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『日本の女帝の物語―あまりにも現代的な古代の六人の女帝達』橋本治(集英社新書 0506B)

日本の女帝の物語


『日本の女帝の物語―あまりにも現代的な古代の六人の女帝達橋本治(集英社新書 0506B)

数年前に、皇位継承問題ことに女性天皇の是非への関心が高まったことがあった。2004年末に当時の内閣総理大臣・小泉純一郎の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が設置されたためだ。

秋篠宮文仁親王以来、男子の皇族が40年間誕生せず、皇太子徳仁親王の第1子も女子である敬宮愛子内親王であったことから、女性天皇や女系天皇を認めるように皇室典範を改正しようとする動きが始まった。というのも、皇室典範の第1条には「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」とあるからだ。

日本では推古天皇以降、10代8人の女性天皇が生まれているが、女性天皇は「男系男子天皇と男系男子天皇の間をつなぐ中継ぎ」というのが通説である。

本書は、こうした通説をくつがえし、女性天皇は単なる「中継ぎ」ではなく、主体的に実質的な政治権力を行使した存在でもあったことを明らかにしようというものである。

例えば、推古天皇は崇峻天皇亡き後、最初の女性天皇として即しているが、厩戸皇子への「中継ぎ」だったわけではない。崇峻天皇死亡時には厩戸皇子が19歳と若すぎたとしても、その後20年にわたって推古天皇は厩戸皇子に譲位することはなかったし、そもそも推古の時代に譲位という制度はなかったからだ。

本書では、推古天皇から皇極天皇、斉明天皇(皇極天皇の重祚)、持統天皇、元明天皇、元正天皇、孝謙天皇、称徳天皇(孝謙天皇の重祚)まで、8代6人の女性天皇に関して、天皇になった経緯や目的について詳しく書かれている。

皇位継承問題に戻れば、女性天皇の反対派が挙げる理由の1つに神道儀礼の問題がある。天皇が行う神道儀礼には女性では行えない儀礼が数多く存在し、歴代女性天皇もそうした行事は中止していたという。例えば、天皇が行うもっとも重要な宗教的儀式である新嘗祭は、女性霊である「穀霊」を男性である天皇陛下が祭司することにその本質があるため、女性天皇が執り行うことはできない。かつての女性天皇が神道儀礼を中止していても天皇であり続けることができたのならば、これから女性天皇が神道儀礼を行わないことも伝統に則ったことといえるのではないか。

本書は、女性天皇たちをまるで近代的自我に目覚めた権利意識や政治権力への執着をもった人物像として描いていて、天皇は神道儀礼を執り行う祭司であることには全く触れていない。この点が、最後まで腑に落ちなかった。

皇位継承問題は、2006年に悠仁親王が誕生したため「皇室典範に関する有識者会議」の答申は白紙撤回されたが、皇位継承資格者不足の解決は先送りになったままである。


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