TOP > スポンサー広告 > 『境界性パーソナリティ障害』岡田尊司(幻冬舎新書 123)TOP > 新書 > 『境界性パーソナリティ障害』岡田尊司(幻冬舎新書 123)

昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『境界性パーソナリティ障害』岡田尊司(幻冬舎新書 123)

境界性パーソナリティ障害


『境界性パーソナリティ障害』岡田尊司(幻冬舎新書 123)


精神疾患は、時代によってそれぞれの疾患の患者数が増減する。統合失調症患者が増える時代と、躁鬱病患者が増える時代は違うという。

ボーダーライン(境界性)というのは、神経症と精神病の境界という意味。社会生活を送ることが困難になるほど人格が破壊されていたり、粗暴な態度になれば強制的に治療を受けることにもなる。しかし、単に情動の振り幅が他の多く人よりも著しい程度ならば、本人の意思なしに治療を受けることもない。

「健全な精神」の持ち主が存在すると真剣に信じている人は多いのかもしれないが、現代の日本で「健全」の範囲をいったいどこに置けば正しいとされるのか、大いに疑問の残るところだが、明らかに人格上の問題を抱える人は存在しており、周囲の人々を傷つけ混乱を与えている。

本書では、第1章から第6章まで、境界性パーソナリティ障害が発症する要因や症状について詳しく解説している。

本書によれば、1980年代以降、境界性パーソナリティ障害の患者が急増しているという。養育環境が要因であることは間違いないが、社会的要因なしに急増は説明できない。著者は、その要因として次の5つを挙げている。
 1.密室化した家族
 2.忙しくなった母親
 3.アノミー化する社会と父親機能の不在
 4.過保護すぎる環境
 5.仕事や趣味を優先する親
どれも現代日本の家族に普通に見られる傾向だろう。決定的な要因とはいえない。患者の発生率が数%しかない境界性パーソナリティ障害の要因とするには無理がある。

また、境界性パーソナリティ障害は、患者の性格や素質、背景によって、症状や行動様式などが異なる、として次の10タイプを挙げている。
 1.強迫性の強いタイプ―妥協できない優等生
 2.依存性が強いタイプ―献身と背信を併せもつ
 3.失調型の傾向が強いタイプ―ガラス細工のように繊細
 4.回避性の強いタイプ―傷つくことに敏感すぎる
 5.自己愛が強いタイプ―過剰な自信と劣等感を抱える
 6.演技性が強いタイプ―性と外見に異常にこだわる
 7.反社会性が強いタイプ―危険なスリルを求める
 8.妄想性が強いタイプ―愛する人も信じられない
 9.未分化型パーソナリティのタイプ―低年齢のケースに多い
 10.発達障害がベースにあるタイプ―症状が複雑すぎる

とさまざまな症状を挙げており、境界性パーソナリティ障害の症状の幅広さに驚かされる。本書の冒頭で、「境界性パーソナリティ障害は症候群」と著者が書いているように、まだ病名が未分化の状態にあるのだ。

第6章~第8章では、境界性パーソナリティ障害の患者を支え、改善し、回復するための方法について実例を挙げながら具体的かつ懇切丁寧に解説している。

家族や周りの人にとっては、いわば「境界性パーソナリティ障害患者応対マニュアル」と呼ぶべき内容で、身近な「困った人」に困っている人々の参考になるだろう。


■関連書籍
『アスペルガー症候群』岡田尊司
『あなたの中の異常心理』岡田尊司
『回避性愛着障害―絆が希薄な人たち』岡田尊司


関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://pasage.blog43.fc2.com/tb.php/419-dd37bedb

 | HOME | 









ブログランキングに参加中です

リンク

お気に入りに追加
このブログをリンクに追加する

最近の記事

にほんブログ村ランキング

ブログ内検索

Loading

カテゴリー


全記事一覧(500件ごと)

カレンダー+月別アーカイブ

ケータイ版URL

QRコード

RSSフィード

プロフィール

Author:pasage
昼食時は「難民」と化して「新書」を片手に、都内各地を彷徨っています。

FC2Ad

Template by たけやん

QLOOKアクセス解析

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。