途中で止めようとしたが、著者の30年以上に及ぶ調査・研究に敬意を払って何とか読了した。

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