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昼食難民の新書生活

(新宿・秋葉原・芝浦など各地でのランチと読書)

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『グルメの嘘』友里征耶(新潮新書 337)

グルメの嘘


著者は自らを副業料理評論家と書いている。歯に衣着せぬ辛口の飲食店批評で話題の人らしい。

本書で最初にこき下ろされているのは、料理評論家やフード・ライターを名乗る人々である。改めて考えるまでもなく、料理に関して「評論家」を名乗る人々の中に、まともな評論を行っているひとがどれだけいるか。書評や社会評論に比べ、著しくレベルの低い段階にあるのは誰もが気づいているはずだ。

しかし、こと料理に関しては提灯記事を垂れ流している雑誌に取り上げられれば、一躍予約の取れない行列店となり、テレビに出演した料理人はカリスマと持て囃される。著者は、そうした飲食店を巡るマスメディアの「嘘」に怒り、マスコミに躍らされるミーハーな人々(懐かしい言葉だけど、まだたくさん生息している)を批判している。本書では、「『性格の悪い料理人』の店に美味いものなし」「再開発ビルの店には近寄るな」「レストランに媚びるマスコミ」などさまざまな視点から、「グルメの嘘」を暴いている。

そもそも味覚という個人の嗜好にかかる問題に「客観的」な批評が書けるものなのか。その嗜好にしても決して一定ではなく、体調・気候・雰囲気・気分といった要因で大きく変わるものだ。だから、著者は自分の嗜好にあった店選びをするために、シェフの経歴や喫煙、飲酒などのプロフィールをディスクロージャーせよと書いている。

舌鋒は『ミシュラン』に対しても揺るがない。全世界で80万部ほどしか売れていないのに、2008年東京版は発売即売り切れで30万部も売れてしまったというが、2009年版の制作に当たり、覆面調査員はすべて日本人にしたことを誇らしげに発表するとともに、たった7名であることを明らかにしたという。しかも、調査員になることを打診されたが断ったというサービスマンの話から、7名の調査員の多くはフレンチやイタリアンの男性サービスマンと推定している。『ミシュラン』の調査員は、料理人でも美食家でもなく、飲食店の元従業員なのである。京都版では、制作段階で多くの店から拒絶されたため写真を掲載できず、ページ数を減らさないために「大阪」を加えることになったという。

著者は業界から目の敵にされているというが、容赦ない批評精神を支えているのは、決して大もうけはできない飲食業という仕事を選び、お客に美味しい物を提供したいという情熱のためだけで働いている人々へのエールと、金儲けの手段としか考えない人々への激しい怒りなのだ。

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