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昼食難民の新書生活

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『脱DNA宣言―新しい生命観へ向けて』武村政春(新潮新書)

脱DNA宣言


脱DNA宣言―新しい生命観へ向けて』武村政春(新潮新書)

本書は、DNAだけが遺伝子の主役であるとするDNA至上主義に対して「実はRNAが遺伝子で、DNAはそのバックアップコピーに過ぎない」と大胆な主張をしている。もちろん著者も、この主張が“非常識”であり、まだその証拠が少ないことから時期尚早であることはわかっている。

しかし、細胞の核内やミトコンドリア内に止まっているDNAと違って、RNAはメッセンジャーRNAやトランスファーRNA、自力でスプライシングができるリボソームRNAという“RNA御三家”のほかに、マイクロRNAや低分子干渉RNAなどタンパク質合成の設計図にはならないが、なんらかの役割を担っているRNAが多数発見されており、それらは細胞内のあらゆる場所に点在し、まだ解明されていないさまざまな働きをしているらしいことがわかっているという。

確かに、DNAを持たないノロウイルスやエイズウイルスのような「RNAウイルス」の存在を知った時に、DNA無しでも世代交替が可能であるのならば、DNAが遺伝情報の主役であるという定説と矛盾するのではないかと思っていた。

本書によれば、
(1)DNAの材料であるデオキシリボヌクレオチドはRNAの材料であるリボヌクレオチドから合成される。
(2)RNAには、触媒活性を持つ潜在的な能力がある。
(3)DNAを持たないRNAウイルスが存在する。
(4)代謝にかかわる補酵素の多くはリボヌクレオチドを含んでいる。
(5)DNAの複製は、RNAが合成された後で開始される。
といった「証拠」から、RNAのほうがDNAよりも古くからあった、としている。だから「DNAは遺伝情報のバックアップコピーだ」というのである。

フランシス・クリック(DNAが二重らせん構造であることを明らかにしたワトソン=クリックのクリック)が1958年に提唱した「DNAに書き込まれた遺伝情報は、常にDNAからRNAへとコピーされ、それがタンパク質へと翻訳される」というセントラル・ドグマは逆転写酵素(RNAからDNAへとコピーするための酵素)の発見で修正を余儀無くされたが、「安倍晋三は岸信介の危険なDNAを受け継いでいる」といったレトリックが存在するように、いまだにDNA至上主義とも呼ぶべき言説が流布している。

ドグマという“教義”を受け入れてしまったことが、これまでどれだけ科学の進歩を阻害し続けてきたのだろうか。

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