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昼食難民の新書生活

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『「即戦力」に頼る会社はダメになる』松本順市(幻冬舎新書 145)

即戦力


『「即戦力」に頼る会社はダメになる』松本順市(幻冬舎新書 145)

新卒が「即戦力」にはなり得ない以上、中途採用者には「即戦力」が求められるのは当然のことであり、派遣社員はそもそも「即戦力」でなければ人材派遣会社が斡旋しないだろう。

新卒者を教育するためのノウハウや人材に欠けている中小企業にとって、ある程度の経験を積んで技術を身につけた労働者ならば、教育のための時間と費用を節約できるため、ぜひとも採用したい人材である。

しかし、タイトルをもう1度よく読むと、『「即戦力」に頼る会社~』となっている。「即戦力」を必要として採用する会社は少なくないが、即戦力に「頼る」ような間抜けな会社はあるだろうか。

本書のタイトルから想定される読者は、経営者や管理職ということになるだろう。しかし、読んでいるうちに本書は、誰に向けてかかれているのか著者の視線が定まらなくなる。

本書の前半では、効率一辺倒の成果主義を繰り返し批判しているが、その一方で著者は「成長主義」とでも呼ぶべきイデオロギーに支配されている。人間は年と共に成長するものであり、経験を重ねることのみが人間の価値を高めるとする考え方だ。

そして、成長を3つの成長階層に分けられるとしている。第1段階は、プレーヤー。優秀であると評価された社員は「一人前になった」と言われ、中堅職層にステップアップする。そこでも優秀であると評価されると、次のマネージャーである管理職層に進むとしている。誰でもこの3つのステップで成長するとしているが、中堅に進んでも管理職に進めない人が少なくないことをなぜ無視するのだろうか。限定的な技能を活かすことは得意でも、組織の運営管理能力には全く興味がなかったり、そもそもそうしたマネージメント能力に欠ける人は少なくない。むしろ、マネージメント能力に長けた人の方が少ないと言える。

著者の成長主義経営によれば、当然のことながら給与も成果主義の成功報酬ではなく、年功序列に基づいた制度を支持している。しかし、わが国では勤続年数に比例して給与が上昇する制度は破綻している。「出費が少ない若いうちは働いた分だけの給与を受け取れなくても、出費が増える中年以降にはその分の給与を支払うから」という給与の後払い制度は、あくまで終身雇用によって保障されていた。終身雇用制度が崩れたいま、働いた分だけの給与を受け取る、というのが合理的な制度になっている。後払いを受け取れるかどうかがわからなくなっているのだから。

後半は、新入社員への会社員としての心構え講座になっている。「入社5年から10年までは、一人前になるための勉強の期間であり、給与の多寡は気にせずに働け」とするものだ。あるいは、「上司に恵まれなくてもそれの分が勉強になるから自分の成長につながると考えよ」といった内容だ。経営者たちは、若い社員たちに著者のこうした講演を聞かせたくなるのだろう。300社以上を立て直したと自慢げに書いているが、実態はそんなところではないか。こんな講演を聞かされる新入社員はいい迷惑だろう。

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