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『戦略の不条理―なぜ合理的な行動は失敗するのか』菊澤研宗(光文社新書 426)

戦略の不条理


『戦略の不条理―なぜ合理的な行動は失敗するのか菊澤研宗(光文社新書 426)

著者は、軍事戦略論と経営戦略論の溝を埋めるために本書を書いたという。日本では防衛関係者は軍事戦略が最上のものであるとして経営戦略を顧みないし、経営戦略の専門家は軍事戦略を忌避しているが、本来、戦略論は、軍事戦略から生まれた考え方であり、欧米では両者が同一の俎上で論じられているものだからだ。

経営学をベースに軍事戦略論を学んだ著者が、防衛大の同僚であった野中郁次郎に習って、新たな理論を構築しようとしているということらしい。

タイトルの「戦争の不条理」とは、「特定の世界ではきわめて適合的で合理的な行動をしているはずが、別の世界ではまったく不適合となっているために淘汰されてしまう『合理的不適合』と呼びうる不条理な現象のこと」だという。

著者はカール・ポパーの3次元世界観にしたがって、世界は下記の3つに分けられるという。

  1.物理的世界
  2.心理的世界
  3.知性的世界

そして、現実世界がこの3つの世界によって構成されていることを認識したうえで、キュービック・グランド・ストラテジー(CGS:立体的大戦略)に立てば「戦略の不条理」を防ぐことができるとしている。

その実例として、クラウゼヴィッツの『戦争論』やカルタゴのハンニバルによるローマ攻撃、ナポレオンとロンメルの戦略をCGSによって解析している。しかし、このCGSは、戦略の解析ツールとしては粗雑で恣意的なものでしかないし、戦略立案のためのフレームとしても穴だらけの脆弱な理論に過ぎないのではないか。

というのも、それぞれの批判はこれまで手垢の付いた議論に過ぎないからだ。

著者が、CGSを補強するテキストとして上げているのは『孫子』なのである。つまり、CGSは「孫子の兵法」の焼き直しに新たな名前をつけただけなのだ。

そして、最後にCGSのビジネスへの応用として「クリティカル・マネージング・フロー」という手法を紹介しているが、これとて計画・実行・評価・改善を螺旋状にスパイラルアップさせるシューハートやデミングの「PDCAサイクル」ほど洗練されたものではない。

まだまだ完成には程遠い理論のようだ。

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