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昼食難民の新書生活

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『リンゴが教えてくれたこと』木村秋則(日経プレミアシリーズ 046)

リンゴが教えてくれたこと


『リンゴが教えてくれたこと』木村秋則(日経プレミアシリーズ 046)

子供の頃にリンゴ園で農薬を撒く光景を見て愕然としたことがある。水色の液体を噴霧していたのだが、噴霧というよりドボドボと農薬を振りかけるような状況だった。農薬が乾くと、リンゴは水色の泥絵の具を塗りつけたようになり、果実というより水色の泥の玉が枝に付いているようだった。さすがに、最近はあまり見かけなくなったが、以前はリンゴのへたには、乾いた白い農薬がべったりとへばりついてたものだ。

著者は「奇跡のリンゴ」を育てた青森県でリンゴ園を営む農家。

「奇跡」と呼ばれるのは、白金台のフレンチ「シェ・イグチ」のオーナーシェフ井口久和が、2つに割った木村のリンゴを冷蔵庫にのせたまま2年間放置したところ、腐敗せずに干からびたことによる。木村は、果実の中でも消毒回数の多いリンゴを無農薬・無化学肥料で育てることに挑戦し、11年かかって成功した。無農薬・無化学肥料で育成するとリンゴだけでなく、米や野菜も腐敗しなくなるという。

木村が無農薬・無化学肥料でリンゴを作ろうとしたのは、消毒による健康障害で家族や自分が苦しむのを止めようとしたことからだった。しかし、成功までの道のりは遠く、花さえ咲かない年が続く。自殺しようとして岩木山に登り、首つりのロープを落としてしまったときに見たのは、誰も手をかけていないのに青々と茂るドングリだった。山に生えるドングリは、病気や害虫と無縁に生きている。自分のリンゴ園でも山と同じ土を作れば、無農薬・無化学肥料が成功するはずだと再び生きる力を取り戻す。

無農薬・無化学肥料を始めて10年目にしてようやくゴルフボール大のリンゴ2個を収穫し、翌年には88アールの畑で全開を実現する。この間、木村は極貧に耐えながら、観察の日々を送り、試行錯誤を繰り返していたのだ。

木村は、米でも無農薬・無化学肥料の自然栽培にも挑戦し、10アールあたり9俵の収穫を得るようになったという。さらに、野菜の自然栽培にも成功している。窒素・リン酸・カリという農業には欠かせないとされてきた化学肥料は、木村が独自に開発した自然栽培には全く不要なのである。

木村が独学で無農薬・無化学肥料の農業に挑戦し、苦闘の中で成功するまでの間、農協はもとより全国の農業試験場や大学の農学部ではいったい何をしてきたのか。本来は不要な農薬や化学肥料を農民に使用させるための仕組み作りをせっせとやってきただけなのだ。

木村は、新JAS法に基づく有機農法にも警鐘を鳴らしている。農薬・肥料を使った慣行農法のキュウリ、有機農法によるキュウリ、木村の自然栽培のキュウリの3種を切って腐敗の進行を調べたところ、自然栽培のキュウリは腐敗せず、有機農法のキュウリが慣行農法によるキュウリよりも腐敗したという。木村は、その原因を未完熟堆肥による硝酸態窒素にあると見ている。いかにも健康に良さそうな有機農法の野菜が、実は慣行農法の野菜よりも健康に悪影響をもたらすかもしれないのだ。

木村の元には、全国はもとより韓国からも学びに来る人が後を絶たず、木村自身も講演と指導に全国を飛び回っている。木村の自然栽培が広がりつつあるのだ。

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