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『仁王―知られざる仏像の魅力』一坂太郎(中公新書 1995)

仁王



『仁王―知られざる仏像の魅力一坂太郎(中公新書 1995)

仁王像に関するまとまった本はこれまでなかったという。

本書は、北海道から沖縄まで全国133か所の仁王像を訪ね歩き、その施主や作者などの縁起や工法などを紹介した「仁王像カタログ」となっている。

仁王は、執金剛神(ヴァジラパーニ)が本身とされ、金剛杵(ヴァジラ)を持って、釈迦如来の背後や周囲を護る単独の守護神とされる。しかし、口を開けた阿形と、口を閉じた吽形の二神として作られるようになり、南大門や仁王門などの寺門に鎮座するようになった。神仏習合の進んだ中世以降は神社にも置かれたが、明治政府の廃仏毀釈によって、破壊されたり移転させられた仁王像も少なくないという。

タイのお寺の入り口には、ヤックと呼ばれる鬼神2体が立っていることがある。全身が一方は赤、もう一方は緑(あるいは青)で、両手で持った金棒(金剛杵)を台座に突いて、憤怒の顔で直立している。まるで赤鬼と青鬼のようだ。ヤックとは夜叉あるいは阿修羅のことらしいので、仁王とは別系統だが仏法護持の神である。

寺門に置かれた仁王像は、本来の釈迦如来を護るための像ではなく、参詣者に睨みを効かせるために設置されたものなのだろう。物身遊山の気分で訪れた者たちに、神聖な祈りの場所であることを気づかせる役割を担っているのだ。

最大の仁王像で最高傑作といわれるのは運慶ら慶派が作った東大寺南大門像だ。巨大な仁王像2体はたった69日間という信じがたい短期間に作られた。精緻で綿密な計画に基づいて作られたのは間違いない。この仁王像が他の像とは全く異なるポーズで、阿形吽形が左右逆に門の内側に向かって置かれている、という異例の設置方法なのはなぜだろう。

本書では、大勧進の重源が源頼朝による武家政権にふさわしい様式として中国・宋代の新しい仏画を参考にした、としている。しかし、その後、東大寺南大門像のスタイルで仁王像が作られることはなかった。あまりに偉大で異様なので真似ることすら思いつかなかったということなのだろうか。

本書が初めての「仁王本」であるように、仁王像に関する研究はまだほとんど進んでいない。だから、まだまだ謎は多く、仁王像は不思議な魅力を放っているのだ。

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