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昼食難民の新書生活

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『定食学入門』今柊二(ちくま新書 825)

定食学入門


『定食学入門』
今柊二(ちくま新書 825)


本書の帯では東海林さだおが「こういう本を前から読みたかったのだ!!」と絶賛しているが、信じてはいけない(私はうっかり信じてしまったが)。本書はそれほどの本ではない。

タイトルは定食学となっているが、もちろん「学」は冗談である。そして、定食屋で食事をする人々を「定食学徒」と呼んでいるが、これももちろん冗談でしかないが、定食を真面目に語る滑稽さが表現できていると言い難い。

冒頭では、「定食学初心者」向けに利用法を書いているが、何のパロディにもなっていない。本書を読むまで定食屋を利用したことのない幸福(不幸)な人々にとって何の役にも立たないだろう。続く定食のメニュー紹介でもごく当たり前のことが書かれているだけだ。

著者が食べた全国の定食屋を紹介しているが、「行ってみたい」と思わせる記述はなかった。

『嬉遊笑覧』に書かれた「浅草金竜山(待乳山なり)門前の茶 店に 始めて茶飯 豆腐汁 煮染 煮豆 等をととのえて奈良茶と名付けて出せしを江戸中はしばしよりも是をくひにゆかんと殊の外めづらしき事に興じたり」をもとに、待乳山聖天の前に開店した奈良茶飯屋を「日本で最初の食堂」としているが、これはせいぜい「初出」に過ぎないだろう。二鐘亭半山の『見た京物語』には「一ぜんめしノ看板アリ」という記述があるので寛永年間(1624~43)の京都には一膳飯屋があったらしい。江戸の町人の人口は、明暦3年(1657)には約28万人と推定されており、これに武士の約50万人を加えれば80万人近くが住んでいたことになる。食事を提供する店が存在しなかったと考える方が不自然だろう。

定食屋をテーマにした本ならば、『大衆食堂』野沢一馬(この本はルポルタージュだが)のほうが本書より100倍面白い。

かつては都会で暮らす男性独身者にとって、定食屋は不可欠の存在だった。ここでいう定食屋とは、焼き魚定食や肉じゃが定食といった「おかず+ご飯+汁」がセットになった「和食」のメニューを主に提供する安食堂のことである。こうした定食屋では、ビールはもちろん日本酒を提供しているので晩酌程度に飲むことは可能だが、酒を飲む客は少なくて、ひたすら明日のために栄養をつけようとする真面目な労働者や学生のためのオアシスだった。レトルト食品やコンビニ弁当の発達によって外食から中食へと独身男性の食生活が変化する中で、昔ながらの定食屋は消えつつある。

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