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昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

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『越境者的ニッポン』森巣博(講談社現代新書 1987)

越境者的ニッポン


『越境者的ニッポン』森巣博(講談社現代新書 1987)

勢いがあっていいなあ。不動産バブル、ITバブル、そしてサブプライムローン問題と辛気臭い時代が長く続くので、たまにこういう鼻息の荒い文章を読むと爽快だ。

著者は、世界を股にかける博奕打ち。奥さんは日本語も含め数カ国語で講演ができる語学の天才のイギリス人学者。息子は15歳で大学に入った数学の天才だという。妻と息子自慢も相変わらずだ。

本書では、自らを中学2年から盛り場を渡り歩いて不登校だったので、高校は卒業したけど中学3年程度の学力しかないチューサン階級と呼ぶ著者が、日本におけるさまざまな不合理を指摘しているが、日本には税金を収めたことのないであろうこの男に愛国者じみた物言いでバッサリ切られるのは、外国人による日本批判に似て、心地良くもある一方で甚だ不愉快な気分になる。

税金をちゃんと払うようになってからものを言え、と言ったところで相手は国際派の博奕打ちだから税金という国家制度から遠く離れたところにいる。だから、いわば高みの見物で無責任に言いたいことを言っているだけ、という批判も容易だ。とはいえ、修羅場をくぐり抜けてきた著者だけに、達識と言わざる得ない見解も少なくない。

例えば、「われわれ日本人」という主語を多用する人達は、実は外人恐怖症に悩んだことがある海外生活経験者である、という記述である。海外での挫折が、愛国者を生むというのは、かつてどこかで読んだことのある記述ではあるが、その分析が面白い。海外に派遣されるくらいだからお勉強は良くできたエリートたちだが、なぜか人間として相手にされなかった「海外不適応」を個の次元の失態として認めず「日本人」という集合主体が海外では不適応だったと責任転嫁する、というのだ。そして、そうした挫折組は「日本人には外国人には理解できない性格がある」と主張する“愛国者”たちになる。

確かに、いわゆる右派の知識人にそうした“ねじれた愛国者”は多いが、福田“嫌み”康夫前首相を除き最近の首相たちは留学経験者たちだ。

ブッシュ前大統領の前で「優しくさすって(Rub me tender)」と歌って、全米の同性愛者から喝采を浴びた小泉“売国奴”純一郎前首相はイギリス留学経験者だったし、「戦後レジームからの脱却」と謳いその通りに参院選で過半数を失って55年体制からの脱却を果たした安倍“敵前逃亡”晋三前首相もアメリカ留学経験者だった。だが、麻生“まんが”太郎は、アメリカとイギリスに留学(それもスタンフォード大とロンドン大)したことになっているが、この人は“まんが”だから挫折なんてしなくて“ねじれた愛国者”にはならなかった。

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