TOP > スポンサー広告 > 『歌舞伎町・ヤバさの真相』溝口敦(文春新書 705)TOP > 新書 > 『歌舞伎町・ヤバさの真相』溝口敦(文春新書 705)

昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『歌舞伎町・ヤバさの真相』溝口敦(文春新書 705)

歌舞伎町・ヤバさの真相



『歌舞伎町・ヤバさの真相』溝口敦(文春新書 705)


溝口敦は、これまで暴力団やサラ金といった裏社会を対象とした秀逸なルポルタージュを残している。その溝口が歌舞伎町をテーマに書いているのだから、読む前に期待が高まるのも当然だろう。

ところが、本書の前半は百人町の語源となった江戸時代の鉄砲隊百人組や第二次大戦後の尾津マーケット、歌舞伎町の発展を担ってきた外国人たちといった歴史の記述に充てられている。

現在、歌舞伎町の土地持ちの6割が、朝鮮人や韓国人、台湾人だという。彼らは、日本人の地主や家主以上に街の美観や動向に無関心であり、そのため歌舞伎町は欲望がストレートに表現された猥雑な東洋一の歓楽街となっている。

日本の暴力団員が、一時的に歌舞伎町からいっせいに姿を消す原因となったといわれる青竜刀事件の前後は、中国マフィアが肩で風を切って歩いていた。しかし、2002年に50台の監視カメラが設置され、2003年に都健康プラザ・ハイジアのオフィス階に入国管理局の支所が設置されて数百人の職員が働くようになると、外国人がらみの犯罪は減少しているという。歌舞伎町は、馳星周の『不夜城』の舞台となった時代から大きく変化しているのだ。

とはいっても、夜の歌舞伎町を歩けば「マッサージいかがですか」と声をかけてくる中国女性は少なくないし、昼だって交番のすぐそばで裏DVDを売る男たちが声をかけてくる。韓国エステやタイ古式マッサージ店といった風俗店だってしぶとく残っている。

パチンコ屋のような〈健全な〉ギャンブル店もある一方で、違法の匂いが漂うゲーム喫茶やパチスロ店が新宿区役所のすぐ裏で堂々と営業している。

残念ながら本書は、歌舞伎町のそうした現場を歩いて書いたルポルタージュではない。むしろ、資料を元に書いた「歌舞伎町史」というべきものだ。

溝口に書いてほしかったのは、そうした〈ヤバさの真相〉であり、法の目をかいくぐって生きる人々の実像だった。溝口は、なぜルポルタージュを書かなかったのか、そればかりを考えながら読み終えた。

関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://pasage.blog43.fc2.com/tb.php/469-9b3137f9

 | HOME | 









ブログランキングに参加中です

リンク

お気に入りに追加
このブログをリンクに追加する

最近の記事

にほんブログ村ランキング

ブログ内検索

Loading

カテゴリー


全記事一覧(500件ごと)

カレンダー+月別アーカイブ

ケータイ版URL

QRコード

RSSフィード

プロフィール

pasage

Author:pasage
昼食時は「難民」と化して「新書」を片手に、都内各地を彷徨っています。

FC2Ad

Template by たけやん

QLOOKアクセス解析

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。