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『聖徳太子 七の暗号―「太子七か寺」はなぜ造られたのか』宮元健次(光文社新書 437)

聖徳太子 七の暗号


『聖徳太子 七の暗号―「太子七か寺」はなぜ造られたのか宮元健次(光文社新書 437)


本書では、四天王寺をはじめとする厩戸皇子が創建したと伝えられる7つの寺院(太子七か寺)が、物部守屋を鎮魂する目的で建てられたという仮説が展開される。太子七か寺とは、法隆寺、四天王寺、中宮寺、橘寺、広隆寺、法起寺、葛木寺(現存せず)。七か寺以外にも善光寺や飛鳥寺、法輪寺などについて詳しく書かれている。

梅原猛は『隠された十字架』で、法隆寺を聖徳太子一族の怨霊を鎮撫するために創建されたとする仮説を発表した。丸谷才一は『忠臣蔵とは何か』で御霊信仰について考察し、忠臣蔵は赤穂浪士の怨霊を鎮めるために書かれ上演されたとした。わが国では、古くから御霊信仰によって、恨みを残して死んだ人は怨霊となって祟ると信じられ、神として祟りを鎮めてきた。最も有名なのは天神様として祭られている菅原道真だが、昔から政敵を殺した人々は祟りを恐れるあまり死者を神として懇ろに弔ってきた。

なぜ七か寺なのか。キトラ古墳の天井に北斗七星が描かれていたように、わが国でも古くから「7」は聖なる数字であった。北極星を世界の中心と見る北辰信仰によって、北斗七星は死者の霊を鎮める働きがあるとされたのだ。

仏教の受容を巡って、蘇我馬子と対立した物部守屋の一族が滅ぼされた「丁未の乱」(587年)に際して、厩戸皇子(聖徳太子)は四天王を自ら作って戦勝を祈願したという。日本最古の寺院として四天王寺は、当初は物部守屋の別邸である難波に建てられた。ところが、大量のキツツキが建物に穴を開けて倒れたため移築したという。

長野の善光寺は、守屋が難波の堀江に捨てた仏像を拾った本田善光が建てたとされるが、これも厩戸皇子によって守屋の怨霊を鎮撫するために創建されたという。

法隆寺の建つ斑鳩は、もともとは物部守屋の領地だったが、守屋を滅ぼした後に厩戸皇子の領地となっている。そのため法隆寺には、守屋鎮魂の仕掛けが多数施されている。創建法隆寺も四天王寺や善光寺、飛鳥寺と同様に守屋の成仏を願う目的で建てられたのである。

「太子七か寺」に共通するのは、伽藍配置が四天王寺式配置であり、阿弥陀如来を本尊とする善光寺式一光三尊形式であり刀印をもつことである。ところが、仏像史ではこの点がほとんど触れられていないという。また、それぞれの寺院やゆかりの神社は「自然暦」を意識した位置関係にある。一定の場所から見て、夏至や冬至、春分、秋分の太陽が一定の山から出没するしくみを「自然暦」と呼び、農耕のための暦や祭祀として古来、各地で用いられてきたが、守屋の霊の鎮魂にも自然暦が使われているだ。

阿弥陀信仰が伝来したのは640年とされているが、厩戸皇子は、595年に来日して厩戸皇子の仏教の師となった高句麗の僧・慧慈から阿弥陀信仰を学んでいた可能性があるという。607年に、遣隋使・小野妹子に「日の出る処の天子、書を日没する処の天子に致す」で始まる国書を提出させているが、「日没する処」に西方浄土という阿弥陀信仰の根本的な考え方が現れているとする。

厩戸皇子は、なぜそれほどまで物部守屋の怨霊を恐れたのか。丁未の変は、物部氏と蘇我氏の宗教戦争であるとされてきたが、実は物部守屋が推す穴穂部皇子と蘇我馬子の推す泊瀬部皇子による皇位継承の争いだったとされる。また、物部氏は「ものを述べる」神託の代弁者であり、武器の製造・貯蔵を天皇から任された大豪族であり、天皇家以外で唯一の降臨神話をもつ最大の勢力でもあったからだ。

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